米労働市場にも暗雲、労働市場情勢指数(LMCI)は急減速
更新日:2016年02月09日(火)
FRBが発表した米1月の労働市場情勢指数(
LMCI)は、市場予想の+2.5程度を大きく下回る+0.4に。2.9から2.3へと下方修正された12月分からも急低下し、3カ月連続の低下で昨年4月以来の低水準に。
前回12月分発表時点では、上昇傾向を示していた状態から、過去分全般に渡る修正反映を含めた今回は、低下傾向を示す形へ切り替わったような状況です。
2015年の推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:3.7(-0.1)
2月:1.8(-)
3月:-0.5(+0.2)
4月:0.4(+0.8)
5月:2.0(+0.3)
6月:1.9(+0.2)
7月:1.8(+0.5)
8月:1.6(+0.1)
9月:1.6(+0.1)
10月:2.9(-)
11月:2.8(+0.1)
12月:2.3(-0.6)
製造業を中心とした景況感の悪化に低インフレ、景気減速懸念がくすぶるなかでも、労働市場の底堅さによって12月の初回利上げを正当化する形となっていた1カ月前からは、状況が大きく変わり始めていることを示唆している可能性もありそうです。
失業率が5%を切り、賃金も上昇傾向といえども、米労働市場全体としては急減速を示し始め、とても追加利上げを正当化できる形とは言えない状況となってきました。
8日のNY金相場は3.47%の爆上げ状態となって4日続伸。1160ドル台での推移から欧州時間以降のドイツ株急落に先導される形での株安円高、さらには原油安のリスク回避の流れに乗って上昇基調が加速すると一時1200ドルの大台にタッチ。1日の上昇率としては2014年12月1日(+3.65%)以来の急騰。金相場の中長期的な水準が切り替わる際には、しばしば暴騰・暴落的な急変を伴いがち。約4カ月前となる昨年10月高値1191.7ドルを上抜け、6月19日以来ほぼ8カ月ぶりの高値水準となったことで、中長期的な下落トレンド脱出に向けて大きく前進。ボラタイルな流れに急反落リスクも高まる状況。
NYプラチナ相場は2.77%の大幅反発。欧州株安に目をつぶって金に追随し、11月6日以来3カ月ぶりの高値水準へ。やや行き過ぎた流れに反落警戒感も高まり続けるなか、行き過ぎたリスク回避の流れに行き過ぎの金相場を追う展開。
90日移動平均線(898)を上抜けて3日、これまでは上抜けて数日間で戻り売り、急反落で安値更新というパターンが繰り返されてきただけに、ここからの展開には要警戒か。
ドル円は1円超、0.9%の大幅反落。ドル安円高の流れは収束せず、欧州市場での大幅株安に追随した円高の流れはNY市場でのLMCI悪化をきっかけに116円を割れて加速、一時2014年11月以来、1年3カ月ぶりの円高水準となる115円10銭台まで下落。今朝には一時115円割れを試す展開。日米欧の協調緩和、あるいはG7の声明、もしくは為替介入も?とも思わせるようなリスク回避の流れに。2014年末以降の長期下値支持線となっていた116円前後の水準を完全に下抜けての底割れ状態。2013年前半の長期保ち合い期間の底辺100円70銭台から2015年6月高値125円80銭台までの38.2%戻し(116円20銭台)も下抜けた状態となり、当面の下値目安としては、50%戻し113円30銭付近、61.8%戻し110円30銭台も視野に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.68%の続伸で昨年10月30日(4765)以来の高値水準に。4739円まで切り下がってきた
200日移動平均線も目前、昨年7月以来7カ月ぶりとなる200日線超えとなれば、4750円前後の短期上値目標到達濃厚となり、昨年来の下落トレンドにピリオドを打つ可能性も高まる状況へ。
国内プラチナ価格は0.93%上昇し、4営業日続伸。円高急進のなか、金価格に引っ張られる形での堅調推移継続となり、目標水準3710円台へも手が届く範囲内に。そのすぐ上には90日移動平均線が3727円まで迫り、抵抗水準にもなりやすいところ。
昨年5月と2月末には90日移動平均線にぶつかって反落しており、2月上旬以来1年ぶりの90日線超えとなれば、1年以上続いた急落トレンドにも変化の兆し。
※参考:
金プラチナ国内価格2/9とチャート
2016年02月09日(火)時点の相場
国内金:4,734 円 2/9(火)
▲32(
0.68%)
国内プラチナ:3,689 円 2/9(火)
▲34(
0.93%)
NY金:1,197.9 ドル 2/8(月)
▲40.2(
3.47%)
NYプラチナ:928.7 ドル 2/8(月)
▲25.0(
2.77%)
ドル円:115.85 円 2/8(月)
▼1.05(
0.90%)
2/8(月)のその他主要マーケット指標
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