38.2%ラインの均衡点
更新日:2016年06月08日(水)
NY金相場は、昨年12月3日に5年10カ月ぶりの安値となる1046.5ドルの安値をつけて反発しました。それまでの長期下落トレンド終了を示す分岐点となった可能性が高く、今年5月2日には一時、1年4カ月ぶりの高値となる1306.0ドルまで上昇しました。
5カ月続いた上昇トレンドはここから調整局面入りとなり、5月31日には3カ月ぶり安値水準となる1201.5ドルまで下落。そこからは足下の反発局面となり、1240ドル台まで上昇したところです。
この間の値動きを見ると、5カ月の上昇トレンドの上昇値幅の38.2%戻しとなる1206.5ドル付近まで下落して反発していました。また、5月の高値から安値までの下落幅の38.2%戻しラインとなるのは1241.4ドル。ちょうど現時点でこの水準まで反発した状態となっています。
この値動きはNYプラチナでも同様で、今年1月21日には7年1カ月ぶりの安値水準となる811.4ドルまで下落して反発しました。ここを起点として今年ここまでの最高値、5月3日につけた1092.3ドルまでの上昇幅に対する38.2%戻しラインは985ドル。5月末にはこの水準に到達し、若干のオーバーランで6月3日には一時956.2ドルまで下落しました。
5月の下落幅に対する38.2%戻しラインは1008.2ドル。6月7日時点で一時1005ドルまで上昇し、ほぼ38.2%ライン付近まで戻した状態です。
38.2%ラインの均衡点へと収束しやすい値動きは、ドル円でも同様です。
今年1月29日、日銀のマイナス金利導入発表直後につけた高値121円69銭が起点となり、その後急加速した円高の流れで5月3日には一時1年7カ月ぶりの円高水準となる105円54銭まで下落しました。この値幅に対する38.2%戻しラインは111円71銭。
ドル高円安方向への反発基調となった5月の高値は30日の111円45銭。ほぼ、38.2%ライン付近まで反発していたことになります。
そこから6月に入ってのドル安局面では6日安値106円42銭まで下落して反発した状態です。
5月3日高値から6月6日安値までの38.2%戻しラインは108円34銭。7日時点では107円90銭まで反発して失速した状態となっていますが、ここから再び持ち直しで108円台前半まで上昇する可能性も十分にありそうです。
そうならない場合には、反発の起点が間違っていた可能性もあり、5月3日安値105円50銭台が今年最安値(円高水準)ではなかったことになる、ような展開も予想されそうです。
7日のNY金相場はわずかに0.03%の小反落。急反発からの一服状態でやや売りに押される展開となり、NY原油が昨年7月以来11カ月ぶり高値となる50ドル台へと上昇し、欧米株高の流れもあり、NY市場では一時1236ドルまで下落。しかし、早期利上げ観測後退によるドル安傾向の流れに反発するとほぼ前日水準まで値を戻し、長い下ヒゲを残す形で上値トライ継続への可能性も示唆。ただし、1週間後のFOMCまでは強めのトレンドは発生し難い状況で上値抵抗水準1280ドルまでの範囲内に限定されるものと予想。
NYプラチナ相場は0.29%の小幅高となり、3日続伸。金に連れての反発局面では元の水準を超え、一時は5月27日以来10日ぶりに1000ドルの大台回復。終値では1000ドルを少し割れたものの2週間ぶりの高値水準となり、今朝のNY時間外では再度1000ドル超えトライも。1020ドル台の抵抗水準までが目先の上値余地となり、この水準を超えて再び1000ドル台での安定推移に移行するのはFOMC後か。
ドル円は0.19%の小幅ドル安円高。前日からの反発の流れで欧州時間には107円90銭台まで反発。しかし、金利低下の流れに上値を押さえられる形でNY市場にかけて失速。結局107円台での推移に終始し、やや方向感も喪失気味。今朝の東京市場では再び107円割れを試すような動きも見られ、円高リスクも払拭し切れない様子。106円台半ばを割りこむようなら、105円台半ばへと急落の展開も予想され、5月3日の今年最安値更新の有無がポイントに。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/7終値とチャート
8日の国内金価格は0.39%反落。ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線の下で下落基調の21日移動平均線、さらにその下で下降を続ける9日移動平均線に上値を押さえられた形となって反発の流れは失速。短期下落トレンドからは抜け切れない状況。90日移動平均線の傾きが変わらないうちに短期的な流れを持ち直しておきたいところ。目先は4600円台が抵抗水準となり、突破できれば4600円台後半へと水準を切り上げて流れも好転へ。
プラチナ価格は前日比-1円とほぼ変わらずの状態。金と同様に下落基調の9日移動平均線に上値を押さえられた形。しかし、ここを突破できれば少し上で上昇基調を描く90日移動平均線にも手が届きそうな位置関係。NYプラチナの1000ドル回復に向けての堅調推移がサポート材料に。しかし、円高リスク再燃の下押し材料も。
※参考:
金プラチナ国内価格6/8とチャート
2016年06月08日(水)時点の相場
国内金:4,585 円 6/8(水)
▼18(
0.39%)
国内プラチナ:3,691 円 6/8(水)
▼1(
0.03%)
NY金:1,247.0 ドル 6/7(火)
▼0.4(
0.03%)
NYプラチナ:999.4 ドル 6/7(火)
▲2.9(
0.29%)
ドル円:107.34 円 6/7(火)
▼0.21(
0.19%)
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