夏の終わりの円高警戒感、長期的に重要なドル円と金の分岐点
更新日:2016年08月20日(土)
円高への警戒感が続く夏の終わり、ドル円相場は100円割れ定着も辞さない状況か、それとも100円の大台ラインで反発へと向かうのか、長期的にも重要な分岐点での攻防が続きます。
ドル円相場は2011年10月に史上最安値(円高)75円50銭台を記録して反発、2015年6月には125円80銭台の高値(円安ドル高)を記録しました。
3年8カ月かけて50円上昇した後は、下落基調(ドル安円高基調)が続き、3年8カ月の上昇値幅の50%戻しとなる100円70銭を割り込んできました。
6月と7月にもこの50%ラインを割り込みましたが、月末には反発。この8月も50%ラインを割り込み、19日時点では100円20銭。
このまま月末にかけても50%ライン以上へと反発出来なければ、月足ベースでも新たな領域へと本格的に移行する展開が予想されることになります。その場合、次のターゲット水準は61.8%戻しとなる94円70銭台。
逆の展開となっているNY金相場は、2011年9月に史上最高値1923ドルまで上昇して反落、2015年12月には1045ドルの安値を記録しました。
4年3カ月かけて878ドル下落した後は反発基調が続き、長期下落幅の38.2%戻しとなる1380ドル付近に到達しています。
7月上旬と8月上旬に1370ドル台まで上昇して失速した状態にある現在は1346ドル。この長期重要水準38.2%ラインへの再トライのチャンスが今後また訪れる可能性は十分に想定され、1380ドルを突破できた場合には、次のステージへと向かう展開が予想されます。
その場合の次のターゲットは50%戻しとなる1480ドル台。
夏の終わりにかけて重要な攻防が続きます。
19日のNY金相場は0.81%の反落。時間外にはサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁が向こう数カ月での利上げ支持を表明。先日のNY連銀ダドリー総裁、アトランタ連銀ロックハート総裁に続くタカ派発言となり、12地区連銀総裁中、注目度・信頼度トップ3が揃って9月の可能性を肯定したことでFOMC議事要旨後の流れは巻き戻し。1350ドル台から1340ドル台へと上値を切り下げる展開、保ち合い上抜けの兆しも一時的となってレンジ内回帰。あらためて1340ドルから60ドルのレンジ相場継続へ。上抜けなら高値更新トライへ、下抜けなら1320ドル付近へと動き出す可能性。
週間ベースではわずかに+3.0ドル(0.22%)の小反発。
NYプラチナ相場は1.31%の大幅反落。金に追随する展開で1130ドル台から1120ドル割れへと軟調推移。保ち合い上抜けによる反発への流れも腰折れ状態となり、逆に一時1110ドルの保ち合い下限割れ寸前まで下落。1110ドルから1130ドル台までを主要レンジとする保ち合い状態が目先しばらくは続きそうな状況に。あらためて保ち合い上抜けなら1170ドル前後が上値目安となり、下抜けの場合には1080ドル台が目安水準に。
週間では-10.9ドル(0.97%)で続落。
ドル円は0.32%のドル高円安となって4日ぶりの反発で100円台回復。前日までのドル売りの流れが巻き戻され、ドル買い優勢の展開も対円では若干控えめ。東京市場朝に100円台回復後は100円台を維持したものの、上値も前日高値100円台半ばまでと限定的。上下の変動値幅57銭は今年の平均1円26銭の半分以下。終値ベースでの100円割れを1日だけにとどめて反発した状態も、100円の大台ラインとしてのサポート力は大きく低下してしまった可能性もあり、やや材料難となる次週半ばまでの動向が注目される。あらためて18日終値99円80銭台を割れるようなら98円台突入も警戒され、100円台を維持する時間が長引けば再び重要なサポート水準としての効力も高まることに。
週間ベースでは-1.05円(1.04%)となり、4週続落。4週続落は2013年5月末から6月にかけて以来、3年2カ月ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/19終値とチャート
2016年08月20日(土)時点の相場
国内金:4,660 円 8/19(金)
▲3(
0.06%)
国内プラチナ:3,868 円 8/19(金)
▲8(
0.21%)
NY金:1,346.2 ドル 8/19(金)
▼11.0(
0.81%)
NYプラチナ:1,118.4 ドル 8/19(金)
▼14.8(
1.31%)
ドル円:100.20 円 8/19(金)
▲0.32(
0.32%)
8/19(金)のその他主要マーケット指標
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