2016年世界の国別プラチナ産出量とPGM埋蔵量
更新日:2017年02月20日(月)
米国の地質調査所(USGS:U.S.Geological Survey)が公表する「Mineral Commodity Summaries」によれば、2016年に世界全体のプラチナ鉱山から産出されたプラチナの量は172トン。同年の金産出量3,100トンと比較すると18分の1。2015年の189トンからは17トン、9%の減産となっています。
昨年11月発表のジョンソン・マッセイ社の見通しでは186.8トン。南アフリカの産出量も135.2トンの見通しから、今回のUSGSでは120トンと若干低めの数値となっています。
2位ロシアは23トンで世界シェアは13%、南アフリカと合わせて83%のシェア。3位はジンバブエで13トン(シェア8%)、4位カナダで9トン(5%)、5位米国3.9トン(2%)と続きます。
埋蔵量は、プラチナ単独の数値はなく、PGMs(Platinum Group Metal:白金族)としての埋蔵量が公表されています。
南アフリカの63,000トン、ロシア1,100トン、ジンバブエ1,200トン、カナダ310トン、米国900トンで合計67,000トン。ただし、PGMの世界資源は合計で10万トン以上になるとの推定もあるようです。
(※一般的にPGM(白金族)には、プラチナとパラジウム以外にロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウムなども含まれます。)
国別と世界合計の産出量が公表されているプラチナとパラジウムの合計量では、2016年世界合計で380トン、南アは193トン、ロシアは105トンなど。
これを基に世界のPGM埋蔵量の採掘可能な残存年数を計算すると、世界合計では114年。南アフリカは237年。少なくとも今世紀中にプラチナやパラジウムが枯渇することはなさそうです。
しかし、ジンバブエは36年、米国は30年、ロシアとカナダは6年。
今後産出されるプラチナは、より地底奥深くなり、採掘難度も上がると思われること、南アフリカの電力事情や鉱山労働環境、労使関係の危うさなどを考慮すると、南アの年間プラチナ産出量が飛躍的に増加することも想定し難い状況と思われます。
新たな鉱脈が発見されない限り、早くて6年後、遅くとも20-30年後には、世界のプラチナ供給源は南アフリカ1国の鉱山と、リサイクル頼みになってしまう可能性がありそうです。
20日の国内金価格は0.52%の続落。堅調に上値を切り上げてきた流れのなかで続落は1月23-24日以来、3週間ぶり。RSIとのダイバージェンス(価格上昇にRSIのピークは下落の逆行)関係が示唆したとおりに失速状態がやや強まる様子。4790円を割れずに反発できれば上値目標、7月高値4856円超えトライ継続へ。今朝時点では1230ドル台で上げ渋るNY金が一段高へと向かえば国内価格を押し上げ、4900円台が視野に入るような展開へと発展する可能性も。ただし4790円割れの場合にはそれなりの調整幅拡大も予想され、下値目安は4730円近辺まで。
プラチナ価格も続落で1.35%の大幅安。上値切り上げに対して下値切り上げ幅は小さく、揉み合いながらもジリ高の展開が続いてきた状態から高値圏での乱高下気味となり、遂に3880円のサポート水準割れ。NYプラチナは今朝の時間外で1000ドルの大台を維持して下げ渋り、ドル円も113円手前での下げ渋り。どちらかが急落の展開とならなければ国内価格のサポート水準割れは乱高下状態のなかでの一時的な下げに終わる可能性も。しかし、2月1日(3864)以来の安値へと大きく水準を切り下げたことで、下落局面が加速し始めた可能性のほうがやや優勢に。3940円台が上値抵抗水準となり、年初の水準3760円台までが当面の下値目安へ。
※参考:
金プラチナ国内価格2/20とチャート
2017年02月20日(月)時点の相場
国内金:4,794 円 2/20(月)
▼25(
0.52%)
国内プラチナ:3,871 円 2/20(月)
▼53(
1.35%)
NY金:1,239.1 ドル 2/17(金)
▼2.5(
0.20%)
NYプラチナ:1,006.0 ドル 2/17(金)
▼9.7(
0.96%)
ドル円:112.90 円 2/17(金)
▼0.34(
0.30%)
2/17(金)のその他主要マーケット指標
NYダウとの90日相関係数が上昇する時、金価格は上昇する 02/21(火)2016年世界の金埋蔵量、2035年に地球上の金鉱山から金消滅!? 02/18(土)フィラデルフィア連銀製造業景況指数は33年ぶり高水準、 02/17(金)インフレ上昇で利上げ観測も上昇、実質金利低下で金も上昇へ 02/16(木)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン