米2月地区連銀製造業景況感の傾向~
更新日:2017年03月01日(水)
~半年後の見通しは依然良好、しかしピークは既に過ぎ去った!?
米2月のシカゴPMIは予想を大きく上回る57.4。1月の50.3からも大幅上昇で3カ月ぶりの水準へと急反発しました。
また、リッチモンド連銀製造業指数も2月は+10予想に対して+17と大幅上振れで11カ月ぶりの高水準。2016年半ばのマイナス圏での低迷状態からの回復基調が一段と加速していることを示す結果となりました。
これで米2月の主要地区連銀の景況感は、NY連銀が2年5カ月ぶり、フィラデルフィア連銀は33年ぶり、ダラス連銀は5年10カ月ぶり、カンザスシティ連銀も5年8カ月ぶりと軒並み歴史的高水準となり、回復基調の加速も鮮明となっています。本日発表される2月のISM製造業景況指数も好結果が予想されます。
ただし、2月の米各地区連銀の製造業景況感には、ある傾向が見られます。
半年後の見通しを示す期待指数は、NY連銀では12月と1月に49.7と5年ぶり高水準なった後、2月は41.7へと急低下。フィラデルフィア連銀でも2年5カ月ぶりの高水準となった1月の56.6から2月は53.5へと低下。ダラス連銀では12年1カ月ぶり高水準となった1月の43.7から2月は37.0へと大幅低下。(※リッチモンド、カンザスシティ連銀では1月の高水準から2月もわずかに上昇)
各地区連銀の景況感としては2月にピークとも思われるような高水準へと上昇してはいますが、半年後の見通しとしては、1月に(一部は2月にかけて)ピークをつけて、失速状態へと向かい始めた様子がうかがえます。
現状は十分好調ですが、期待感は既にピークを過ぎている可能性もありそうです。
自らハードルを上げてきたトランプ米大統領初の議会演説を前に、NYダウの過去最高値連続更新記録は12日で途切れ、
VIX指数は年初来高値へと上昇してきました。
再度、期待感を煽るためのスピーチが始まりました。
28日のNY金相場は4日ぶりの反落で0.39%安。トランプ大統領の議会演説を前に買い一服、上値目安1270ドル近辺まで上値を試したことによる達成感も調整局面を後押し。NY市場での高値も1260ドルに抵抗感、今朝にかけてはNY連銀ダドリー総裁の「近いうちの利上げ」、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁の「3月利上げについて真剣な協議」などのタカ派発言もあり、米長期金利急反発とドル買い急進で1250ドル割れ。目先は1230ドルから1260ドルまでのレンジ内での調整局面継続か。失望感からの反発で1260ドル超えなら1270ドル台後半へと上値を伸ばす可能性も、1230ドル割れなら1200ドル前後までの大幅調整への可能性も。
月間ベースでは+45.3ドル(3.75%)の続伸。
NYプラチナ相場も0.76%安となり、4日ぶりの反落。上値目標1050ドル近辺到達に伴う調整局面入りで今朝には1030ドルを割れて1020ドル近辺へ。目先は1040ドルが抵抗水準となり、下方向には1000ドルの大台ラインまでは比較的下げやすく、サポートもされやすい水準に。割り込んでしまった場合には1月半ばの下押し水準950ドル台までの大幅調整も。予想外の急反発で1040ドル超えなら1060ドル近辺までの急騰もなくはないか。
月間ベースでは+34.5ドル(3.46%)で続伸。
ドル円は0.06%の小幅続伸。トランプ演説への警戒感から米10年債利回り低下とともに軟調推移となり、NY市場では一時2月8日以来のドル安円高水準となる111円60銭台まで下落。しかし、ダドリー、ウィリアムズ両総裁による3月利上げに向けた織り込み促進発言を受けて、CMEのフェドウォッチの3月利上げ確率は前日の31%から62%へと急騰。金利上昇、ドル買いへと転じて今朝のドル円は113円台へ。ドル円にとっての主要テーマはトランプ期待から3月利上げ期待へと、突然すり替えられた形に。目先は113円台後半が抵抗水準、突破出来れば反発局面継続で115円台へ。急反落の展開で112円割れなら111円近辺までの下げも。
月間ベースでは-0.04円(0.03%)、わずかに続落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/28終値とチャート
1日の国内金価格は0.14%の小幅反落。トランプ演説を経てNY金の上昇と円高傾向を予想していたのに対し、にわかに3月利上げ観測が台頭してきたことにより、円安金安への逆行状態でイベントを迎えることに。現状では国内金価格上昇への寄与度はNY金のほうが高い為、上昇トレンド減速、もしくは保ち合い状態へと後戻りとなる可能性も想定される状況に。NY金が底堅く推移するなら、上値目標4900円台を目指す流れはゆっくりと継続へ。当面のサポート水準4790円を維持することが必須条件。割り込んだ場合には4700円近辺までの大幅調整局面入りも。
プラチナ価格も0.18%安で4日ぶりの反落。金価格と同様、失速懸念浮上で昨年8月以来の4000円トライにも暗雲が漂い始めた様子。現状では昨年7月高値4072円超えを目標とする上昇トレンド継続中との見方継続も、ドル高の進行度合いによってはNYプラチナの下落幅は金よりも拡大しやすくなるため、国内価格の流れが大きく巻き戻されてしまう可能性にも警戒。急反落で3870円の重要な節目を下抜けるようなことがあれば、3700円台前半へと大きく流れが変わってしまう可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格3/1とチャート
2017年03月01日(水)時点の相場
国内金:4,843 円 3/1(水)
▼7(
0.14%)
国内プラチナ:3,973 円 3/1(水)
▼7(
0.18%)
NY金:1,253.9 ドル 2/28(火)
▼4.9(
0.39%)
NYプラチナ:1,031.0 ドル 2/28(火)
▼7.9(
0.76%)
ドル円:112.76 円 2/28(火)
▲0.07(
0.06%)
2/28(火)のその他主要マーケット指標
米1月PCEインフレは4年3カ月ぶりの1.9%、2017年末予想に到達 03/02(木)1月耐久財受注は失速、2月ダラス連銀製造業活動指数は急騰 02/28(火)月間平均4カ月続伸は6年ぶり、プラチナ価格の長期トレンド転換点 02/27(月)NYダウは11日連続最高値更新。最近の連騰記録etc. 02/25(土)
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