米10年債利回り2.3%と金1260ドルはトランプ相場終焉デッドライン
更新日:2017年04月07日(金)
米10年債利回りは2.3%を割り込みそうで割れない状態が続いています。いっぽうでNY金は1260ドルを突破しそうで突破できない状態が続きます。
米10年債利回りとNY金との逆相関関係は、一時期に比べて若干弱まってはいるものの、30日相関係数では-0.9180台を維持し、非常に強い逆相関関係が続いています。
今年に入ってからは、米10年債利回りはほぼ2.3%から2.6%までの水準での推移が続き、NY金は1200ドル近辺から1260ドルまでのレンジにほぼ収まる水準での推移が続き、足下では米10年債利回りは2.3%手前、NY金は1260ドル手前の水準でそれぞれ保ち合い状態となってきました。
トランプ相場スタート直前の昨年11月初旬からの推移を見ると、米10年債利回りは1.8%近辺から12月半ばにかけて2.6%まで急騰し、同じ期間にNY金は1300ドルから1130ドル近辺まで急落していました。米10年債利回りはその後1月半ばにかけて2.3%まで反落しており、12月以降2.3%から2.6%のレンジを形成している状態です。NY金も年明けには急反発で1200ドル台を回復すると、2月後半にかけて今年最初の1260ドルの上限トライへと向かいました。
オバマケア代替法案の廃案以降、トランプ大統領の支持率低下も続き、トランプ政策への期待感も剥落するなか、金利低下とNY金の堅調推移が続いてはいるものの、強力な節目となってきた2.3%ラインと1260ドルラインが米10年債利回りのサポートラインとなり、NY金のレジスタンスラインとなり、トランプ相場終焉に向けてのデッドラインとも言えるような状況となりつつあります。
今朝の東京市場では、米中首脳会談スタートとともに、化学兵器使用疑惑のシリアに対して米国がミサイル発射との報道を受けてリスク回避の流れが強まり、米10年債利回りは急落し、2.3%ラインを割り込んでの推移、NY金は1260ドルライン超えへと急騰し、1260ドル台を維持しての推移が続いています。
デッドラインとの攻防は続きますが、何やら波乱の週末を予感させるような展開に・・・。
6日のNY金相場は0.38%の反発。東京市場朝の時間帯に一時1260ドルまで反発したのがこの日の高値となり、以降NY市場まではゆるやかに上値を切り下げ、1250ドル前半での揉み合い状態に。200日移動平均線にも蓋をされた状態の1260ドルの抵抗線を超えるほどの理由と勢いはなく、週末イベント前の様子見状態に。好結果が予想される雇用統計では、NFP前月比+20万人、平均時給前年比+2.8%程度までの上振れなら、売りは一時的にとどまり、巻き戻しの展開となるのではないかと見る。そして、米中首脳会談の動向が不透明要因。無事終了となればイベント通過による安心感から若干の売り材料にも。1240-60ドルのレンジブレイクなら1300ドルか、もしくは1200ドル方向へ。
NYプラチナ相場はわずかに0.7ドル下げて小幅続落。金に連れて東京時間朝の反発局面でつけた966ドルが高値となり、その後は小幅に値を下げての小康状態に。水平状態の90日移動平均線と揉み合う形での保ち合い継続。レンジを狭める形で三角保ち合い気味となり、この後の大幅変動を示唆するような状況に。970ドルと940ドルが上下の節目となり、1000ドルか900ドルか、という展開も。
ドル円は10銭ほどの円安ドル高となって5日ぶりの小反発。東京市場朝の軟調推移も110円20銭台を下限に下げ渋り、欧州・NY市場にかけては米10年債利回りの反発に連れて111円10銭台まで反発。下ヒゲ、上ヒゲの次は上下にヒゲを残す形で方向感喪失状態を示す保ち合い継続。昨年11月から12月までのトランプラリーの半値戻し(109.93)付近となる110円近辺では抵抗感が強く、今回の雇用統計はこれを突破するような材料とはならない可能性。ただし、別の要因がきっかけとなって上下に大きくブレた場合には112円と109円近辺までが上下の目安水準となり、さらに勢いが増してトレンド発生となれば円安方向には113円台後半、円高方向には107円台も視野に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/6終値とチャート
7日の国内金価格は0.15%の小幅反落。流れとしてはゆるやかな反発基調がスタートし始めた可能性が高いと思われた状態から、背景的な材料が伴わず、上値を押さえられる状態が続いたことで、反発方向へのエネルギーは枯渇、上値トライもいったん失敗。改めて4760円から4800円までのレンジ相場で動き出しを待つ状態に。上方向へとトレンドが発生するような流れとなれば今年高値4880円台を目指す展開へ、しかし下方向なら今年安値近辺となる4680円台辺りまでが下値目安水準に。
週間ベースでは-8円(0.17%)の小反落。
プラチナ価格はわずかに1円安で小幅に続落。3月29日につけた今年安値3661円に並び、小幅保ち合いが続くなかで下限に貼り付き、底堅さと下値警戒感とのうらはら状態。安値更新で下限割れなら3610円台辺りまでが下値目安水準に、3680円台後半を上抜けへと反発できれば3740円台辺りまでの上値余地も。
週間ベースでは-6円(0.16%)の小幅安となり、3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格4/7とチャート
2017年04月07日(金)時点の相場
国内金:4,778 円 4/7(金)
▼7(
0.15%)
国内プラチナ:3,661 円 4/7(金)
▼1(
0.03%)
NY金:1,253.3 ドル 4/6(木)
▲4.8(
0.38%)
NYプラチナ:958.9 ドル 4/6(木)
▼0.7(
0.07%)
ドル円:110.80 円 4/6(木)
▲0.10(
0.09%)
4/6(木)のその他主要マーケット指標
レッドライン超えでも雇用下振れでも金と金利のデッドライン維持 04/08(土)ISM非製造業も失速、雇用と価格で明暗分かれる製造業と非製造業 04/06(木)米2月貿易収支は1年10カ月ぶりの大幅赤字から縮小 04/05(水)3月製造業PMI、米国は失速、新興国は加速、回復基調が鮮明に 04/04(火)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン