米雇用統計注目の賃金上昇率の加速、6月はまだ限定的か
更新日:2017年07月05日(水)
今週末発表の米雇用統計で注目される賃金上昇率、これが加速しないことにはインフレ率を押し上げることは出来ず、世界的にも賃金上昇率低迷が問題となっていますが、米国の6月分の数値も限定的なレベルにとどまることが予想されます。
平均時給で見る米国の賃金上昇率は前年比+3.0%超までの上昇が望まれているのに対し、
5月の平均時給の上昇率は前年比+2.46%にとどまりました。昨年12月の+2.85%がピークとなり、伸び率は鈍化傾向が続き、5月は1年2カ月ぶりの低水準となりました。
アトランタ連銀の賃金上昇トラッカー(中央値の前年比3カ月平均)でも、昨年10-11月の3.9%が最近のピークとなり、年明け以降3.2%まで急失速、5月も3.4%にとどまります。2008年以前の4%台には届かない状況が続きます。
リッチモンド連銀とダラス連銀の製造業景況指数の構成指数のなかには賃金指数も含まれます。
リッチモンド連銀の5月の賃金指数は23.0となり、2000年8月(24.0)以来16年9カ月ぶりの高水準となっていました。なお過去最高は2000年5月の25.0。5月には歴史的高水準まで上昇していたことになります。
しかし、6月には9.0へと急失速。2015年11月(7.0)以来、1年7カ月ぶりの低水準へと減速しています。
ダラス連銀も5月の賃金指数は24.3と、2014年12月(25.0)以来2年5カ月ぶりの高水準となっていましたが、6月には21.1と伸び悩み。なお、ダラス連銀の賃金指数の過去最高は2007年1月の36.4。2006年頃には20台後半から30ポイント台での推移が続いていました。
4日のNY市場は米独立記念日で休場。ドル円は3日ぶりの反落で10銭ほどの小幅安。東京市場では北朝鮮のミサイル発射とICBM成功との発表を受けて112円70銭台まで下落して反発。113円30銭近辺まで、ほぼ元の水準を回復すると閑散状態のなかでの小康状態に。今朝の東京市場では米国政府も北朝鮮のミサイルをICBMと認める発表もあり、再び113円割れへと急落する場面も。週後半に向けては米雇用統計待ちの展開となり、112円前半までが目先のサポート水準、割れると111円半ばまでは下げやすく、上方向にはサプライズ的な好結果などがあれば114円台トライも。
5日の国内金価格はわずか2円下げて4日続落。NY金は休場明けの今朝の時間外で1220ドル台半ばへと反発の動きとなり、国内価格の下落基調スタートを躊躇させる展開。しかし、わずか2円もされど2円の下落で4780円を割れて6月21日(4777)以来、2週間ぶりの安値圏となってじわりと下値トライの動き。単独で見ればトレンドライン割れから保ち合い下抜けの展開で下値目標4680円台を目指す流れがゆっくりと進行し始めた可能性。週末まで待ってこの流れが加速するか、逆に巻き戻されるか、という展開へ。
プラチナ価格は0.62%の反発で前日の大幅反落の半値戻し。NYプラチナが900ドル割れを回避して今朝の時間外では910ドル台半ばへと反発基調となり、いったん落ち着きそうな状況から、国内価格の下値トライ示唆の動きも巻き戻し。底値保ち合い延長戦となり、3540円から3600円までを主要レンジとする形で少なくとも週末までは多少の上下は行き過ぎの範囲と見るべきか。保ち合い長期化に伴い、ブレイク後の変動幅拡大で大きめのトレンド形成となる可能性も。あらためて下方ブレイクとなれば3400円割れへと向う展開も、上方ブレイクなら3700円台が目標水準に。
※参考:
金プラチナ国内価格7/5とチャート
2017年07月05日(水)時点の相場
国内金:4,779 円 7/5(水)
▼2(
0.04%)
国内プラチナ:3,568 円 7/5(水)
▲22(
0.62%)
NY金:1,219.2 ドル 7/4(火) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:906.1 ドル 7/4(火) +-0.0(0.00%)
ドル円:113.28 円 7/4(火)
▼0.10(
0.09%)
7/4(火)のその他主要マーケット指標
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