価格差再拡大で再び明暗分かれる国内金価格とプラチナの方向性
更新日:2017年08月28日(月)
国内金価格とプラチナとの価格差は28日時点で1181円。8月9日には4カ月半ぶりの水準となる1108円まで急縮小しましたが、その後は反動で1150円超へと再拡大。再び1200円台も意識される水準となってきました。
価格差が過去最大となったのは今年6月14日で1279円。この日の金価格は4808円、プラチナ価格は今年安値となった3529円。その後プラチナ価格が大きく反発し、金価格の上昇ペースを上回ったことにより、その差を縮小しましたが、1100円ラインが価格差のサポート水準となってしまった様子です。
この間の相対力指数(RSI)の推移を見ると、価格差が最大水準となっていた時期には50%をはさんで過熱感のない保ち合いが続いていました。8月初旬のプラチナ価格の急反発により、3月末以降で価格差最小となった9日にはプラチナのRSIは今年最大となる83.8%まで急騰、価格差のRSIは今年最低の22.1%まで急落。プラチナは買われ過ぎ、価格差は縮小し過ぎの状態となっていました。
その後は行き過ぎた流れが巻き戻される展開となり、プラチナ価格のRSIは現在50.2、価格差のRSIは62.3。ようやく中立水準まで戻した状態です。
プラチナ価格と価格差との90日相関係数は-0.85と高水準での逆相関関係を維持する状態にあり、もう一段の価格差拡大とプラチナ価格の下落も想定されそうな状況です。
金価格のRSIは中立から70.9まで上昇し、買われ過ぎ警戒感も漂い始める水準にはありますが、多少の行き過ぎはこれまでも何度もあり、短期的には一段高への可能性も見られます。
価格差再拡大とともに、短期的な金価格とプラチナ価格の方向性も、再び明暗分かれる状況となってきたようです。
28日、週明け時間外のNY金は1300ドル目前の水準を維持しての小康状態で下げ渋り、国内金価格は0.23%の続伸で6月7日(4867)以来、2カ月半ぶりの高値水準。高値圏での小幅保ち合い上抜けの兆しとなり、反落警戒感を振り切って短期上昇トレンド再開へと向う可能性も高まる状況。このまま4860円超へと上値を伸ばすことができれば、3月2日につけた今年高値4886円を更新し、4900円の大台トライへと向う可能性も。ただし、月末月初の米重要指標が続く週、急加速か逆に急反落の展開も警戒され、4830円台を割れるようだと反落基調加速で4770円台辺りまでの大幅調整も。
21週の標準偏差は8月14日からの週に26円となり、2009年以降での最低水準を記録、その翌週21日からの週には27円へと拡大の兆し。+1シグマと+2シグマとの間での堅調推移が続く金価格は2016年高値を起点とする上値抵抗線を上抜けの兆し。ボリンジャーバンド拡大で動意づくようなら方向性としては上方向優勢の状態。
プラチナ価格は0.65%の反落。三角保ち合い上限の3700円ラインを上抜けて上昇トレンド再加速の可能性が高まった週末の展開は巻き戻され、今度は保ち合い下抜けによる下落トレンド形成への警戒感が高まる状況に。NYプラチナの反落警戒感にも連れて方向感としては下方向優勢の状態となり、3670円から60円台まででサポートされなければ下落トレンドスタートの可能性が高まり、当面の下値目安は3560円近辺まで。
21週標準偏差は8月14日からの週に52円まで縮小し、2009年以降の最低を更新し、その翌週から54円、55円と拡大の兆し。+1シグマ(3669)ラインをわずかに上回る水準を維持するも、最近の上限3700円ラインとの攻防に苦戦中。ボリンジャーバンドとボラティリティ拡大で中期的には上方向への推移も予想されるが、短期的には反落注意の状況。
※参考:
金プラチナ国内価格8/28とチャート
2017年08月28日(月)時点の相場
国内金:4,859 円 8/28(月)
▲11(
0.23%)
国内プラチナ:3,678 円 8/28(月)
▼24(
0.65%)
NY金:1,297.9 ドル 8/25(金)
▲5.9(
0.46%)
NYプラチナ:979.1 ドル 8/25(金)
▼3.5(
0.36%)
ドル円:109.32 円 8/25(金)
▼0.23(
0.21%)
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