20週移動平均乖離率で金価格は最高値圏へ、プラチナは平均水準
更新日:2017年10月16日(月)
イエレンFRB議長は15日の講演で「インフレは抑制されているが労働市場の強さを踏まえると段階的な利上げの継続が必要」と従来のスタンスを維持する発言。その一方で黒田日銀総裁は地政学リスクなども踏まえ「注意の必要なリスクを適切に織り込んでいない可能性」を指摘しました。
週明けの為替市場はイエレン議長発言に加え、21年ぶり高値圏での堅調推移が続く日経平均と総選挙に向けて与党優勢が続く状況も好感するように一時112円台を回復する場面もありました。一方、NY金は黒田総裁も指摘する地政学リスクへの警戒感をある程度織り込むように1300ドル台で下げ渋る状態でのスタート。
国内金価格の20週移動平均は、今朝時点で4887円まで上昇し、2015年8月24日からの週(4895)以来2年2カ月ぶりの高水準となっています。現在の価格5024円の20週移動平均乖離率は+2.8%。
2016年以降の国内金価格は、概ね20週移動平均から上下4%の範囲内での推移が続いています。9月初旬に5045円まで上昇した場面では、20週移動平均乖離率は+4.1%まで拡大していました。近年の上限に達したことから反落に転じ、+1.4%の水準まで下落し、再び最高値圏に向けての反発基調となっています。
16日の国内金価格は0.52%の反発で9月26日(5029)以来、3週間ぶりの高値水準。直近の
反発目安5020円近辺にようやく到達し、短期的には失速状態から保ち合い傾向の様相もあった先週末から反発基調再開の兆しへと持ち直し、もう一段の上昇も見込めそうな状況に。短期上値目標としては今年高値更新となる5050円台辺りまで。ただし、サポート水準となる4990円台を割り込んだ場合には月初の安値圏4940円前後まで再反落の展開も。
プラチナ価格の20週移動平均は3629円。2010年以降の最低3608円まで下落した8月半ばからやや水準を切り上げての横ばい推移となっています。最近のプラチナ価格は、20週移動平均から概ね上下5%程度のレンジでの推移が続いています。9月初旬に3800円台まで上昇した時点では、20週移動平均乖離率は+5.0%、上限に到達していました。
9月末から10月初旬にかけての急落最終局面での20週移動平均乖離率は-1.8%。2016年後半以降の下値サポートラインを一時的に下抜けての急反発で20週移動平均乖離率+0.7%まで戻した状態です。
数カ月スパンで見るプラチナ価格は概ね横ばい推移傾向で、現在ほぼその平均水準に位置しています。この傾向がもうしばらく続くようなら、20週移動平均が2016年以降の価格サポートラインを下抜ける形となり、プラチナ価格自体も2016年以降ゆるやかに水準を切り上げてきたサポートラインを完全に割り込む可能性が高まることにもなりそうです。
16日のプラチナ価格は0.61%高となって6日続伸。9月21日(3654)以来の水準となり、9月の下落局面の38.2%戻し(3653)を達成。6日続伸となるのは7月末から8月半ばにかけて(9日続伸)以来2カ月ぶり。前回は底値保ち合い上抜けからの急騰局面形成時で、水準的には3555円から3687円まで132円(3.71%)の大幅上昇。今回は急落での売られ過ぎからの急反発となり、前回とほぼ同水準の3560円からのスタートでここまで2.61%の上昇。次の目標水準として9月の半値戻し(3685)達成なら前回8月の続伸時と同程度の上げ幅に。
※参考:
金プラチナ国内価格10/16とチャート
2017年10月16日(月)時点の相場
国内金:5,024 円 10/16(月)
▲26(
0.52%)
国内プラチナ:3,653 円 10/16(月)
▲22(
0.61%)
NY金:1,304.6 ドル 10/13(金)
▲8.1(
0.62%)
NYプラチナ:947.9 ドル 10/13(金)
▲6.1(
0.65%)
ドル円:111.87 円 10/13(金)
▼0.41(
0.36%)
10/13(金)のその他主要マーケット指標
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