3年ぶり高水準のNY連銀製造業指数が示唆するISM製造業の堅調推移
更新日:2017年10月17日(火)
10月のNY連銀製造業景況指数は市場予想の20.4程度を大幅に上回る30.2。2014年9月(30.2)以来3年1カ月ぶり高水準となり、その2014年9月は2009年10月(33.3)以来4年11カ月ぶりの高水準、さらにその2009年10月は2004年7月(35.0)以来5年3カ月ぶり高水準。つまり、今回10月分は、2004年7月以降の13年余りで3位タイの高水準。6カ月移動平均でも18.07となり、2014年10月(18.07)以来3年ぶりの高水準。
内訳としては、出荷が27.50となり、2009年10月(28.50)以来8年ぶりの高水準で今回の好結果の原動力。雇用も15.60となり、2015年3月(18.60)以来2年7カ月ぶりの高水準。見通しも44.80となって9月の39.30からは上昇し、高水準を維持する楽観的な見方。
ただし、それ以外は低調となり、仕入価格(27.3←9月35.8)と販売価格(7.0←9月13.8)はいずれも9月から大きく低下し、インフレ上昇に向けては低調。
ともあれ、総合指数の好調ぶりは13年4カ月ぶり高水準となった9月のISM製造業景況指数にも迫る高水準。
9月時点での直近24カ月間の相関係数を比較すると、
リッチモンド連銀製造業指数*ISM製造業景況指数=0.7062
フィラデルフィア連銀製造業景況指数*ISM製造業景況指数=0.846
NY連銀製造業景況指数*ISM製造業景況指数=0.9164
比較的上下動の激しいNY連銀の指数とISMの指数との相関関係は、2009-2010年頃と2016年以降は特に強い状態となり、足下ではその相関関係はさらに強まり、9月時点では過去最大水準の相関関係を示しています。
現状のNY連銀製造業景況指数の好調ぶりは、10月のISM製造業景況指数も好結果となることを示唆している可能性もありそうです。
16日のNY金相場は0.12%の小幅安で3日ぶりの反落。時間外は1300ドル台での小幅揉み合い推移となり、NY朝につけた3週間ぶり高値1308ドルがこの日の高値。NY朝に発表されたNY連銀製造業景況指数の好結果には反応薄も午後にかけて急反落の展開へ。トランプ米大統領は税制改革の年内実施に向けての意思をあらためて表明し、次期FRB議長にスタンフォード大のジョン・テイラー教授が有力との見方、米朝外交官のモスクワ会談の可能性などが伝えられ、米長期金利反発とドル買い戻しの流れが強まったことでNY引け後にかけて1300ドル割れ。一時1290ドル前半まで急落後1290ドル後半まで戻した状態。米朝会談については後に否定報道もあり、テイラー・ルールのテイラー氏がタカ派的との見方にもやや無理な面もあり、調整局面に向けての単なるきっかけとして材料視された様子も。9月下落幅の半値戻し(1312.6)が抵抗水準となって反落し、急落後の戻りでは1300ドルラインにもやや抵抗感。流れとしては反発基調継続優勢ながら、やや上値も重い状況に。
NYプラチナ相場は0.61%安となって3日ぶりの反落。NY朝には950ドルまで上昇して急失速。9月下落幅の38.2%戻し(952.3)が超えられず、水平状態の90日移動平均線(947.7)超えも維持できず、NY引け後にかけて930ドルまでの大幅調整となり、時間外での反発も930ドル半ばまでと限定的に。半値戻し(966.5)付近までを上値目標に堅調に推移してきた流れは急失速となり、到達確率は大きく低下。950ドル手前の水準が当面の抵抗水準となり、930ドルまでがサポート水準候補となっていったん保ち合い傾向の様相も。
ドル円は0.28%のドル高円安となって3日ぶりの反発。先週末の円高分をほぼ打ち消す形となって調整局面加速への流れも巻き戻し。金曜日の安値111円60銭台をわずかに下回るも60銭台を維持する底堅さが、買い戻し圧力の強さを示していた様子。111円近辺を目指す流れは111円60銭台まででいったん終息し、111円後半が目先のサポート水準となり、112円後半までのレンジでの保ち合い回帰の形に。あらためて111円60銭台を下抜けるような展開となれば38.2%戻し(111.10)から111円前後までは下げやすく、112円後半から113円台を試すようならドル高の流れ再開となって上値余地は114円台前半も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.46%の反落。反発基調再開への勢い不足から今年高値更新トライに向けた流れは出だしで躓いた形となって失敗。明確なトレンドは発生していないものの、NY金は調整気味、為替はドル高円安圧力が徐々に強まりそうな状況となり、国内価格もわずかに上値が重くなりつつある様子も。目先は4990円台から5020円台までのレンジで方向感喪失気味の展開にも。9日移動平均線が21日移動平均線をゴールデンクロスするようなら上値トライ再開をサポートし、上限ブレイクなら今年高値更新確率はあらためて急拡大、2015年6月高値圏5100円付近を目指すような流れとなる可能性も。逆にゴールデンクロス失敗で9日移動平均線が反落へと向えば調整局面進行、下限ブレイクの場合の下値目安は4940円前後まで。
プラチナ価格は7日ぶりの反落となり、1.18%の大幅安。6日間での上昇幅の4割を1日で下落、1週間ぶりの水準へと後戻り。高ボラティリティで一方的な流れとなりやすいプラチナは時に急反発、急反落ともなりやすい、その特徴が今回も表れた形に。それでも流れとしては反発局面継続中の戻り局面形成、目先は3650円台がいったん抵抗水準となる可能性も、突破できれば3700円台へと水準を切り上げるような展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格10/17とチャート
2017年10月17日(火)時点の相場
国内金:5,001 円 10/17(火)
▼23(
0.46%)
国内プラチナ:3,610 円 10/17(火)
▼43(
1.18%)
NY金:1,303.0 ドル 10/16(月)
▼1.6(
0.12%)
NYプラチナ:942.1 ドル 10/16(月)
▼5.8(
0.61%)
ドル円:112.19 円 10/16(月)
▲0.32(
0.28%)
10/16(月)のその他主要マーケット指標
ドイツZEW景況感、現況指数は株高とともに過去最高水準続く 10/18(水)20週移動平均乖離率で金価格は最高値圏へ、プラチナは平均水準 10/16(月)低インフレ続くコアCPI、5カ月連続の1.7%は6年間での最低水準 10/14(土)5年7カ月ぶり高水準、生産者物価上昇を支えるドル安のジレンマ 10/13(金)
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