ユーロ圏製造業PMI 11月速報値は17年ぶり高水準
更新日:2017年11月24日(金)
ユーロ圏の景気加速がとまりません。
マークイットが発表した11月の製造業PMI速報値では、フランスが9-10月の56.1から57.5へと急騰し、6年7カ月ぶり高水準。生産指数も59.7で6年7カ月ぶり高水準、新規注文の伸びは7年ぶりの高水準に上昇し、雇用増も継続、今後の見通しも楽観的。
ドイツの製造業PMIは9-10月の60.6から11月は62.5へと一段高。6年9カ月ぶりの高水準となり、1996年4月の調査開始以降で2番めの改善状況を示す結果に。生産量は2011円4月以降で最大水準の増加。海外からの新規受注が急増し、特にアジア、米国での売上増が目立つ状況とのこと。
ユーロ圏の11月速報値も10月の58.5から60.0へと上昇し、17年7カ月ぶりの高水準。
ユーロ圏経済は第4四半期に勢い加速の兆しとなり、11月速報値では全ての主要指標、出荷、需要、雇用、インフレにおいて数年ぶり高水準。
雇用は2000年10月以来で最も上昇。10年以上に渡ってサービス業での給与急上昇を伴い、工場雇用は記録的な増加。
国別の状況としては、フランスの好況はサービス業によるところが大きく、ドイツは製造業主導。その他の国ではやや低調となった10月からは上昇も、第4四半期は今年のなかでは弱めの推移に。
ドイツ主導で好調が続くユーロ圏の景気は、前日に欧州委委員会が発表したユーロ圏の消費者信頼感指数でも同様の状況を示し、10月の-1.1から11月速報値は+0.1へと急騰し、2001年1月(+1.0)以来16年10カ月ぶりのプラス圏回復、長期平均-12.1を大きく上回る高水準でさらなる加速となっています。
牽引役のドイツでは、連立協議決裂で政局不安も警戒されるところですが、好調な経済への影響は全くない、との強気な見方が大勢のようです。
好調な景気も背景に、
今年のユーロドルはここまで年初来12.39%の上昇率となり、12.2%のNY金と並び、対ドルでの強さを示す状況となっています。
また、ドイツではDAXの年初来上昇率13.36%と合わせ、株高ユーロ高となっています。日本でも今年は株高円高の年となっています。
23日はサンクスギビングデーでNY市場も休場。ドル円はわずかに0.01%の小幅安で3日続落も前日からほぼ変わらず111円20銭近辺での小動きに終始。この日の値幅31銭は今年の年間平均92銭のほぼ3分の1、3カ月半ぶりで今年4番目の小動き。短期的な下落トレンドは一服状態となり、月末に向けては好調が続くと予想される米経済指標などをきっかけに反発できるかどうか、ポジティブ・サプライズがあれば112円半ば辺りまでの急反発も。目先は111円半ばの90日移動平均線から112円までが抵抗水準となりやすく、下方向へは111円台を割れると110円近辺までが短期下値目安に。
休日の谷間、24日の国内金価格は0.16%の小幅安で3営業日続落。10月6日(4936)以来1カ月半ぶりの安値を更新し、その4930円台を下値目安に短期下落トレンドを形成中。7月安値(4757)から9月(今年)高値(5045)までの38.2%戻し(4935)、右肩上がりの90日移動平均線(4936)などを大きく割り込まなければ中期上昇トレンドの調整の範囲内。割り込んでしまうと50%戻し(4901)から61.8%戻し(4867)辺りまでが次の下値目安にも。
週間ベースでは-23円(0.46%)で小幅続落。
プラチナ価格は0.41%の反落。11月1日(3603)以来3週間ぶりの安値水準となり、90日移動平均線(9647)の下で推移する9日移動平均線(3635)が21日移動平均線(3632)をデッドクロスしようかという状態となり、短期下落トレンド加速の気配。NYプラチナが軟調な状態ではないことから、下値は限定的にとどまる可能性もあるものの、目先は10月安値3550円までで下げ止まれるかどうか。NYプラチナが軟調推移に転じるか、リスク回避等で円高急進などがあれば一段安の展開も警戒され、最大では3500円近辺までが意識されるような展開にも。
週間ベースでは-35円(0.96%)となって3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格11/24とチャート
2017年11月24日(金)時点の相場
国内金:4,954 円 11/24(金)
▼8(
0.16%)
国内プラチナ:3,608 円 11/24(金)
▼15(
0.41%)
NY金:1,292.2 ドル 11/23(木) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:940.7 ドル 11/23(木) +-0.0(0.00%)
ドル円:111.21 円 11/23(木)
▼0.01(
0.01%)
11/23(木)のその他主要マーケット指標
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