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鉄鋼関税不安のなか逆相関強まるNY金とドルインデックスの攻防
更新日:2018年03月03日(土)
NY金とドルインデックス 2018年3月2日トランプ米大統領が1日に鉄鋼輸入品に対して25%、アルミニウム製品には10%の関税を課す方針を表明した、米国発「鉄鋼関税不安」は世界中に広まり、これに対する批判と懸念も広がっています。カナダのトルドー首相は「全く容認できない」と批判し、IMFは「広範囲に経済被害が広がる」との懸念を示し、自動車メーカー各社からも不安の声があがり、EUでは既に対抗措置を講じることを表明しています。中国も何らかの対応を表明するのではないかと思われます。
市場ではリスク回避的な流れが強まり、2月の株価急落からの反発基調も腰折れ状態となり、円高圧力も再び強まり始めるなど不安定な状態が続きます。

そんななかで米長期金利とドル円の相関性が剥落する状態は続きますが、NY金とドルインデックスの逆相関関係は逆に強まっています。
NY金は今年、1360ドル台の高値を2度記録し、そのネックラインとなる1310ドルを割り込んでダブルトップ完成、かと思われましたが、「鉄鋼関税不安」をきっかけに反発しています。なお、ダブルトップからの切り返しとしてはユーロドルも同じ展開となっています。

これに対してドルインデックスは今年、88ポイント台の安値を2度記録して反発し、90ポイント台のネックラインを一時的に上抜けてダブルボトム完成かと思われましたが、やはり「鉄鋼関税不安」をきっかけに反落しています。

「鉄鋼関税不安」が現実となってその影響が拡大するようなら、このダブルトップとダブルボトム崩れの流れが続くことも予想され、逆に比較的小規模な範囲に限定されるなど、その影響も限定的となれば、あらためてダブルトップとダブルボトム後の流れが再開することにもなりそうです。

NY金の攻防ラインは1310ドル近辺と1360ドル、ドルインデックスの節目は88ポイントと90ポイント台。
「鉄鋼関税」の動向をにらみながら、それぞれの攻防は続きます。

NY金・日足チャート 2018/1/26 - 3/22日のNY金相場は1.39%の大幅高で4日ぶりの反発。鉄鋼関税不安によるリスク回避の流れで前日NY引け後に1320ドルまで反発した後、時間外は1318ドル付近での保ち合い推移、NY市場では1320ドル台へと水準を切り上げて一時1326ドルまで上昇。結果的に1310ドルの節目割れは一時的にとどまって切り返したことで、下値トライへの流れは巻き戻し。目先は1300ドルの大台ラインがサポート水準となり、反発か保ち合い傾向へと流れが変わる可能性も。次週はイタリア総選挙とドイツ大連立の結果、そして米鉄鋼・アルミ関税の行方と雇用統計など市場の不安定さを助長しかねないイベントも多数。NY金もさらに反発基調を強めるか、もしくは巻き戻されるか、やや不安定な状態が続くことにも。1300ドルを割り込んだ場合の下値目安は1270ドル台辺りまで。
週間ベースでは-6.9ドル(0.52%)と小幅続落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/26 - 3/2NYプラチナ相場は0.76%の反発。前日NY時間外での反発後、960ドル台を維持して週末を迎えたことで下方向への節目割れからの下値トライの流れは巻き戻し。ただし970ドル台では上値も重く、反発の勢いも限定的。950ドル台が目先のサポート水準となり、あらためてここを割り込んだ場合には下値トライの流れ再開で目標水準は930ドル前後まで。
週間ベースでは-33.7ドル(3.37%)で大幅続落。

ドル円・日足チャート 2018/1/29 - 3/2ドル円は0.52%のドル安円高となって3日続落。2016年11月9日(105.65)、トランプラリースタートの日以来1年4カ月ぶりのドル安円高水準。鉄鋼関税不安で日経平均の大幅安にも連れて軟調推移となった東京市場午後には、黒田日銀総裁の「(物価目標2%到達なら)19年度ごろに出口を検討することは間違いない」発言の言葉尻を捉えての円買いが加速して106円割れ。欧州・NY時間にかけても軟調な流れは続き、トランプ米大統領の貿易戦争勝利宣言ツイートなどで一段安、一時105円20銭台まで下落。トランプ大統領誕生でスタートしたドル高円安全戻しの締めくくりは、やはりトランプ大統領。
米国のドル安政策と保護主義政策、トランプ政権不安も高まりつつあり、今や世界最安定通貨の日本円と今後の金融政策は緩和縮小と正常化への道筋しかないと決めつけた円買い圧力により、ドル安円高基調はそう簡単には終わらない可能性も。2016年6月のブレグジットの安値99円からトランプラリーの高値118円台までの61.8%戻し(106円50銭)を下回っており、中期レンジでの次の下値目安としては76.4%戻しとなる103円60銭台が意識されることに。ただし、短期的には下値目安105円近辺に到達しており、次週のイベントや経済指標動向次第で戻り形成も。
週間ベースでは-1.15円(1.08%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/2終値とチャート

2018年03月03日(土)時点の相場
国内金:4,826 円 3/2(金) ▼16(0.33%)
国内プラチナ:3,547 円 3/2(金) ▼62(1.72%)
NY金:1,323.4 ドル 3/2(金) ▲18.2(1.39%)
NYプラチナ:965.1 ドル 3/2(金) ▲7.3(0.76%)
ドル円:105.69 円 3/2(金) ▼0.55(0.52%)
→3/2(金)のその他主要マーケット指標

←RSI逆行が示唆する国内金価格の反発 03/05(月)
→コアPCEインフレは前年比+1.5%で4カ月連続横ばい推移 03/02(金)
→米GDP下方修正、景況感も鈍化でにわかに高まる市場の警戒感 03/01(木)
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