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朝鮮半島リスク緩和の動きもコーン氏辞任で貿易戦争リスクは拡大
更新日:2018年03月07日(水)
北朝鮮が韓国との首脳会談開催に合意し、協議が続く限りは核実験とミサイル発射をしないことを表明、北朝鮮は非核化についても米国との協議への可能性を示していることなどが伝えられ、にわかに朝鮮半島リスク緩和への期待感も高まりました。しかし、相変わらず単なる時間稼ぎとの見方もあり、南北対話が本当に北朝鮮の核・ミサイル開発の放棄につながるのかどうかは依然不透明であり、疑問視する向きも多いようです。
さらに、米朝対話が実現した場合でも、米国側の体制が整うのかどうかという問題も指摘されます。

その米国側はトランプ政権内部の混乱状態が続きます。今朝になって国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任することが発表され、にわかにリスク回避ムードが強まりました。自由貿易を標榜するコーンNEC委員長は、トランプ大統領の鉄鋼・アルミへの追加関税に反対し、辞任をかけて説得にあたっていたとも伝えられています。
そのコーン氏辞任により、鉄鋼・アルミ関税が実現する可能性が高まったということにもなります。

鉄鋼・アルミへの関税導入による米国内製造業への打撃はあるもののコスト高による負担はそれほど大きくはない、との見方もあるようですが、問題はそれだけではなく、報復関税を表明しているEUや「座視しない」と徹底抗戦の構えの中国、その他世界各国の対応や影響などが懸念され、貿易戦争リスクは高まります。
そして、何よりトランプ政権内部での対立の構図や相次ぐ辞任劇により、トランプ政権自体の先行き不透明感がリスク要因となります。

朝鮮半島リスクは緩和方向への可能性も示されたものの、これが進展するようなら非核化に向けての鍵を握ることになるトランプ政権の内部混乱が、トランプ政権リスクとして先行き不透明感に拍車をかけることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/1/30 - 3/66日のNY金相場は1.16%の大幅反発で2月16日(1356.2)以来、半月ぶりの高値水準。東京時間の1320ドル付近から、ロンドン・NY市場にかけては1330ドル台後半へと堅調に推移。ロンドン時間には朝鮮半島リスク後退の動きが伝えられてドル高円高のリスク回避の巻き戻しとなって円安ドル安。相対的にユーロとともに金も買われた格好でNY市場では一時1340ドル付近まで上昇。鉄鋼・アルミ関税による貿易戦争懸念がくすぶり続けたこともドル売り金買いをサポート。今朝の東京市場スタート直後のコーンNEC委員長辞任報道を受けて一時1340ドル台へと一段高。1300ドルから1360ドルのレンジ内推移で流れは徐々に好転方向へ。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/30 - 3/6NYプラチナ相場は0.88%の反発。金に追随する形でNY市場では一時970ドル台半ばまで上昇も勢いはそれほど強まらず、今朝の時間外でも970ドル近辺からやや軟調気味に推移。950ドル台から1010ドル台までの広めのレンジ下限付近での推移が継続。90-200日移動平均線でサポートされる下限は比較的堅そうにも見えるものの、ここを下回ってしまうと930ドル前後までの下落が想定され、主要レンジも切り下がる形に。

ドル円・日足チャート 2018/1/31 - 3/6ドル円は0.07%のドル安円高で小幅反落。貿易戦争懸念が後退せず、ドル安円高基調が継続。欧州時間には105円80銭台まで下落も朝鮮半島リスク緩和に向けた報道で106円40銭台まで急反発。しかしこの流れも続かず徐々に軟調推移の展開へ、今朝の東京市場ではコーン氏辞任報道で一時105円40銭台まで急落。短期サイクル的にはいったん反発方向へと流れが変わり始めていたものの戻り高値も限定的となり、目先は106円台半ばが抵抗水準となりつつある様子。雇用統計を経てこの水準を超えることができれば次の節目107円半ばの攻防へ、これも突破できれば短期トレンド好転で109円台までの上昇局面形成も。ただし105円半ばを割れた場合には104円台半ばが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/6終値とチャート

7日の国内金価格は0.45%高で続伸。1月以降の抵抗線となってきた右肩下がりの9日移動平均線(4868)をわずかに上抜け、下落トレンド中の戻り局面としてはMAX水準となり、短期トレンド好転に向けての反発基調継続への可能性との攻防状態に。上方向への節目4920円台を突破できれば90日移動平均線(4980)辺りまでの上昇も見込まれ、中期中立水準回復へ。逆の展開で4820円の安値更新の場合には下落トレンド延長戦で4800円割れ必至の展開へ。

プラチナ価格は0.28%の反落で前日上昇分を帳消し。RSIは前日の36.2%から26.2%へと急落し、週初時点の逆行現象解消方向への動きも見られ、12月安値3421円も意識される2番底トライへの警戒感も高まる状況に。今年高値から安値までの38.2%戻し(3648)と90日移動平均線(3647)の水準が当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ国内価格3/7とチャート

2018年03月07日(水)時点の相場
国内金:4,871 円 3/7(水) ▲22(0.45%)
国内プラチナ:3,527 円 3/7(水) ▼10(0.28%)
NY金:1,335.2 ドル 3/6(火) ▲15.3(1.16%)
NYプラチナ:970.6 ドル 3/6(火) ▲8.5(0.88%)
ドル円:106.12 円 3/6(火) ▼0.07(0.07%)
→3/6(火)のその他主要マーケット指標

←米1月貿易赤字はリーマン後最大、対中国赤字も拡大、2位は日本 03/08(木)
→米2月ISM非製造業景況指数もピーク水準維持 03/06(火)
→RSI逆行が示唆する国内金価格の反発 03/05(月)
→鉄鋼関税不安のなか逆相関強まるNY金とドルインデックスの攻防 03/03(土)

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