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実質実効為替レートで見るドルと円とユーロと金との関係
更新日:2018年04月19日(木)
実質実効為替レートとNY金 2018年2月日米首脳会談では、米朝首脳会談で拉致問題についてもベストをつくすとトランプ大統領との確約を取り付け、通商問題に関しては日本側はTPPが最適、米国側は2国間協定が最適と従来どおり温度差の違いを残しながらも、公正な貿易のために新たな枠組みで協議を進めることで合意。
可もなく不可もなく、無難にやり過ごした形となり、警戒された為替への言及はなかったことで今朝から日本株高と円安の流れが強まり始めています。

先週米財務省が公表した半期に一度の為替報告書では、実質実効為替レートでの円安を指摘されていました。
主要貿易相手国との為替レートを貿易額に応じて加重平均し、指数化した名目実効為替レートに物価動向も加味して国際決済銀行(BIS)が算出する、実質実効為替レートの動向を、NY金価格の推移と合わせて比較してみます。

2010年の平均を100とした指数の月間平均の推移では、2018年2月時点で米ドルが110.62、ユーロが95.69、日本円は74.27となっています。為替レートでは、近年最もドル高円安となった2015年6月時点で1ドル=125円80銭台。この時の日本円の実質実効為替レートは67.86で過去最低。実質実効為替レートでは過去最安値水準となったこの2015年夏に次ぐレベルの安値水準へと円安が進行しています。
2013年以降は実質実効為替レートでのドル高・円安が鮮明となり、これが半期に一度円高警戒感が高まる要因となっています。

実質実効為替レートで見る相関性・逆相関性で最も強いのは、日本円とNY金との相関で2012年以降の相関係数は0.89。2番めはユーロとドルの逆相関で-0.739。3番目がドルとNY金の逆相関で-0.669。ドルと円との逆相関はそれほど強くなく-0.492、ユーロとNY金との相関性も意外に弱く0.303。
円とNY金との相関性が最も強いのは、リスク回避局面で最も買われやすくなること、米ドルとの一定の逆相関関係にあることなどが要因と思われます。

ただし、時期的には強弱や逆行もあり、2016年前半にはブレグジットを警戒して金高・円高・ドル高の順に勢いが強まり、2016年後半にはトランプラリーでドル独歩高となり、円安・金安が急激に進行しました。
2017年以降はドル安の流れとなり、金が買われてユーロも買われ、ゆるやかな円安にもなっています。
為替レートでは2017年以降、ドル安円高基調が優勢となっているように見えますが、実質実効為替レートで見ると、ドル安・円安基調が続いています。
そして、もう一段のドル安とさらに大幅な円高が進行してももおかしくない水準にあります。

NY金・日足チャート 2018/3/14 - 4/1818日のNY金相場は0.3%の反発。東京市場朝に伝えられたポンペオ米CIA長官の北朝鮮極秘訪問報道を受けて朝鮮半島情勢への警戒感が後退、ドル高の流れが強まって時間外のNY金は1340ドル半ばまで下落。しかし、この流れは長続きせず欧州時間からはユーロ買い主導でドル安へと反転。反発したNY金はNY市場朝には今年最高値となった4月11日(1369.4)以来1週間ぶり高値となる1360ドル手前まで上昇。しかし、材料不足もあり買いも続かず今朝の時間外では1350ドル台前半、レンジ半ばでの小康状態に。1340-60ドルのレンジ半ばから上方向を試す展開となって日足レベルでは堅調な流れを維持も1360ドルの上限はまだしばらく堅そう。

NYプラチナ・日足チャート 2018/3/14 - 4/18NYプラチナ相場は0.62%高となって続伸。金とともに買われたNY朝には一時950ドル台まで上昇し、3月27日(946.7)以来3週間ぶりの高値水準に。930ドルから40ドルまでの小幅保ち合い上方ブレイクに伴う上値トライの流れも勢いにはやや欠ける様子も。目先、上値目標960ドル台までの上昇余地を残し、到達できれば水平状態の90日移動平均線上抜けとなり、中期的な地合いも改善方向へ。

ドル円・日足チャート 2018/3/15 - 4/18ドル円は0.15%のドル高円安となって3日ぶりの反発。米朝首脳会談に向けての準備が進行中との思惑からリスク選好の円安が進行した東京市場では朝の107円近辺から午後には107円30銭台まで上昇。しかしこの後は日米首脳会談後の共同声明や会見を見極める為の様子見状態となり、107円台前半での揉み合い状態に終始。今朝の東京市場の時間帯に行われた共同会見では警戒された悲観的な内容はなく、無事通過したことで日経平均の上昇とともに円安の流れが再開。午前のうちに107円40銭台まで上昇し、107円半ばの保ち合い上限での攻防へ。このまま上限突破に成功すれば3月後半に大底をつけて反発した流れが再加速することとなり、昨年11月からの下落幅の38.2%戻しとなる108円半ばまでが当面の上値目安に。好材料が出てくるようなら109円台も視野に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/18終値とチャート

19日の国内金価格は0.52%高となって3日ぶりの反発。4940円台から70円台まで値幅30円の小幅保ち合いを上方ブレイク。9日移動平均線(4954)も90日移動平均線(4948)をゴールデンクロスし、3月半ばからの上昇トレンド再加速をサポート。21日移動平均線(4910)も90日線をゴールデンクロスとなれば強気相場も最終フェーズ入りでさらに一段高の展開にも。ただし目先は材料的にも厳しい状況か。それでも2月7日以来2カ月半ぶりとなる5000円の大台回復となる可能性は高まり、5010円台までが上値目安に。

プラチナ価格は0.87%の大幅高で続伸。3440円台をはさんでの小幅揉み合い状態を上方向へと抜け出したことで反発基調が再加速。9日移動平均線(3443)が21日移動平均線(3434)をゴールデンクロスしてこれをサポートする形となり、90日移動平均線(3588)にはまだ遠く及ばないものの、その手前3560円台辺りまでが当面の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格4/19とチャート

2018年04月19日(木)時点の相場
国内金:4,990 円 4/19(木) ▲26(0.52%)
国内プラチナ:3,486 円 4/19(木) ▲30(0.87%)
NY金:1,353.5 ドル 4/18(水) ▲4.0(0.30%)
NYプラチナ:945.8 ドル 4/18(水) ▲5.8(0.62%)
ドル円:107.19 円 4/18(水) ▲0.16(0.15%)
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