ドイツZEW景況感指数は現況指数ピークアウトで期待指数も急落
更新日:2018年04月18日(水)
4月のドイツZEW景況感指数は、現況指数が87.9となり3月の90.7から大幅に低下。調査開始の1991年12月以降で最大となった1月の95.2がピークとなり、3カ月連続の低下となってピークアウト。
これに伴い、期待指数も3月の5.1から4月は-8.2へと急落。やはり3カ月続落でマイナス圏へと落ち込み、2012年11月(-15.7)以来5年5カ月ぶりの低水準となっています。
米中貿易摩擦のドイツ経済への波及を懸念した様子も表れているようです。
過去にドイツZEWの
現況指数が85以上の歴史的高水準でピークアウトすると、現況指数も期待指数も急落となっていた流れが再現され始めた格好です。
2007年、2011年の時と同様の形で急落し始めた期待指数は早くもマイナス圏へと落ち込みましたが、現況指数はまだ急落には至ってはいません。
リーマンショックや欧州債務危機などがあった時期とは背景が異なる現状では、落ち込み度合いはそれほど大きくはならない可能性もありますが、サイクル的には期待指数のもう一段の低下と現況指数の急落局面が今後訪れることになりそうな状況となってきました。
この指数があまりに低下するようだと、ECBの金融政策正常化に向けての動きにも影響を及ぼすことにもなりそうです。
これを警戒するように、ECBの動向を先取りして昨年から大きく水準を切り上げてきたユーロドルも頭打ちの状態となっています。
そして米ドルとはともに逆相関となる
ユーロとNY金の相関性は高い状態が続きます。
ともに対ドルで高値保ち合い状態が続くユーロとNY金も、ZEW景況感指数の現況指数と同様に、急落リスクも抱える状態かもしれません。
17日のNY金相場は0.09%の小幅安で3日ぶりの反落。時間外には1350ドルをはさんでの揉み合いとなり、ロンドン市場ではドイツZEW景況感指数の悪化などもありユーロが対ドルで売られたことにも連れて1340ドル付近まで下落。しかしNY市場では巻き戻しの展開となって米10年債利回りの低下とともにドル安ユーロ高、金も1350ドルまで反発。結果、小幅に下方向へと行って来いの展開となって1350ドル近辺の水準での横ばい推移。日足では20日移動平均線(1339.5)にサポートされて長めの下ヒゲを残し、緩やかに下値を切り上げる堅調さも。ただし上値も重く1340-60ドルのレンジ内推移はもうしばらく継続か。いずれブレイクすることになるレンジを上方向に抜け出せば1400ドル台、下方向なら1300ドル割れが意識される展開へ。
NYプラチナ相場は0.88%高となって3日ぶりの反発。NY朝には1週間ぶり安値となる920ドル半ばまで下げてNY午後には1週間ぶり高値となる940ドル台へと反発。終値では3月28日以来3週間ぶり高値水準となり、2月末以来1カ月半ぶりに20日移動平均線も上抜け、930ドル台での小康状態からも上抜けの兆し。NY引け後の時間外では940ドル付近での攻防状態が継続、目先940ドル台を維持できるようなら960ドル台まで上値余地拡大へ。維持できず、反落なら930ドルがサポートに。この水準も割れると900ドル付近を目指す反落基調へ。
ドル円は0.09%の小幅ドル安円高となって続落。107円をはさんでの小幅揉み合い状態となり、欧州序盤にかけて106円90銭近辺まで下げてNY序盤には一時107円20銭近辺まで上昇。しかし株高の流れが失速し、米10年債利回りも反落の展開となって再び106円90銭近辺へ。今朝の東京市場では107円台回復後、株高の流れとともに107円20銭台へと再反発。日米首脳会談では「拉致問題についても北朝鮮との会談で指摘する」とのトランプ発言なども伝えられ、さらにワシントンポストによれば次期国務長官に指名されているポンペオCIA長官が既に北朝鮮を極秘訪問し金正恩氏と会談した模様で、米朝首脳会談に向けての進展が好感された様子も。106円後半の水準での底堅さを確認も107円半ばの水準にはまだ抵抗感もあり、レンジ内推移も継続。日米首脳会談での貿易問題に関する動向も警戒され、様子見状態の様相にも。無事会談を終えて107円半ばを突破するようなら108円台半ばまでの一段高も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/17終値とチャート
18日の国内金価格は0.12%の小幅続落。4940円台から70円台まで値幅30円のレンジ内での保ち合い推移が継続。NY金もレンジ内推移の様相となり、動意は低下しやすい状況もNY金が現状のレンジ半ばから上限方向、もしくは下限付近まで動けば国内価格はレンジブレイクの可能性も。上方ブレイクなら5010円台辺りまで上値を伸ばす可能性、下方ブレイクの場合には4880円台までが下値目安に。
プラチナ価格は0.64%高となって3日ぶりの反発。3440円台をはさんでの小幅揉み合い状態を7日めにしてようやく抜け出した様子。4月初旬の一時的な急落を含めて約1カ月続いた保ち合いを上抜けたことにより、このまま上昇基調が続けば当面の上値目標は昨年末に保ち合いを形成した3560円台まで。ただし940ドルラインでの攻防が続くNYプラチナが失速してしまえばダマシに終わる可能性も。下方向には3430円が当面のサポートとなり、これを下抜けるような展開となった場合には安値更新トライへと大幅反落の可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格4/18とチャート
2018年04月18日(水)時点の相場
国内金:4,964 円 4/18(水)
▼6(
0.12%)
国内プラチナ:3,456 円 4/18(水)
▲22(
0.64%)
NY金:1,349.5 ドル 4/17(火)
▼1.2(
0.09%)
NYプラチナ:940.0 ドル 4/17(火)
▲8.2(
0.88%)
ドル円:107.03 円 4/17(火)
▼0.10(
0.09%)
4/17(火)のその他主要マーケット指標
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