好調続く米ISM非製造業景況指数にも忍び寄る米中貿易摩擦懸念
更新日:2018年07月06日(金)
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した6月の非製造業景況指数は59.1。
市場予想の58.3を上回り、5月の58.6からも上昇。2カ月連続の上昇で2月(59.5)以来、4カ月ぶりの高水準。12年半ぶりの高水準となった1月の59.9をピークに、昨年9月以降で59ポイント以上は5回目。先日発表された製造業景況指数も同じような推移となり、製造業、非製造業ともに高水準での推移が続きます。
非製造業全17業種のうち、そのほとんどが6月に成長基調と報告しているなかで、景況感低下を報告しているのは農業、林業、漁業など。
中国の報復関税で大豆や牛肉などの農水産品が対象品目となっていることも影響しているようです。
建設業では、関税や労働力不足がコストインフレにつながっていることを指摘しています。
また、情報産業では原油価格上昇が印刷用インクの価格を押し上げ、紙とアルミニウムの関税が将来の価格設定への懸念を引き起こしている、との声も。
その他「貿易関税は価格の不確実性を生み出している」などの指摘もあり、米国内ではトランプ政権が仕掛ける貿易戦争や、対イラン政策に戦々恐々の様子もうかがえます。
5日のNY金相場は+0.42%の続伸。4日の時間外には1週間ぶりに1260ドル台まで上昇して5日の時間外には1250ドル台前半まで下押し、NY市場では再び1260ドル台を試し、引け後のFOMC議事要旨では「経済が非常に強く漸進的な利上げが必要」ながら「貿易政策をめぐるリスクが強まった」ことも指摘されてわずかに反落。今朝の時間外では1250ドル台後半を維持し、独立記念日をはさんでの反発基調を維持。今年の高安23.6%戻しとなる1269.6ドル手前でやや失速感もあり、今晩の雇用統計が好結果となった場合には反発一服も。それほどの好結果でなければ反発基調継続で38.2%戻しの1288.7ドル辺りを目指す展開にも。
NYプラチナ相場は-0.58%と反落。3日の大幅反発からの反動安となった形も、3日のNY市場昼以降は845ドルをはさんでほぼ840ドル台での小幅保ち合いが続く状態。米中の貿易関税発動を控えての警戒感もあり、850ドルラインが目先の抵抗水準となりつつある様子も。850ドルラインを突破できれば反発基調再開となって870ドル台までが次の上値目安に。
ドル円は20銭ほどのドル高円安で3日ぶりの小幅反発。終値では8営業日連続の110円台となり、足下では110円台半ばを中心に小幅保ち合い状態となって方向感を見出し難い状況に。米中関税発動を控えての警戒感も漂うなか、ゆるやかな右肩上がりの20日移動平均線(110.31)にサポートされて上昇トレンドを維持している状態も買い圧力は大きく後退し、このラインを下抜けるとトレンド転換へと向かう可能性も。雇用統計を経て111円超えなら111円後半までが目先の上値目安に、円高方向には109円後半がサポートに。これを下回ると売り圧力が強まる可能性もあり、107円台前半までを目指す流れにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/5終値とチャート
6日の国内金価格は+5円、0.1%の小幅高となって3日続伸。6月25日(4811)以来の水準を回復し、3月安値4792円とほぼ同水準に到達。日本時間本日13時1分発動予定とされる米国の対中追加関税とそれに対する中国の報復関税。既に織り込み済との見方もあるものの、第2、第3弾に向けても市場の警戒感は続き、この余波を受けて国内金価格の不安定な状態も続く可能性も。流れとしては今年安値からの反発基調はゆっくりと続いており、短期的には4840円近辺までの戻りは期待できそうな状況だが。
週間ベースでは+42円(0.88%)で3週間ぶりの反発。
プラチナ価格は-2円で3日ぶりの小反落。9年5カ月ぶり安値となった大底(の可能性)からの反発基調は一服。NYプラチナの840ドル台での小康状態は実質丸3日間続いており、米中貿易戦争激化への警戒感が続く状況。本日の第1弾発動と米雇用統計通過後にはある程度の動き出しが予想されるものの、方向性は必ずしも反発方向とはならない可能性も。目先、反発方向には3260円を回復できれば3320円程度までの一段高の展開にも。
週間ベースでは-26円(0.8%)で3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格7/6とチャート
2018年07月06日(金)時点の相場
国内金:4,791 円 7/6(金)
▲5(
0.10%)
国内プラチナ:3,211 円 7/6(金)
▼2(
0.06%)
NY金:1,258.8 ドル 7/5(木)
▲5.3(
0.42%)
NYプラチナ:841.4 ドル 7/5(木)
▼4.9(
0.58%)
ドル円:110.66 円 7/5(木)
▲0.19(
0.17%)
7/5(木)のその他主要マーケット指標
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