米貿易赤字は1年7カ月ぶりの水準に縮小も対中赤字は拡大
更新日:2018年07月07日(土)
米商務省が発表した5月の貿易収支は430.53億ドルの赤字。9年4カ月ぶりの赤字幅となった2月の555.36億ドルから3カ月連続の縮小となり、米国の貿易赤字は2016年10月(-426.44億ドル)以来、1年7カ月ぶりの水準に縮小。
輸出が2153.28億ドルとなり、4カ月連続で過去最大を更新したのに対し、輸入は2583.81億ドルで4月からは0.4%の小幅増。輸入額では過去最大となった2月の2616.13億ドルを下回る水準での推移が3カ月続いています。
輸入額の伸び悩みが続き、輸出額が頭打ちとなったら要注意です。
対中国でのモノの貿易額では、赤字額は331.87億ドル。2カ月連続の拡大で1月以来、4カ月ぶりの赤字幅となっています。
中国からの輸入は季節的な上下動を繰り返しながらも、ゆるやかに増加傾向が続いています。輸出もかなりゆるやかながらも増加傾向にはあります。
中国商務省はこの日、米国の輸入関税を巡り、世界貿易機関(WTO)に不服申し立てを行いました。
米国政府はこの日、知的財産権侵害を理由に340億ドル相当の中国製品に対して25%の追加関税措置を発動。これに対して中国政府も同等の追加関税を適用しています。
中国は「最大規模の貿易戦争を引き起こした」として米国を非難しています。
7月6日は、米中貿易摩擦が一段とエスカレートし始めた日、「米中貿易戦争勃発」として記憶に残る日となるかもしれません。
今後の米貿易収支、対中国の貿易収支動向は注視しておく必要がありそうです。
6日のNY金相場は-3ドル、0.24%の小幅安で3日ぶりの反落。米中関税合戦第1弾が発動された日、事前に織り込み済だったこともあり市場へのインパクトは限定的となり、強いて言えば事実確認後の株高などリスク選好気味の展開に。NY金も1250ドル台での保ち合いが続き、米6月雇用統計では雇用者数の伸びが予想を上回るも失業率と賃金上昇率が予想を下回ったことを受けて1260ドルまで小幅に急騰の反応。しかし、これも一時的にとどまって1250ドル台半ばでの小幅保ち合いへ。結果的にはドル高の流れが巻き戻されたにもかかわらず、金買いは進まず今年安値からの反発局面一服という状態に。前日高値も超えられず、1260ドル台にやや抵抗感もあり、ここを超えられないようだと今年安値圏での保ち合い形成という展開にも。反発方向へは38.2%戻しの1280ドル台までが次の目安に。
週間ベースでは+1.3ドル(0.1%)の小幅高となり、4週ぶりの反発。
NYプラチナ相場は+7.2ドル、0.86%の反発。NY朝にかけて一時的に840ドルを割れた場面を除いて840ドル台での推移。3日から丸々4日間840ドル台での保ち合いが続き、週末にはその上限付近、という状態に。水準的には6月29日(857.7)以来1週間ぶりの水準を回復も、2日の急落前の水準には戻し切れておらず、その手前840ドルから850ドルまでの小幅保ち合いレンジを形成。850ドルをしっかり超えることができれば反発基調再開で870ドル台が上値目安に、逆に840ドルの下限を割り込んでしまうと下値トライ再開で810ドルを目安に二番底をつけに行く展開にも。
週間ベースでは-9.1ドル(1.06%)で5週続落。
ドル円は20銭ほどのドル安円高となって反落。110円台半ばでの小幅保ち合いがこの日も継続。米国の対中制裁関税発動後には110円70銭台まで小幅に上昇も、雇用統計には110円60銭台から30銭台まで急落の反応。株高の流れにも連れての戻りも110円50銭台までと限定的に。この日も20日移動平均線(110.36)に下値を支えられた形にはなったものの、6月末からのドル高円安の流れはほぼ終息、短期トレンド逆転も意識されやすい状態となっての保ち合いに。20日移動平均から110円までが目先のサポート水準となり、6月末の水準109円台後半が次のサポートに。これを下回ると短期的には下落トレンド本格化で5月安値108円付近から107円台も意識されるような展開にも。下げ渋る状態が続けば111円台後半までは上値を試すチャンスも。
週間では-0.3円(0.27%)で小幅反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート
2018年07月07日(土)時点の相場
国内金:4,791 円 7/6(金)
▲5(
0.10%)
国内プラチナ:3,211 円 7/6(金)
▼2(
0.06%)
NY金:1,255.8 ドル 7/6(金)
▼3.0(
0.24%)
NYプラチナ:848.6 ドル 7/6(金)
▲7.2(
0.86%)
ドル円:110.47 円 7/6(金)
▼0.19(
0.17%)
7/6(金)のその他主要マーケット指標
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