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ドイツIFO企業景況感指数低下は止まらず、期待指数は8カ月続落
更新日:2018年07月26日(木)
ドイツIFO企業景況感指数 2018年7月7月のドイツIFO企業景況感指数は101.7。市場予想の101.5を上回ったことが好感されて一時ユーロ買い優勢の展開となりました。
しかし、6月の101.8からは0.1ポイント低下し、昨年3月(101.5)以来1年4カ月ぶりの低水準となっています。現況指数は6月の105.2から7月は105.3へと0.1ポイント上昇しましたが、期待指数は6月の98.5から7月は98.2へと0.3ポイント低下。期待指数は昨年11月の103.7がピークとなり、8カ月続落となって2016年3月(98.1)以来、2年4カ月ぶりの低水準となっています。

マークイットの製造業PMI速報値は7月に反発し、年初からのドイツの減速基調に歯止めがかかった可能性を示す結果となりましたが、IFO企業景況感指数の低下基調はまだ継続中、と相反する結果となりました。

IFO企業景況感指数としては、期待指数がピークアウトすると現況指数もピークアウトし、景況感指数としても下落基調が進行する従来パターンが継続中です。ただし今回は期待指数と現況指数との乖離幅が大きく、現況指数は依然として高水準を維持しており、一方的な下落基調にもなっていない状況でもありますが、期待指数が下げ止まらないことで現況指数の下値警戒感も続きます。
ドイツ経済は引き続き拡大基調は維持しているものの、7月は欧米貿易摩擦と輸出を巡る懸念の高まりによって、そのペースは鈍い状態が続いています。

しかしこの日、ホワイトハウスでトランプ米大統領とユンケル欧州委員長との首脳会談が行われ、自動車を除く工業製品に対する関税撤廃に向けて取り組むことなどで合意しました。
欧米貿易摩擦懸念後退への期待感から、ユーロは対ドルで半月ぶりに1.17ドル台を回復しています。

今後、自動車関税についても発動回避へと向かうことになれば、ドイツ経済の景況感も大きく回復することになりそうです。
そうなれば、ECBの金融政策正常化に向けても追い風となり、ユーロも一段高へ、相対的なドル安によってNY金のサポート材料ともなるかもしれません。

NY金・日足チャート 2018/6/20 - 7/2525日のNY金相場は+6.3ドル、0.51%の反発。ドイツの7月IFO企業景況感指数が市場予想を上回ったことを好感して対ドルでユーロが買われた欧州時間には1234ドル台まで上昇。しかし小幅保ち合い上限となる1230ドル台半ばを超えられずに失速すると1230ドル割れ。米6月新築住宅販売件数が予想を下回る低調となったことや、ワシントンポスト紙が「今年、自動車関税発動の可能性がある」との関係者発言を伝えたこと、米EU首脳会談に向けての警戒感などからドルの上値も重くなり、NY午後には1230ドル台を回復。今年安値圏での小幅保ち合い上方ブレイクには失敗したものの、徐々に下値を切り上げる形となって下押し圧力も緩和。1230ドル台後半へと再トライ成功なら1250ドル台までの反発局面形成も見込まれるところだが。形成逆転で1220ドルの下限割れの場合には1200ドルの大台ライン前後を試しに行く可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/6/20 - 7/25NYプラチナ相場は+4.1ドル、0.49%高となって4日続伸。7月12日(846.4)以来2週間ぶりの水準を回復し、6月14日以来1カ月半ぶりに20日移動平均線(837.1)もわずかに上抜け。堅調推移が続く状態も前日高値は超えられず、節目の850ドルにも届かず、もう一段の反発局面進行に向けての正念場。金の潮目も変わり始めた可能性も追い風となり、節目を突破できれば6月半ば以降の急落前の保ち合い水準、900ドル付近が次の上値目標に。しかし、目先は戻り売り圧力との攻防状態に。

ドル円・日足チャート 2018/6/21 - 7/25ドル円は0.24%のドル安円高となって6日続落。6日続落は1月以来、半年ぶりで今年2回め。7月9日(110.88)以来、半月ぶりの111円割れ。東京市場午前の111円30銭台が高値となって軟調推移の展開に。米国の自動車関税発動の可能性への警戒感に加え、日銀のETF購入配分見直し検討などの報道もあり、NY市場では一時110円60銭台まで下落。その後米EU首脳会談での「貿易緊張緩和合意」に111円台を回復するも一時的にとどまり、今朝の東京市場では日経平均の伸び悩みにも連れて110円80銭台へと軟調推移。日々上値も切り下げる展開となってはいるものの、下値は110円半ばから後半で下げ渋る状態にも。トランプ米大統領が示唆している可能性もある週末の米GDPがポジティブサプライズとなれば急反発の展開も。110円半ばを割り込むようだと109円台前半までの下押しも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/25終値とチャート

26日の国内金価格は+5円、0.11%の小幅続伸。下げ止まり、と表現するには依然としてかなり控え目な上げ幅。チャート形状と流れ的にはNY金に下げ止まりの兆しも見られるものの、反発方向への勢いはまだ弱く、目先の材料的には下値警戒感もくすぶる状況にあり、国内金価格の下方リスクも継続。いつ下げ止まってもおかしくはない状況でもありながら、米指標結果や通商問題の動向とトランプ発言、日銀政策調整による円高リスクなどをきっかけに一段安となれば4650円から30円近辺までが下値目安に。

プラチナ価格は+19円、0.59%高となって4日続伸。6月半ば以来、1カ月半ぶりの21日移動平均線(3211)上抜けとなり、下落トレンド脱出をかけた攻防局面に。過去、完全に上抜けていた時期は年初まで遡る必要があり、今回も同様に完全に上抜け、となるためには3270円の節目突破が目安に。ここを突破できれば次の上値目標は6月前半までの保ち合い下限付近、3390円近辺まで。しかし、いかんせん金の軟調ぶりが足枷となるレアな局面。
※参考:金プラチナ国内価格7/26とチャート

2018年07月26日(木)時点の相場
国内金:4,709 円 7/26(木) ▲5(0.11%)
国内プラチナ:3,224 円 7/26(木) ▲19(0.59%)
NY金:1,231.8 ドル 7/25(水) ▲6.3(0.51%)
NYプラチナ:839.7 ドル 7/25(水) ▲4.1(0.49%)
ドル円:110.95 円 7/25(水) ▼0.27(0.24%)
→7/25(水)のその他主要マーケット指標

←ECB無風通過でドル買い戻し、ドルインデックスの攻防ライン 07/27(金)
→ドイツが牽引、7月ユーロ圏製造業PMIは7カ月ぶりに上昇 07/25(水)
→ユーロ圏7月消費者信頼感指数は8カ月ぶり低水準で下げ止まりも 07/24(火)
→ドル安+円高圧力vsNY市場の反発、猛暑のなかでの攻防ライン 07/23(月)

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