8月フィリー指数は1年9カ月ぶり低水準も期待指数は反発
更新日:2018年08月17日(金)
8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想の22.0を大幅に下回る11.9。2016年11月(10.0)以来、1年9カ月ぶり低水準へと落ち込んだことでドル高一服、米長期金利も反落の反応となりました。
ただし6カ月平均では22.9となり、昨年3月から1年6カ月連続で20以上の高水準を維持しています。また、向こう6カ月の見通しを示す期待指数は2年4カ月ぶり低水準となった7月の29.0から38.8へと4カ月ぶりの水準に反発しています。
期待指数の低下が続き、マイナス圏入りとなればリセッション入りとなっていた過去のパターンも警戒されていましたが、いったん持ち直しの展開となったようです。
米中貿易摩擦やトルコ情勢悪化も影響してか、フィラデルフィア連銀管轄地区での製造業景況感は8月に急低下はしましたが、半年先もこの状況が続くだろうと予想する経営者は少ないようです。
その他の構成指数でも、新規受注の見通し指数も2年5カ月ぶり低水準となった7月の28.3から38.1へと反発し、販売価格見通し指数は58.9となり、1988年7月(62.1)以来30年ぶりの高水準となっています。
先日発表されたNY連銀製造業景況指数では、8月は25.6と10カ月ぶり高水準へと予想以上の上昇となり、年初には10ポイント台前半へとやや減速していた状態から4カ月連続20ポイント台の高水準へと完全に反発した形です。期待指数も6年ぶり高水準となった2月の50.5から4月には10ポイント台まで低下しましたが、5月以降は4カ月連続30ポイント台で下げ渋る状態となっています。
いずれも一時的な景況感悪化はあったとしても今のところ長続きはせず、期待指数からは今後もまだまだ好調が続くとの楽観見通しが優勢のようです。
16日のNY金相場は-1.0ドル、0.08%の小幅続落で2017年1月6日(1173.4)以来、1年7カ月ぶりの安値水準。
下値目安1180ドル到達後の一服状態は長続きせず、東京市場朝の時間帯には売り圧力再燃で一時1167ドルまで急落し、2017年1月5日(1163.6)以来の安値を記録。その後はユーロドルの反発の流れにも連れるように自律反発の勢いも強まって欧州時間にかけては1190ドル手前まで反発。安値圏での乱高下を経てNY市場では1180ドル台で落ち着いた状態に。チャート形状は急落局面で下ヒゲの長い十字線を残し、当面の大底をつけたような形とはなったものの、ドルとの逆相関が強くリスク資産的な値動きとなりやすい現状からは、下方リスクも再燃しやすい状態も継続か。短期的な地合い改善に向けては4月高値からの下落幅の23.6%戻し(1214.8)から20日移動平均線(1218.2)の水準回復がポイントにも。
NYプラチナ相場は+12.6ドル、1.63%の大幅反発。
NY金との90日相関係数は0.977台へと連日の近年最大更新が続き、瞬間的には逆行するような動きがあっても日足レベルでの動きは金に追随する形となりやすい状態。
下値目安770ドル台到達後の一服状態からも金の一段安に連れて前日安値をわずかに下回る755ドルまで下げて9年10カ月ぶり安値水準を更新。NY市場にかけての反発局面では795ドル台まで上昇。時間足レベルでは755ドル付近の安値を2度つけてダブルボトムを形成し、そのネックライン775ドル付近までの値幅20ドル分上昇して反落した状態。2日連続でしたヒゲを残しての大幅反発も前日の大幅下落分を取り戻し切れず、あと2日でこれを取り戻す800ドル台以上へと反発基調が続かない場合には下げ三法となって戻り売り圧力再燃となりやすい状態にも。
ドル円は25銭のドル高円安へと反発。米中貿易協議再開報道を好感して反発した東京市場では110円90銭台が上限となって頭打ち。NY市場ではフィラデルフィア連銀製造業景況指数の下振れなどをきっかけに110円50銭台まで反落。しかしこの水準では底堅く、米10年債利回り上昇とドル高の流れ、株高の流れなどにも連れて111円10銭台まで上昇。ただし上値も重く、ムニューシン米財務長官のトルコへの追加制裁示唆発言などもあり、米トルコ情勢悪化への警戒感も引き続き意識される状況。下値トライに向けた流れは巻き戻され、目先は110円台半ばから111円台前半までの小幅保ち合い継続へ。上方ブレイクできれば113円台前半を目指す流れにも、下方ブレイクなら109円近辺までが下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/16終値とチャート
17日の国内金価格は+29円、0.65%の反発。前日下落幅の4分の1弱の戻し。小幅反発後に大きく水準を切り下げる、というパターンを繰り返してきたのが7月以降の急落局面。この展開がまだ終わっていない場合、次に来るのは大きく水準を切り下げる局面にも。再び安値更新となれば、次の短期下値目安は4410円近辺まで。急落パターンから脱却して反発局面形成へと向かう為には4月高値からの下落幅の23.6%戻し(4584)達成が目安となり、この水準を回復できれば38.2%戻し(4661)までの一段高という展開にも。
週間ベースでは-154円(-3.32%)の大幅安となって半年ぶりとなる5週続落。週間下落率では2015年8月24日からの週(-4.2%)以来、3年ぶりの大幅安。
プラチナ価格は+59円、2.03%の大幅反発。3年ぶりの大幅下落となった前日下落幅の3分の1強を戻し、下値トライ一服への可能性も示す状況にも。大底をつけての反発局面形成に向けては直近の戻り高値3070円台回復が必要。この水準を回復できれば1月以降の下落幅の23.6%戻し(3131)へと一段高の可能性も。再度戻り売り圧力に屈して安値更新となった場合には2860円台辺りまでが次の下値目安にも。
週間ベースでは-216円(-6.78%)の大幅反落。2015年11月9日からの週(-274円、-6.84%)以来、2年9カ月ぶりの大幅下落。
※参考:
金プラチナ国内価格8/17とチャート
2018年08月17日(金)時点の相場
国内金:4,487 円 8/17(金)
▲29(
0.65%)
国内プラチナ:2,970 円 8/17(金)
▲59(
2.03%)
NY金:1,184.0 ドル 8/16(木)
▼1.0(
0.08%)
NYプラチナ:784.5 ドル 8/16(木)
▲12.6(
1.63%)
ドル円:110.94 円 8/16(木)
▲0.25(
0.23%)
8/16(木)のその他主要マーケット指標
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