ユーロ圏製造業PMI、9月の景況感改善はオランダのみ
更新日:2018年10月02日(火)
ユーロ圏の9月製造業PMIは速報値から0.1ポイント下方修正されて53.2。2カ月連続の低下で2年ぶり(24カ月ぶり)低水準となり、年初からの減速基調は7月に一服の兆しとなった後に再加速の様相となっています。
ユーロ圏全般の製造業減速基調には貿易サイクルの低下が影響し、ユーロ圏の新規輸出受注は9月にほとんど変化せず、増加レベルは63カ月ぶりの低水準。
オランダ、アイルランド、ギリシャでは引き続き大幅な輸出増を記録したのに対し、フランスとドイツでは大幅な落ち込みとなったようです。
雇用の伸びは堅調推移ながらも1年半で最低レベル。
ドイツ、アイルランド、オランダ、オーストリアで堅調な伸びを示したの対し、フランス、イタリア、スペインでの伸びは緩やかに。
<9月ユーロ圏各国製造業PMI>
1:オランダ:59.8(3月ぶり高水準へと続伸)
2:アイルランド:56.3(2カ月ぶり水準へと反落)
3:オーストリア:55.0(23カ月ぶり低水準へと続落)
4:ドイツ:53.7(25カ月ぶり低水準へと続落)
5:ギリシャ:53.6(2カ月ぶり水準へと反落)
6:フランス:52.5(3カ月ぶり低水準へと反落)
7:スペイン:51.4(25カ月ぶり低水準へと反落)
8:イタリア:50.0(25カ月ぶり低水準へと3カ月続落)
9月に景況感が改善したのはオランダのみ。
ユーロ圏の4大経済圏、ドイツ、フランス、イタリア、スペインがいずれも低調となり、財政問題が懸念されているイタリアは3カ月連続の最下位となり、遂に好不況の分岐点50.0に到達。
ユーロ圏全体の減速基調は、引き続きシリア情勢や移民問題などを含む地政学的リスクや、米国の世界貿易保護主義化に対する懸念が主要因となっている模様です。第4四半期に回復基調となるかどうかは、今後の米欧貿易協議の行方にも左右されることになります。
1日のNY金相場は4.5ドルの反落。週明けの東京時間ではゆるやかにユーロ安と円安の流れでドル高が進行し、NY金は1190ドル台半ばから1190ドル割れへと小幅に下落。NY市場では米国とカナダ、メキシコでの新たな貿易協定、USMCAで合意したことが好感されて株高とリスクオンの流れ。ただ、一方的な流れともならずNY金は1190ドル台前半での小幅揉み合い状態へと収束。右肩下がりの20日移動平均線(1202.0)が抵抗線となり、保ち合い水準を1180ドル台から1200ドルへと切り下げる形となり、下値トライ再開のチャンスをうかがうような状態にも。1180ドル台半ばを割り込めば1170ドル前後までを下値目安に二番底形成へ。1200ドル台へと反発できれば8月末の戻り高値1220ドル辺りまでが上値目標にも。
NYプラチナ相場は5.5ドルの上昇で続伸。時間外には金に連れて810ドル台前半へと軟調推移も、NY市場ではUSMCA合意を好感するように820ドル台後半へと反発。右肩上がりの20日移動平均線(807.9)にもサポートされ、810ドルから830ドルまでの保ち合い上抜けトライのチャンスをうかがう様相に。目先830ドル台半ばまでは強めの抵抗水準となりやすく、突破できれば上昇基調の勢いが強まりやすくなり、今年の下落幅の38.2%戻し(861.7)が上値目標に。
金との価格差は363.8ドルとなり、3月19日(363.4)以来6カ月半ぶりの水準まで縮小。
ドル円は30銭弱のドル高円安となって3日続伸、昨年11月7日(114.00)以来11カ月ぶりのドル高円安水準に。日経平均が終値でも27年ぶり高値へと堅調推移となったことにも連動するように東京時間から円安基調、欧州時間には114円トライ。しかし、NY市場では何度も114円台を試しながらもこれを維持できず戻り売り圧力も強く、今朝の東京市場では日経平均の上げ幅縮小にも連れて113円90銭割れを試す場面も。過熱感も高まっており、さらに上値を試すためには一定の調整も必要か。中期的には2016年12月高値118円60銭台から今年安値104円60銭台までの76.4%戻しとなる115円30銭台が次の上値目標にも。調整局面入りなら、今年安値から高値114円00銭台までの23.6%戻し、111円80銭台までが下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/1終値とチャート
2日の国内金価格は+5円、0.11%の小幅高で続伸。円安効果で9月26日(4674)以来1週間ぶりの高値水準となり、保ち合い上限トライへ。ただしNY金の軟調推移が重石に。ドル円が140円台へと水準を切り上げることになれば上値トライの展開にも。さらに水準を切り上げて8月安値からの戻り高値となった9月21日の4680円も上抜けることができれば上昇トレンド再加速で上値目標4750円近辺を目指す流れへ。NY金の下落圧力が円安の勢いを上回るようだと下値警戒感が再燃、4620円の節目を割り込むと調整局面形成で下値目安は4530円近辺まで。
プラチナ価格は+41円、1.28%の大幅続伸。7月13日(3265)以来2カ月半ぶりの高値水準となって9月後半高値3231円を上抜け。抵抗線となる可能性もあった90日移動平均線(3200)も大きく上抜けたことで今後は中期トレンドにも変化の兆し。目先はもう一段の上昇が見込まれ、7月高値(3265)と今年の下げ幅の38.2%戻し(3267)超えとなる3270円近辺までが上値目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格10/2とチャート
2018年10月02日(火)時点の相場
国内金:4,673 円 10/2(火)
▲5(
0.11%)
国内プラチナ:3,236 円 10/2(火)
▲41(
1.28%)
NY金:1,191.7 ドル 10/1(月)
▼4.5(
0.38%)
NYプラチナ:827.9 ドル 10/1(月)
▲5.5(
0.67%)
ドル円:113.99 円 10/1(月)
▲0.29(
0.26%)
10/1(月)のその他主要マーケット指標
EU対イタリア、ユーロコイン指数とイタコイン 10/03(水)台風一過の10月、国内金価格は二役好転、プラチナは三役好転 10/01(月)コアPCEは4カ月連続2.0%で安定推移、9月は若干の加速も 09/29(土)ユーロ圏景況感指数は9カ月続落、1年3カ月ぶりの水準へと減速 09/28(金)
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