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シカゴ連銀全米活動指数は12年ぶり好調期を形成も失速の兆し
更新日:2018年10月23日(火)
シカゴ連銀全米活動指数 2018年9月9月のシカゴ連銀全米活動指数は+0.17。市場予想の+0.21程度を下回り、+0.18から+0.27へと上方修正された8月からも低下。4カ月連続でプラス圏を維持したものの5月(-0.49)以来4カ月ぶりの低水準にとどまっています。
雇用・労働時間の指標が前月からはわずかに上昇し、生産・所得、売上・受注・在庫指標は小幅に低下、個人消費・住宅の指標は-0.06から-0.05へと上昇も4カ月連続のマイナス圏推移。

過去の平均値が0で示されるこの指標は、プラス圏なら過去平均を上回る成長を示し、トレンドを示す6カ月平均が-0.5を割れるとリセッション入りのサインとも言われます。
9月時点での6カ月平均は+0.17となり、プラス圏は昨年3月から19カ月連続。2006年6月(2003年10月から33カ月連続)以来12年3カ月ぶりの好調期を形成していることになります。

6カ月平均で見る現在の好調期のピークは今年3月の+0.35で、2014年7月の+0.34を上回り、2006年4月(+0.41)以来ほぼ12年ぶりの高水準となっていました。
しかし今年4月以降は低下傾向となっており、循環的にはピークアウトして減速局面入りへと向かっている可能性も高まります。

2017年末に成立したトランプ減税の効果もあり、2018年前半にかけて経済成長のピークを迎え、年後半にかけては徐々にその効果も薄れ始め、成長度合いも減速気味という状態を打破するため(だけではないとも思われるものの)、トランプ大統領は中間層向けの追加減税を行うことを表明しています。

11月の中間選挙直前にもこの法案内容を公表し、選挙後には採決へとの段取りを目論んでいるようですが、中間選挙では下院の民主党勝利が有力視され、上下院でねじれが発生すればトランプ大統領の思惑どおりにはなかなか進まない状況となることも予想されます。

中間選挙を経て、シカゴ連銀全米活動指数の6カ月平均が持ち直すのか、低下基調がこのまま続くのかも注目されます。後者となれば、2016年以来のマイナス圏トライへと向かう可能性も高まり、今度は-0.5ポイントのデッドラインとの攻防を迎える可能性も警戒されることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/9/18 - 10/2222日のNY金相場は先週末から-4.1ドル、0.33%の続落で10日ぶりの安値水準。週明け時間外にはわずかに水準を切り上げて1230ドルをはさんでの保ち合い推移。イタリア政府が財政赤字対GDP比2.4%の2019年予算案を修正しない方針を示したことで、欧州委員会側が予算案修正を求める前代未聞の措置に踏み込むのではないか、との見方も強まり欧州時間以降はユーロ売り。1.1550ドル付近から1.1450ドル台まで、ほぼ100ポイントのユーロ安ドル高へと一方的となったな流れに呼応するように、金は1220ドル台前半まで10ドル弱の急落。上値目標1240ドル台を目指した流れは1230ドル台半ばまででいったん力尽きた形となり、下値は90日移動平均線(1222)も通過する1220ドル近辺がサポート水準候補となって保ち合い形成の様相に。あらためて1230ドル台半ばの水準を突破することができれば1250ドル近辺までが上値目標にも。

NYプラチナ・日足チャート 2018/9/18 - 10/22NYプラチナ相場は-13.5ドル、1.61%の大幅反落。時間外には一時840ドル台を試す場面もあり、下げ渋る展開となったもののNY朝にはユーロ安ドル高と金の下落に耐え切れず、10ドル超の急落となって820ドル台前半へ。2週間ぶり安値水準となり、節目の830ドルを割り込んで10日ぶりに90日移動平均線(824.8)も下抜け。9月末水準810ドル近辺までが目先の下値目安となり、上方向には840ドルが当面の抵抗水準に。切り返してこの水準を超えると流れも変わり、860ドル付近まで上値を試す展開にも。

ドル円・日足チャート 2018/9/18 - 10/22ドル円は20銭超のドル高円安となって続伸。東京市場では日経平均の下落とともに112円30銭台の安値をつけ、上海総合指数の上昇を好感した日経平均の持ち直しとともに反発基調となり、欧州時間には112円80銭台まで上昇。しかしユーロ安の流れとともにドル高円高のリスク回避気味の流れとなり、NY市場ではダウの反落などもあって伸び悩み。今朝の東京市場にかけても112円80銭台で上値を押さえられ続ける展開に。ほぼ2週間ぶりのドル高円安水準となり、直近高値112円70銭台を超えたことで上値トライへと向かう可能性も高まったものの、80銭台が超えられず日経平均の300円超の反落スタートとともに軟調気味の展開に。目先は112円80銭台から112円20銭までの小幅レンジで揉み合う展開にも。あらためて上限突破できれば114円近辺までが上値目標に、下限割れの場合には110円台後半を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/22終値とチャート

23日の国内金価格は-6円、0.13%の小反落。NY金の失速とドル円の伸び悩みから上昇トレンドの勢いが削がれる状態。21日移動平均線(4690)も90日移動平均線(4688)を上抜け、その上に9日移動平均線(4719)、価格ライン(4745)が並ぶ上向きのパーフェクトオーダーを完成。しかし、いかんせん一番下で支えるべく90日移動平均線は下向きのまま。微妙な現状を表す形状のようにも。上昇基調が続く9日移動平均線にサポートされる状態が続く限りは上昇トレンドを維持し、最大4830円台までを目指す流れも継続。

プラチナ価格は-22円、0.69%の反落。節目の3190円をわずかに下抜けて10月11日(3177)以来の安値水準に。1カ月余り続いた保ち合い下抜けの兆しとなり、下方向への流れが加速する可能性が強まり、9月半ばの下押し水準、3050円前後までが当面の下値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格10/23とチャート

2018年10月23日(火)時点の相場
国内金:4,745 円 10/23(火) ▼6(0.13%)
国内プラチナ:3,188 円 10/23(火) ▼22(0.69%)
NY金:1,224.6 ドル 10/22(月) ▼4.1(0.33%)
NYプラチナ:822.5 ドル 10/22(月) ▼13.5(1.61%)
ドル円:112.81 円 10/22(月) ▲0.26(0.23%)
→10/22(月)のその他主要マーケット指標

←リッチモンド連銀製造業指数は急減速も6カ月平均では過去最高 10/24(水)
→3週遅れで金も買い越し転換、国内金価格は4800円が攻防ライン 10/22(月)
→離職率上昇でも転職者と非転職者の賃金上昇率逆転!? 10/20(土)
→フィリー指数は45年ぶり過去2番めの長期好況期を形成、のその後 10/19(金)

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