ねじれも予想どおりの中間選挙に乱高下、のち株高円安、ドル高
更新日:2018年11月08日(木)
トランプ米大統領をして「今夜は素晴らしい成功」と言わしめた中間選挙では、共和党が上院過半数51議席に対して52以上を確定し、下院では民主党が過半数218議席に対して222以上を確定(共和党は197、日本時間8日朝時点)。
共和党は、上院での改選前議席数51からは+1以上が確実となり、下院での改選前議席数235からは最大でも-38議席までにとどまることが確実な状況となっています。
与党が大統領選での勝利から2年後に初めて迎える中間選挙で議席を減らすのは通例とも言えるパターンで、オバマ政権時代の民主党は2010年には63議席を失っていました。今回も大方の予想どおり、上下院でのねじれが発生する結果にも満足そうなトランプ大統領。
これで2年後の大統領選も、緊張感を伴うビッグイベントとなることがほぼ確定したかもしれません。
今回も開票序盤となった東京市場ではやや緊張感も高まり、米10年債利回りの急変動もあり、300円高でスタートした日経平均もマイナス圏へと急反落し、ドル円も1円弱の乱高下。しかし、結果がほぼ見えてきた欧州時間にかけては市場も落ち着きを取り戻し、米株は主要3指数が揃って2%超の大幅高となり、為替はドル安円安のリスクオン地合いとなってクロス円が押し上げられ、金も予想外に堅調推移の展開となりました。ただし、米10年債利回りが再び2.23%台の高水準となり、FOMCへの期待感もあってかドルの買い戻しとともに金は軟調推移へ。
今年最大のビッグイベントを通過し、ドルインデックスとユーロドル、中国人民元と金の対ドルレートの年初来騰落率も、同じような水準に収束してきました。
昨年末の値を100とした指数で表すと、11月7日時点でドルインデックスは104.55(年初来騰落率:+4.55%)、ユーロドルは95.33(同:-4.67%)、中国人民元の対ドルレートは106.35(同:+6.35%)、NY金は93.84(同:-6.16%)。
夏場のトルコリラショックとともに売られ過ぎたNY金は10月の株価大幅調整などもきっかけに値を戻し、米中貿易戦争に伴いやや行き過ぎた人民元安も足下では巻き戻され、対ドルでは似通った推移となりやすいこれらの指標は、妥当なレベルへと戻してきた様子です。
ビッグイベント通過後のドルインデックスが1年4カ月ぶり高水準で頭打ちとなっている現状で、ユーロドルは1年4カ月ぶり安値圏でダブルボトムの可能性を残しての反発傾向にあり、人民元は10年ぶり安値となる節目の1ドル=7元寸前で折り返して反発の兆しとなっています。
7日のNY金相場は+2.4ドル、0.2%の小幅高となって4日ぶりの反発。米中間選挙の開票が進むに連れ、欧州時間まではドル安の流れにサポートされて一時1240ドル手前まで上昇。しかし、10月末以降何度もトライして破れなかったこの水準の抵抗感は強く、株高の流れが強まったNY市場にかけてはドルも買い戻しへと反転、急反落の展開を余儀なくされたNY金は1230ドル割れへ。結果的には予想以上に底堅かったと見ることもできるものの、上方向へ行って来いの展開となって日足では上ヒゲの長い十字線を残し、下値警戒感もやや強まる状況にも。目先、未だ下げ止まらない90日移動平均線(1217.3)付近、1210ドル台でサポートされるかどうか。
NYプラチナ相場は+7.3ドル、0.84%の続伸。6月18日(883.9)以来、およそ5カ月ぶりの高値水準に。金に連れて上昇局面となった欧州時間にはこれまでの抵抗水準880ドルを突破。しばらくは揉み合いながらもこの水準を維持したものの、さらに上値を伸ばす勢いと材料はなく、NY市場では金に連れて失速。それでも870ドル台後半を維持する堅調ぶりも。再度880ドル台へと水準を切り上げることができれば890ドル台から900ドルの大台付近へと一段高の可能性も。下方向には860ドル台を維持できなくなれば840ドル台辺りまでが調整目安にも。
ドル円は10銭ほどのドル高円安となって1カ月ぶり高値圏での続伸。東京時間の乱高下から欧州時間にかけては何度も113円割れを試す展開となったものの112円90銭台では買い支えられた格好に。NY時間には米株高の勢いにも追随するようにドル高円安の流れが強まって113円台半ばを回復。イベント通過で今朝の東京市場では日経平均の大幅反発にも連れてゆるやかな円安基調継続へ。11月FOMCでは今後の利上げ見通しなどが注目され、強気見通しでなくとも従来どおりであれば若干のドル高も想定され、ドル円は短期上値目標114円近辺に向けて一段高の展開も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/7終値とチャート
8日の国内金価格は-2円、0.04%の小幅安で3日続落。4800円の節目との攻防で上値を押さえられる状態となり、4812円まで低下してきた
200日移動平均線もレジスタンスに。半年ぶりにこの水準を上抜けできれば4850円台辺りまで一段高の展開も。しかし、流れは軟調方向へと傾きつつあり、調整局面拡大なら21日移動平均線(4750)近辺までが下値目安にも。
プラチナ価格は+10円、0.3%の続伸。6月15日(3453)以来、4カ月半ぶり高値水準での堅調推移は続き、8カ月ぶりに上抜けた
200日移動平均線(3349)がサポートに切り替わった可能性すら。短期上値目標3420円台に向けた流れももう少し継続可能な状況か。ただし、3350円台のサポート水準を完全に割り込んだ場合には調整局面入りで3300円の大台ライン維持をかけた攻防にも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/8とチャート
2018年11月08日(木)時点の相場
国内金:4,796 円 11/8(木)
▼2(
0.04%)
国内プラチナ:3,397 円 11/8(木)
▲10(
0.30%)
NY金:1,228.7 ドル 11/7(水)
▲2.4(
0.20%)
NYプラチナ:878.8 ドル 11/7(水)
▲7.3(
0.84%)
ドル円:113.52 円 11/7(水)
▲0.11(
0.10%)
11/7(水)のその他主要マーケット指標
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