米10月コアCPIは予想外に半年ぶり水準へと鈍化もドルは下げ渋り
更新日:2018年11月15日(木)
米労働省が発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%。市場予想どおりで9月の+2.3%からは上昇も、6年7カ月ぶり高水準となった7月の+3.0%、8月の+2.7%からは伸びがやや鈍化した状態。
食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+2.1%にとどまり、市場予想の+2.2%を下回って4月以来、半年ぶりの低水準。9年10カ月ぶり高水準となった7月の+2.4%からは3カ月連続の鈍化となりました。
前年比+20%台で推移していたガソリン価格が9月には+9.1%へと落ち込みましたが、10月には+16.1%へと回復し、中古車価格も9月の前年比-1.5%から10月は+0.4%へとプラス圏を回復するなどし、CPIを支えましたが、コアCPIを支えるまでには至らなかったようです。
それでも前月比では、CPIは+0.3%となって9カ月ぶりの伸びを示したことなどもあり、ドルは下げ渋り、むしろ小幅に買いで反応する展開となりました。
もっとも、この指標発表後には英国のEU離脱草案の閣議が予定されていたことから、市場ではこちらの動向に注目が集まり、為替市場は最近の米ドル主導の展開ではなく、欧州通貨主導の展開となり、ドルはやや乱高下気味の展開に。
コアCPIの伸びはやや鈍化したものの、前年比+2%超は3月以降8カ月連続となり、CPIは昨年9月から14カ月連続の+2%超となっています。
シンメトリック(対称的)なインフレ目標2%に合致する水準を維持し続けている現状からは、中立水準(3.0%)を下回るFF金利の追加利上げを否定する材料とはなりえません。
14日のNY金相場は+8.7ドル、0.72%高となって5日ぶりの反発。この日も何度か1200ドル割れを試すも底堅く推移、英EU離脱合意草案が閣議で承認されたことを受けてポンド高・ユーロ高・ドル安の流れが強まると金の買い戻しも急進、一時1210ドル台後半まで急騰。合意草案については議会での可決に向けて不透明感も残り、目先の不安定要因にも。NY原油が13日ぶりに反発し、ユーロドルが節目の1.13ドルを回復したことで1180ドル近辺までをトライする可能性もあったNY金は、前日の十字線が示唆したとおり節目の1200ドルがサポートとなって反発。ただし目先は90日移動平均線(1214.7)に上値を押さえられる状態にも。あらためて1200ドルの大台割れなら1180ドル付近を再度試しに行く可能性も。
NYプラチナ相場は-7.5ドル、0.89%安となって5日続落、3週間ぶり安値水準に。5日続落は7月以来、4カ月ぶり。時間外では840ドル台を維持する状態から、金が1200ドル割れを試す場面では840ドル割れ。こちらは何度も840ドル台回復を試す展開も上値は重く、欧州株安にも連れる形でNY市場では一時830ドルを割れる場面も。目先、90日移動平均線(823.0)がサポートライン候補にも。
ドル円は20銭ほどのドル安円高となって続落、1週間ぶりに113円半ばへ。113円80銭近辺から114円までの小幅レンジでの揉み合い状態から、NY時間にはポンドやユーロが買われてドル安基調となると米長期金利の低下や米株安の流れもあり、113円30銭近辺まで軟調推移。連日の上ヒゲが示唆したとおり調整の動きに。今年高値となった10月初旬の114円50銭台から10月末安値111円30銭台までの61.8%戻しライン113円30銭台にサポートされた状態となり、114円前半までのレンジで保ち合いの様相に。高値更新再トライへと向かえば今年高値も上抜けて115円近辺までを試す展開にも。しかし、上値を押さえられる状態が続くようだと徐々に流れも下方向へ、38.2%ラインの112円半ばが重要な節目となり、割り込むようだと全値戻しで111円30銭台辺りまでの下落局面形成にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/14終値とチャート
15日の国内金価格は+11円、0.23%の小幅続伸。4700円の大台ラインで下支えされての反発基調で10月後半の保ち合い水準を回復した状態に。目先は9-21日移動平均線(4770-4760)が抵抗水準となりやすく、下値は4700円の大台ラインが当面のサポート水準に。大台を割り込んでしまうと下値トライ再加速となって10月安値圏も意識され、下値目安は4630円近辺まで。
プラチナ価格は-36円、1.09%の反落。調整一服の動きも束の間、NYプラチナが下げ止まらなかったことで下押し圧力再燃。半月ぶりに21日移動平均線(3276)を割り込み、半月ぶりの安値水準に。一段安へと向かう確率は高まり、10月の保ち合い高値圏3240円台辺りまでが下値目安に。逆に3310円超へと切り返す展開となれば上値トライ再開で月初の高値保ち合い圏、3360円台までが上値目標にも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/15とチャート
2018年11月15日(木)時点の相場
国内金:4,740 円 11/15(木)
▲11(
0.23%)
国内プラチナ:3,270 円 11/15(木)
▼36(
1.09%)
NY金:1,210.1 ドル 11/14(水)
▲8.7(
0.72%)
NYプラチナ:833.8 ドル 11/14(水)
▼7.5(
0.89%)
ドル円:113.58 円 11/14(水)
▼0.23(
0.20%)
11/14(水)のその他主要マーケット指標
明暗分かれた製造業景況感、フィリー指数はピークアウト警戒感も 11/16(金)トランプ大統領の自画自賛ネタになりそうなチャート 11/14(水)ユーロドルは節目の1.13ドル割れ、金は1200ドルの攻防へ 11/13(火)反落すべくして反落した金、反発すべき水準で反発できるか 11/12(月)
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