リスク回避の株安で金買い優勢、プラチナには売り圧力
更新日:2018年12月10日(月)
ファーウェイのCFO逮捕を巡っては中国側の猛抗議が続き、米国側は通商協議とは別問題と距離を置く構え。ライトハイザー米USTR代表も同調し、通商協議の90日間の猶予は厳格な期限であるとの発言も。英国では11日に予定されるEU離脱案の採決では否決の可能性が高く、採決先送りか、あるいは否決後の修正案準備中などとの憶測も。フランスでは「黄色いベスト」運動でマクロン政権への抗議デモがエスカレート。米中欧の政治的な不透明感は今週も続きそうな状況です。
米欧株安の流れも続き、週明け東京市場の日経平均も大幅反落でのスタートとなり、中国株も軟調推移で為替もドル安円高の流れが強まる週明け。
リスク回避で金が買われやすく、景気への悪材料が工業需要減への思惑に繋がりやすく、プラチナの売り圧力がなかなか緩和されない状態も続いています。
国内金価格は今年1月高値からの右肩下がりの抵抗線と8月安値からの右肩上がりのサポートラインとで構成する三角保ち合いを上抜け、とともにその勢いが一段と強まってきた様子。
一目均衡表では転換線(4797)が基準線(4774)を上抜けて急上昇、遅行線も価格ラインにぶつかっての急上昇となり、三役好転の強気相場入り。
8月から続く上昇チャネルを維持する金買い優勢の展開がもうしばらく続くことになれば、年末にかけて国内金価格は4850円から4950円近辺まで、レンジを切り上げることにも。
10日の国内金価格は+31円、0.64%の反発。7月高値4837円をわずかに上抜けて6月19日(4864)以来、5カ月半ぶりの高値水準。週明け東京市場ではドル円が112円50銭台へと小幅円高も、NY金が1250ドル台半ばの高値水準を維持してスタートし、国内価格を押し上げた形に。ほぼ水平状態となってきた
200日移動平均線(4786)を上抜けても堅調推移が続き、過熱感もそれほど高くはない状態。短期的にはいったん調整もありうるものの、NY金にさらなる上値余地も想定される状況からは一段高の展開も予想され、次の上値目安としては6月高値(4957円)トライも。
国内プラチナ価格は8月以降の上昇トレンドをサポートしてきたラインを下抜けての急落局面が続き、サポート水準となる可能性もあった一目均衡表の雲の下限(3114)も下抜け。
基準線(3233)を下回る転換線(3171)も急落し、これらを大きく下回る水準に価格ライン。遅行線も価格ラインを下方向に大きく突き抜ける形となり、三役逆転の弱気相場入り。
今週3180円台へと急上昇する雲の下限を早々に回復するような急反発を想定するのは、やや困難な状況か。
ただし、遅行線が相対する雲の下限は3080円台での推移が当面続き、あと少し水準を切り上げることができれば、この水準でサポートされる展開も想定可能か。
10日のプラチナ価格は+7円、0.23%の小幅高となり、9日ぶりの反発。8日間で229円、6.9%の急落局面を形成した直後の反発としては極めて限定的となり、下げ止まり感は今ひとつ。ただし、NYプラチナは790ドル台を維持して週明けをスタートしており、2日連続の下ヒゲと安値圏での十字線が示唆する下げ止まりへの可能性により、国内価格も下支えされる可能性も。金との方向感逆行状態は続き、価格差は5日連続で過去最大を更新し、1763円に。
※参考:
金プラチナ国内価格12/10とチャート
2018年12月10日(月)時点の相場
国内金:4,839 円 12/10(月)
▲31(
0.64%)
国内プラチナ:3,076 円 12/10(月)
▲7(
0.23%)
NY金:1,252.6 ドル 12/7(金)
▲9.0(
0.72%)
NYプラチナ:790.4 ドル 12/7(金)
▲0.8(
0.10%)
ドル円:112.69 円 12/7(金)
▼0.01(
0.01%)
12/7(金)のその他主要マーケット指標
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