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米11月雇用統計、賃金上昇率好調でも失業率にはピーク警戒感も
更新日:2018年12月08日(土)
米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2018年11月米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが市場予想を大幅に下回る前月比+15.5万人にとどまったことで瞬間的にドル売り急進となりましたが、その他の指標は好調を維持したこともあり、やや乱高下の展開にもなりました。
NFPの年間平均では+20.6万人と20万人超を維持し、3年ぶり高水準も維持しています。
失業率も48年9カ月ぶり低水準となった3.7%での横ばい推移が3カ月連続。

そして賃金上昇率も前月比こそ+0.2%と+0.3%予想を下回りましたが、前年比では予想どおりの+3.1%で横ばい推移となり、2カ月連続3%超を維持する形となりました。なお、3カ月平均では前年比+2.98%となり、2009年6月(+3.06%)以来、9年5カ月ぶりの高水準となっています。
賃金上昇率は回復の目安とされる前年比3%以上に到達し、しかし加速し過ぎてインフレをさらに押し上げてしまうような勢いでもなく、程良い水準となってきたようにも見えます。

また、長期失業者の割合は5月に9年10カ月ぶり低水準となる19.4%まで低下した後、10月の22.5%まで上昇傾向となっていましたが、11月は20.8%へと5月以来の低水準へと低下。くすぶっていたピーク警戒感もいったん払拭する形となったようです。

ただし、広義の失業率を示すU6失業率は7.6%へと上昇。17年4カ月ぶり低水準となった8月と10月の7.4%で底打ちした可能性を残し、5カ月ぶりの水準へと反発した状態です。失業率が歴史的低水準まで低下した状態が3カ月続いていることからも、ピーク警戒感も漂い始める状況となってきました。

米労働市場の引き締まりは限界レベル付近に達している可能性もあり、既定路線の12月利上げには問題ないものの、来年の利上げ見通しを後押しするような状況ではない可能性もありそうです。

この日、ミシガン大が発表した11月の1年期待インフレ速報値でも2.7%へと2カ月連続の低下、5年期待インフレも10月の2.6%から2.4%へと低下。来年の利上げペース鈍化を織り込み始めているようです。


NY金・日足チャート 2018/11/1 - 12/77日のNY金相場は+9.0ドル、0.72%の反発で7月10日(1255.4)以来、5カ月ぶりの高値水準に。時間外から堅調な推移で1240ドル台前半から後半へと水準を切り上げ、NY朝には米11月雇用統計の結果に乱高下をはさんで一段高の反応。来年の利上げペース減速への思惑から株価とともに上昇後、米株はハイテク株主導による急反落でダウもナスダックも大幅安となったのに対し、金は株安とドル安・金利低下の流れにもサポートされて1250ドルを超え、NY引け後には1250ドル台半ばへとさらに上昇。日足では1230ドルの保ち合い上限突破後の堅調な流れが利上げ打ち止め観測などで加速、5月安値水準1280ドル台を当面の上値目標に堅調な流れは続きそうな状況に。
週間ベースでは+32.4ドル(2.66%)の反発。8月20日からの週(+29.1ドル、2.46%)を上回り、3月19日からの週(+37.6ドル、2.87%)以来、9カ月ぶりの大幅上昇。

NYプラチナ・日足チャート 2018/11/1 - 12/7NYプラチナ相場は3日ぶりの反発も+0.8ドル、0.1%高と限定的に。前日に800ドルの大台を割り込んだ後は790ドルをはさんでの揉み合い推移となり、雇用統計後の金の上昇に追随した場面でも797ドル近辺までにとどまり、800ドルの大台ラインが抵抗線へと切り替わり始めた様子も。ただし、下値も780ドル台半ばまでと限定的となり、さらに売り込まれるような状況にはなさそう、下値目安到達水準で十字線を残して反発の可能性も。足下では金との逆行状態が続き、価格差は462.2ドルへと一段と拡大し、相関関係も崩れる状態に。
週間ベースでは-9.4ドル(1.18%)となり、5週続落。5週続落以上は4月と7月以来で今年3回め。

ドル円・日足チャート 2018/11/5 - 12/7ドル円は前日からほぼ変わらずの112円70銭近辺での横ばい推移。日経平均の反発とともに買い戻しの流れとなった東京市場では112円90銭台まで上昇も113円手前では失速。雇用統計を前にして112円80銭近辺での小康状態となり、雇用統計後には112円60銭から90銭台までのレンジで乱高下。結果はそれほど悪くはなかったものの、タカ派的に捉えられる内容でもなく、株安の流れとともにドル安円高となって一時112円50銭台まで下落。この112円50銭台が最近のサポート水準となり、下方向への節目水準にも。利上げペース減速への思惑がさらに強まっていくようならこの水準を割り込んで一段安の展開となり、次の下値目標としては9月安値圏となる110円台前半も。
週間ベースでは-0.88円(0.77%)で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/7終値とチャート

2018年12月08日(土)時点の相場
国内金:4,808 円 12/7(金) ▼10(0.21%)
国内プラチナ:3,069 円 12/7(金) ▼42(1.35%)
NY金:1,252.6 ドル 12/7(金) ▲9.0(0.72%)
NYプラチナ:790.4 ドル 12/7(金) ▲0.8(0.10%)
ドル円:112.69 円 12/7(金) ▼0.01(0.01%)
→12/7(金)のその他主要マーケット指標

←リスク回避の株安で金買い優勢、プラチナには売り圧力 12/10(月)
→米貿易赤字は10年ぶり、ファーウェイ・ショックで米中冷戦へ 12/07(金)
→ユーロ圏サービス業PMIもほぼ2年ぶり低水準 12/06(木)
→米中休戦にドル安人民元高、逆イールドで金も追随 12/05(水)

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