成長目標引き下げの中国、2月は輸出急減に自動車販売も低迷
更新日:2019年03月12日(火)
今や世界景気減速懸念の中心に位置する中国。今月5日、全人代開幕の日に発表された2019年の経済成長率目標は6.0-6.5%と、前年の6.5%前後から引き下げ。合わせて付加価値税(VAT)引き下げによる景気刺激策も発表。
その後2月の経済指標も発表され、それを裏付けるような結果も続きます。
中国税関総署が公表している貿易統計によれば、2月の輸入額は8883億人民元となって前月比-27.7%、前年同月比では-0.3%。輸出額は9227.6億人民元となって前月比-38.6%、前年同月では-16.6%。貿易収支は344.6億人民元の黒字で前月比-87.4%、前年比でも-84.0%。
2月は春節休暇の影響で例年輸出入ともに落ち込みますが、輸入額は前年と同水準となったのに対し、輸出額は前年と比べて大きく落ち込んでいます。
米中貿易摩擦の影響もあり、3月以降の回復動向が注目されます。
自動車販売台数も例年以上に落ち込んでいます。中国の2月の販売台数は148万台となって前年同月比では-13.8%。2018年2月の前年比-11.4%を超える落ち込みとなり、2017年2月は前年比+22.7%、2016年2月は前年比-0.8%となっていたのと比較してもその差は歴然。
なお、中国では年間販売台数でも2018年は前年比-5.8%となり、約20年ぶりの前年割れとなっていました。
さらに、月間販売台数は2018年7月以降、この2月まで8カ月連続で前年割れとなっています。
なお、米国の自動車販売台数も昨年9月から今年2月までの半年間で、11月を除く5カ月が前年割れとなっています。
ドイツでは、EUの新燃費測定基準が本格導入された昨年9月に大きく落ち込みましたが、2月には6カ月ぶりに前年割れを回避し、前年比+3.59%となっています。
製造業を中心に景気減速が懸念されているドイツですが、自動車販売に限れば今年は急回復の兆しにもなっているようです。
米国とドイツに比べ、前年比割れの水準も大きく下回る中国の今後の回復基調が、世界景気減速懸念の動向も左右することにもなりそうです。
11日のNY金相場は-8.2ドル、0.63%の反落。先週末の急反発で1300ドルの大台ラインに上値を押さえられたことで戻り一服となって揺り戻し。この日、エチオピア航空のボーイング737MAX8機の墜落事故を受けて各国で同型機の運行停止の動きもあり、ボーイング株の大幅下落によって下落スタートしたNYダウはハイテク株の買いに支えられて切り返すと6日ぶりの反発。軟調推移のドルもNY市場では株価に連れて反発、1290ドル台半ばで保ち合い推移のNY金は1290ドル付近まで小幅に下落。目先、1300ドルが抵抗水準となり、下値は1280ドルまでではサポートされやすく、保ち合い形成の様相に。FOMCに向けてハト派期待が高まるなどして1300ドル台を回復できれば1320ドル台までが次の上値目標に、逆に1280ドル割れへと軟調な展開となれば1260ドル台辺りまでが下値目安にも。
NYプラチナ相場は-0.8ドル、0.1%の小反落。810ドル台での小幅保ち合い推移から、NY午前には一時3週間ぶり安値となる810ドル割れも午後には切り返す形となって下げ渋り。引け後の時間外には820ドルを回復。3月に入ってからの急落局面も下値目安800ドル付近に接近してきたことで急減速。若干の下げ余地も残しながら、
過去の抵抗水準820ドル台が戻りの目安にも。
ドル円は10銭強のドル高円安となって4日ぶりの反発。東京時間にはエチオピア航空機墜落を受けての株安円高進行局面では110円80銭台まで下落も、先週末安値も意識されて111円10銭台へと買い戻し。欧州時間にはこの日の高値となる111円30銭台まで上昇も、戻り売り圧力に押されて軟調推移の展開に。米1月小売売上高は予想を上回る前月比+0.2%となり、ネガティブ・サプライズとなった12月の-1.6%(-1.2%から下方修正)からは大幅上昇でのプラス転換となって一安心。111円ラインにサポートされたドル円は米株の反発基調にも連れて111円20銭台まで上昇。今朝の東京市場でも株高の流れに連れて堅調推移となって前日高値超え。日足レベルでは20日移動平均線(111.05)にサポートされて年初来の上昇トレンド継続も、短期的には調整局面を形成中。20日線を割れると110円半ばまでは下げやすく、上方向には112円ラインが当面の抵抗水準に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/11終値とチャート
12日の国内金価格は-5円、0.1%の小反落。短期サイクル的には軟調推移継続も下げ渋る状態となっての小幅保ち合い形成、1週間後のFOMCを控えて米指標も強弱混在で方向感も定まり難い状況にも。4940円台から4970円までの小幅保ち合いレンジを維持しての推移が続けば徐々に地合いも好転方向にも。サポート水準となる今年安値から高値までの半値戻し(4944)を維持できなくなれば76.4%戻し(4866)付近までが次の下値目安に。上方ブレイクなら23.6%戻し(5022)近辺までが上値目標に。
プラチナ価格は+37円、1.19%の大幅高となって4日ぶりの反発。1月安値から3月高値までの61.8%戻し(3115)にサポートされていったん下げ止まり。しかし21日移動平均線(3154)と90日移動平均線(3153)に上値を押さえられ、50%戻し(3156)が目先の抵抗水準となる可能性も。この水準を突破できれば38.2%戻し(3196)から
3200円前後、昨年10月までの保ち合い水準までが意識される展開にも。ただし、3110円を割り込むようだと年初の保ち合い圏、76.4%戻し(3064)辺りまでが次の下値目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格3/12とチャート
2019年03月12日(火)時点の相場
国内金:4,961 円 3/12(火)
▼5(
0.10%)
国内プラチナ:3,151 円 3/12(火)
▲37(
1.19%)
NY金:1,291.1 ドル 3/11(月)
▼8.2(
0.63%)
NYプラチナ:816.8 ドル 3/11(月)
▼0.8(
0.10%)
ドル円:111.29 円 3/11(月)
▲0.12(
0.11%)
3/11(月)のその他主要マーケット指標
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