金利低下とFRBの年内利上げ予想0%で金価格5000円再トライも?
更新日:2019年03月11日(月)
3月8日時点でCMEフェドウォッチのFF金利年内1回の利上げ予想は0%。7日のECB理事会後に0%となり、8日の米雇用統計後もそのまま。年内据え置きと1回の利下げ予想の合計は99%。
2月28日に発表された米2018年第4四半期GDPが上振れた翌日の3月1日には、米10年債利回りが2.75%台まで上昇し、年内1回利下げ予想は0%となっていましたが、米貿易赤字の拡大などもあって金利は急低下、週末にかけて2.6%台前半へと水準を切り下げる展開となり、年内1回の利下げ予想は15%台まで急上昇。
これまでも利下げ予想は何度か上振れることはありましたが、最近では20%手前が上限となって来ているようにも見えます。
米10年債利回りが年初の為替のフラッシュ・クラッシュにも連れて一時的に2.5%台半ばまで急落した後の今年最低水準、2.63%台まで低下してきたことで、目先は下げ渋る展開も予想されることから、年内利下げ予想の上げ渋りも予想されそうです。
しかし、3月FOMCでは四半期に1回の経済・金利見通しも発表され、ややハト派的な見通しが示されることにもなりそうで、2019年末のFF金利予想中央値が前回の2.875%(利上げ2回)から、どこまで下がるかが注目されることになります。
市場コンセンサスとの乖離幅縮小は確実視されますが、現在の市場予想(利上げ0回)に近い数値となれば、市場予想はさらに下を織り込みに行く可能性もありそうです。
そうなると、米10年債利回りと市場の年内1回利下げ予想も抵抗水準を突破することにもなりそうです。
FOMCに向けて、事前に織り込みが進行していくことになれば、国内金価格は5000円再トライの展開もあり得そうです。
11日の国内金価格は+19円、0.38%高となって3営業日ぶりの反発。為替は先週末の円高の流れを週明けも引きずる形となり、日経平均反発スタート後の上げ幅縮小の動きにも連れる形で111円付近、NY金は週末の急反発も1300ドルの大台ラインに上値を押さえられた状態のまま1290ドル台後半での揉み合いで週明け。4950円から4970円までの小幅保ち合いから下放れの兆しとなっていた国内金価格は、今年安値から高値までの半値戻し(4944)で支えられて切り返す展開に。短期トレンドは下向きながら小幅保ち合い回帰となり、米指標結果などをきっかけに上下どちらにも振れやすい展開にも。米小売、CPIなどが下振れるようだと反発継続へ、4970円超へと水準を切り上げることになれば23.6%戻し(5022)近辺までが上値目標に。逆に50%(4944)割れなら76.4%戻し(4866)付近までが下値目安にも。
プラチナ価格は-16円、0.51%安で3日続落。2月19日(3068)以来、3週間ぶりの安値水準となり、1月安値から3月高値までの61.8%戻し(3115)を達成。年末年始の安値保ち合い上限にも到達し、いったんは下げ止まりの可能性も。しかし、週明けのNYプラチナが810ドル半ばでやや軟調スタートとなっていること、もう一段の下げ余地も見込まれる状況からは、国内プラチナ価格の下押し圧力継続も。そうなれば76.4%戻し(3064)辺りが下値目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格3/11とチャート
2019年03月11日(月)時点の相場
国内金:4,966 円 3/11(月)
▲19(
0.38%)
国内プラチナ:3,114 円 3/11(月)
▼16(
0.51%)
NY金:1,299.3 ドル 3/8(金)
▲13.2(
1.03%)
NYプラチナ:817.6 ドル 3/8(金)
▲0.5(
0.06%)
ドル円:111.17 円 3/8(金)
▼0.40(
0.36%)
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