NY連銀製造業景況指数は4月に反発、も期待指数は急低下
更新日:2019年04月16日(火)
4月のNY連銀製造業景況指数は10.1。市場予想の8.0を上回り、2017年5月(3.4)以来1年10カ月ぶり低水準となっていた3月の3.7からは急反発。昨年12月(11.5)以来4カ月ぶりの高水準となり、減速基調を脱した可能性も示す結果となりました。
構成指数では、新規受注が1年10カ月ぶり低水準となった3月の3.0から4月は7.5へと2カ月ぶりの水準へと反発し、出荷も2年5カ月ぶり低水準となった3月の7.7から4月は8.6へ、2カ月ぶりの水準へと反発。平均労働時間も2年4カ月ぶり低水準となった3月の-3.4から4.3へと急反発で3カ月ぶりの水準。3月に総合指数急低下の要因となった項目はいずれもしっかりと反発。
しかし、向こう半年の見通しを示す期待指数は3月の29.6から4月は12.4へと急低下。2カ月連続の低下で2016年1月(9.5)以来、3年3カ月ぶり低水準となっています。
期待指数の水準としては最後のリセッション以降では2番めの低水準となり、リーマンショック直後の2008年11月(10.2、この後乱高下を経て2009年2月の-5.1まで急降下)頃にも相当する水準です。
期待指数がこの水準まで低下するとリセッション入りのサインという訳でもなく、ムニューシン米財務長官もシカゴ連銀のエバンス総裁もこの日、異口同音に「景気後退となる兆候ない」との発言も。
ただし、次月以降も期待指数が低調なら要注意、かもしれません。
総合指数を6カ月平均で見ると、4月は9.9。5カ月連続の低下で2017年4月(9.83)以来、2年ぶりの低水準。ピークアウト後の減速トレンドは継続中。
NY連銀管轄地区での製造業では、景気減速懸念は未だ払拭し切れていない状況のようです。
15日のNY金相場は-3.9ドル、0.3%の反落で3月28日(1289.8)以来、半月ぶりの安値水準。週明け時間外は1290ドル台前半での軟調推移スタートとなってロンドン時間には1290ドル割れ、NY連銀製造業景況指数の好結果には一時1285ドルまで下落してこの日の安値。この水準では底堅さも見られ1290ドル台へと反発。ドル高や金利上昇などの流れが強まらなかったことも一段安回避をサポート。ただ、短期トレンドは下向き、これまで何度も反発してきた1280ドル台で耐えきれなくなれば200日移動平均線(1252.8)から1240ドル台までが下値目安に。なお、2月高値を頂点に三尊天井と見れば、ネックラインとなる3月安値1280ドルを割れた場合には最大1210ドル台までの下落も想定可能に。
NYプラチナ相場は-4ドル、0.45%の反落となり、4月3日(874.2)以来2週間ぶりの安値水準。金に連れて軟調推移の展開となり、時間外には890ドル付近で下げ渋る様子もあったものの、NY市場では一段安となって880ドル前半まで下落。しかし、これも一時的となって午後には890ドル台へと反発。調整目安となる20日移動平均線(874.8)近辺には少し届かなかったものの、長めの下ヒゲを残して調整終了となる可能性も示唆する格好にも。目先、あらためて890ドルを割れれば870ドル台まで再度下押しも、900ドルをはさんだ保ち合い維持の展開にも。910ドル超へと反発できれば高値更新トライの展開で940ドル付近までが次の上値目標にも。
ドル円は10銭弱のドル安円高となって小反落。この日の変動幅は20銭余りで今年最小レベル、今年の平均57銭の3分の1強。上値トライに向けた流れが進行し始めた可能性も、3月高値112円10銭台が意識されて上値を押さえられ、112円をはさんでの揉み合い推移の展開に。NY連銀製造業景況指数の好結果を受けての急騰局面も111円90銭台から112円10銭手前までの15銭程度にとどまり、狭いレンジ内での値動きに終始。シカゴ連銀エバンス総裁の「FF金利は2020年秋まで据え置かれる」発言も重石に。今朝には茂木経済財政相から日米貿易協定交渉の状況も伝えられるも為替など具体的な内容は明日説明、とのことで若干の警戒感も抱えながらの小幅揉み合い推移は継続。悲観的な見方が強まらなければ3月高値112円10銭台を超えて上値トライの流れ加速で当面の上値目標は113円台後半へ。3月安値を頂点に逆三尊を形成と見れば最大で114円台も。逆に3月高値を超えられずに反落へと向かえばダブルトップ形成への可能性を残すことにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/15終値とチャート
16日の国内金価格は-5円、0.1%の小幅安で3日続落。4月4日(4962)以来、2週間ぶり安値圏でのジリ安推移。短期トレンドは中立から徐々に下方向へ。NY金の軟調局面が加速することになれば下方圧力が強まり、サポート水準となる90日移動平均線(4918)との攻防にも。これを割り込めば一段安の展開へ。NY金が1250ドルまで下落した場合には4800円の節目水準割れを警戒する展開にも。
プラチナ価格は-14円、0.41%の反落。中長期節目水準3400円超を維持した状態で小幅揉み合いからの上値再トライに失敗。方向感喪失気味で値動きを縮小、上下双方に大幅変動への可能性を抱えて保ち合い推移の展開に。3430円台を上抜けできれば3500円の大台トライへの流れとなる可能性、逆に3410円を割り込めば調整局面拡大で3320円台辺りまでが下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格4/16とチャート
2019年04月16日(火)時点の相場
国内金:4,965 円 4/16(火)
▼5(
0.10%)
国内プラチナ:3,420 円 4/16(火)
▼14(
0.41%)
NY金:1,291.3 ドル 4/15(月)
▼3.9(
0.30%)
NYプラチナ:894.5 ドル 4/15(月)
▼4.0(
0.45%)
ドル円:111.96 円 4/15(月)
▼0.07(
0.06%)
4/15(月)のその他主要マーケット指標
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