長期三角保ち合い収束が示すドル円の歴史的大相場への警戒感
更新日:2019年04月20日(土)
ドル円の1日当たりの平均値幅は、今年ここまでで0.546円。昨年の0.686円を下回り、近年最小となっている2012年の0.564円も下回っています。0.6円台にとどまったのは2018年と2011年、0.7円台が2014年。それ以外は2005年以降では0.8円以上。平均値幅が大きかったのは2008年の1.412円、2009年の1.209円、2016年の1.206円など。
今年ここまでは歴史的な小動きとなっています。
しかし、この状態にも今後、変化が訪れるかもしれません。
近年のドル円相場は2015年6月に125円80銭台の高値をつけ、2016年6月には99.10銭台の安値。そして、これらを起点とする長期三角保ち合いを形成しています。
現時点での保ち合い上限は113円辺りまで切り下げ、下限は108円近辺まで切り上がり、次月以降さらに収束していくことになります。
令和時代を迎える5月以降、もしかするとその直前にも、この保ち合いをブレイクして大きく動き出す可能性もありそうです。
これまでも保ち合いをブレイクすると、主要レンジが切り替わる大幅変動を繰り返してきた歴史が今年、繰り返される可能性を警戒すべき時期にきているのかもしれません。
長期推移で見た場合、
2011年が大底で、ここからスタートしたドル高円安基調が一服して三角保ち合い形成中と見れば、ドル高円安方向優勢にも。
超長期円高基調が続いた後、1990年代以降の保ち合い継続と見れば、円高基調再開の可能性も。
実質実効為替レートで見れば、ドル安円高方向への巻き戻しが優勢に。
日米貿易協議の動向などからは、円安牽制への警戒感もあり、ドル安円高優勢にも。
金融政策の違いからは、足下での米利上げ一服が上値を押さえるものの、利上げ再開見通しが浮上することになればドル高優勢にも。
19日のドル円は5銭強のドル安円高と小幅に続落。グッドフライデーで欧米主要株式市場が休場となり、為替市場も閑散。東京時間午前に日銀の国債買入オペ減額を受けて112円ちょうど付近から111円90銭近辺へと10銭ほどの円高となった後は、111円90銭台前半数銭のレンジで膠着、開店休業状態に。米商務省が発表した3月の住宅着工件数は年率換算で113.9万件となり、市場予想の123万件を大きく下回って2017年5月(112.2)以来、1年10カ月ぶりの低水準。建設許可件数も130万件の予想に対して126.9万件にとどまり、5カ月ぶり低水準。しかし、市場反応は極めて限定的に。5日連続で騰落値幅は5銭前後となり、112円ちょうどをはさんでの小動きが継続。
週間ベースでは-0.11円、0.1%の小幅安で4週ぶりの反落。週間の変動値幅としては40銭ほどにとどまり、2012年1月以来7年3カ月ぶりの小動き。
2019年04月20日(土)時点の相場
国内金:4,916 円 4/19(金)
▼2(
0.04%)
国内プラチナ:3,488 円 4/19(金)
▲59(
1.72%)
NY金:1,276.0 ドル 4/18(木)
▼0.8(
0.06%)
NYプラチナ:903.7 ドル 4/18(木)
▲12.4(
1.39%)
ドル円:111.92 円 4/18(木)
▼0.07(
0.06%)
4/18(木)のその他主要マーケット指標
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