製造業低迷止まらず、IFOドイツ企業景況感は4月に再び低下
更新日:2019年04月25日(木)
4月のIFOドイツ企業景況感指数は99.2。3年ぶり低水準となった2月の98.7から3月には99.7へと反発の兆しとなっていたのに対し、4月は再び低下。99.9の市場予想も下回り、2015年平均100を4カ月連続で下回る状態が続きます。
現況指数は103.3となり3月の103.9から低下、2年1カ月ぶり低水準。なお、景況感指数と現況指数は3カ月平均で見るといずれも6カ月連続の低下となり、低下基調が続きます。
期待指数は6年3カ月ぶり低水準となった2月の94.0から3月は95.6へと反発していましたが、4月は95.2へと再び低下。
後退していた今後数カ月への悲観論も4月に再拡大した様子です。
なお、期待指数と現況指数との差を見ると、プラス幅拡大の時期は景況感の回復基調、加速基調の強さを示し、マイナス幅拡大期は景況感の減速、後退基調の強さを示します。今年1月にその差は-9.8まで拡大し、1991年以来28年ぶりのマイナス幅となり、2月の-9.7を経て3月には-8.3へと急縮小の兆しとなりましたが、4月は-8.1と縮小ペースは鈍化。景況感の減速基調はボトムアウトした可能性も残しながらも、回復に向けた勢いとしては過去最低レベルでの低迷状態が続きます。
セクター別ではやはり製造業の低迷状態が続き、製造業の指数は3月の6.7から4月は4.0へと一段と低下、8カ月連続の低下で2012年12月(-1)以来、6年4カ月ぶりの低水準。設備稼働率は長期平均83.7%を上回る水準を維持してはいるものの、0.8ポイント低下して85.4%。
その他では、サービス業と建設業が4カ月ぶりの水準へと上昇したのに対し、貿易、卸売、小売はいずれも3月からは低下しており、回復基調の弱さも続きます。
製造業低迷が主導するドイツの景況感低迷は続き、回復基調が強まらないのと同様に、ユーロの買い戻し圧力も強まらない状態が続きます。
この日、ユーロドルは節目の1.12ドルを大きく下回り、今年安値を更新して1.1150ドル台へと水準を切り下げ、2017年6月以来、1年10カ月ぶりのユーロ安ドル高水準となっています。
ドイツの製造業関連指数のさらなる低下が警戒されるのと同様に、ユーロドルもさらなる下落が警戒される状況となってきました。
24日のNY金相場は+6.2ドル、0.49%の反発。世界景気減速への警戒感と主要中銀のハト派転換への思惑などを背景に米10年債利回りが2.57%近辺から2.52%台までコンスタントに低下したことを受けて反発基調優勢の展開に。東京時間には豪州の1-3月期消費者物価が予想以上の低インフレとなって豪州中銀の利下げ観測台頭で豪ドル急落によるドル高、欧州時間にはドイツの4月IFO景況感指数下振れを受けてのユーロ急落、一時的に節目の1.12ドル割れ後にいったんは反発もその後のユーロ売りドル買い材料に。NY時間にはカナダ中銀の成長見通し引き下げとハト派転換でカナダドル急落でドル高に。NY金は時間外につけた1270ドルの安値から小幅に上下動を繰り返しながらもNY市場では一時1280ドルまで上昇。1270ドル台では下げ渋る状態が続いた後の反発の兆しともなり、下値トライに向けた流れはいったんストップした可能性も。目先1270ドルがサポートとなり、上方向には低下中の20日移動平均線(1291.9)近辺が抵抗線に。あらためて1270ドルを割れた場合には昨年8月安値から今年高値までの50%戻し(1258.5)から
ゆるやかに上昇し始めた200日移動平均線(1253.5)近辺、1250ドル台までが下値目安にも。
NYプラチナ相場は-5.2ドル、0.58%安で3日続落。時間外には898ドル付近まで反発も900ドルの大台回復できず、NY市場では戻り売りの展開となって890ドル割れ。右肩上がりの20日移動平均線(886.0)に下値をサポートされるも三角保ち合い下方ブレイクをかけた攻防状態にも。軟調優勢地合いのまま下方ブレイクとなって880ドルも割り込むようだと一段安へ、3月末急騰前の水準840ドル台までが当面の下値目安に。
ドル円は20銭強のドル高円安。米10年債利回り低下に伴う円高圧力と豪ドル安、ユーロ安、カナダドル安に伴うドル高圧力とが交錯し、膠着状態から解き放たれた可能性も。NY市場からボラティリティは拡大し始め、前日安値111円60銭台まで下げると押し目買い圧力も強まって急反発、一時昨年12月20日以来4カ月ぶり高値水準となる112円40銭近辺まで上昇。今朝の東京市場でも112円を割り込まず、112円10銭台から20銭付近での攻防に。NY終盤以降、米10年債利回りが2.52%台で下げ渋っていることもサポートに。高値更新となったことで目先は112円半ばまでは再度上値を試しやすい状況にも。下値は111円80銭台から右肩上がりの20日移動平均線(111.60)までではサポートされやすく、ここを割り込んだ場合には111円前後までが下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/24終値とチャート
25日の国内金価格は+30円、0.61%高となって3日ぶりの反発。急落を含む大幅安の展開も予想された下値トライへの流れはいったん巻き戻し。1週間ぶりの水準を回復し、右肩上りを維持する90日移動平均線(4928)も3日ぶりに上抜け。90日線以上を維持できるかどうかが中期強気トレンド維持をかけた攻防の重要ポイントにも。中長期サポート水準となる4800円割れを早々に試すような大幅下落への可能性も後退、ただしあらためて4900円前後を割り込む展開となれば下値トライ再開で1月末の急騰前の水準4820円台までが下値目安となる可能性も。
プラチナ価格は-16円、0.47%安で3日続落。買われ過ぎ状態からの巻き戻しが進行し、1つ目のサポート候補9日移動平均線(3443)を下抜け、次のサポート候補は中長期節目水準3400円から21日移動平均線(3391)。これらを下回るようだと一段安への流れが加速する可能性、3月末急騰前の保ち合い高値3280円近辺が当面の下値目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格4/25とチャート
2019年04月25日(木)時点の相場
国内金:4,929 円 4/25(木)
▲30(
0.61%)
国内プラチナ:3,418 円 4/25(木)
▼16(
0.47%)
NY金:1,279.4 ドル 4/24(水)
▲6.2(
0.49%)
NYプラチナ:888.6 ドル 4/24(水)
▼5.2(
0.58%)
ドル円:112.10 円 4/24(水)
▲0.22(
0.20%)
4/24(水)のその他主要マーケット指標
米10年債利回り低下とともに年内利下げ予想も再上昇中 04/26(金)ユーロ圏消費者信頼感指数4月も低下基調継続、ユーロ売りも継続 04/24(水)シカゴ連銀全米活動指数、3カ月平均は2年10カ月ぶり低水準 04/23(火)金価格の中期サポート水準は4800円、プラチナは3400円に 04/22(月)
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