米4月中小企業楽観指数は3カ月連続の改善、見通しも改善も
更新日:2019年05月15日(水)
米中小企業の業界団体NFIBが発表した4月の中小企業楽観指数は103.5。市場予想の102程度を上回り、3月の101.8からも上昇、2年2カ月ぶり低水準となった1月の101.2をボトムに3カ月連続の改善。4カ月ぶりの水準を回復しています。
向こう3カ月を楽観的と見るか、悲観的と見るか、その割合の差を示す、見通し楽観指数は25。これも1年4カ月ぶり低水準となった1月の20がボトムとなり、3カ月連続の改善。5カ月ぶりの水準を回復。
ただし、いずれも昨年秋までの高水準には届かず、回復途上と見ることもできます。
構成指数からは堅調を示す状態がうかがえます。
10の構成指数のうち8つが改善し、1つが低下、1つは横ばい。先月の過剰在庫は解消し、収益動向は堅調。労働市場は雇用創出計画が堅調に増加し、雇用の強さは継続的。売上、経営環境、与信状況の見通しはいずれも好調。報酬増は歴史的高水準を維持しています。しかし、インフレ圧力は依然として弱い状況。
全体的に指数は歴史的高水準を維持し、完全雇用下での堅調な成長と整合的であり、引き続き今年の景気後退は予想されない状況となっています。
米国の中小企業にとって、4月時点ではトランプ米大統領が「ささいな口喧嘩」と表現する米中貿易摩擦の影響はなかったようです。
しかし、5月に入ってエスカレートした「ささいな口喧嘩」では、10日から中国製品2000億ドル相当への関税を25%へと引き上げ、さらに第4弾ではほぼ全ての中国製品への関税引き上げも今後予定されることになりました。
関税分を価格転嫁すれば消費に影響し、企業側で負担すれば企業利益を圧迫することになり、いずれにしても米国の中小企業にとっては5、6月以降、徐々に「ささいな口喧嘩」の影響を受けることにもなりそうです。
14日のNY金相場は-5.5ドル、0.42%安で4日ぶりの反落。時間外、前日急騰の勢いが残る東京時間朝には1304ドルまで上昇して失速。トランプ米大統領の「中国との協議は成功すると思う。それは3-4週間後に分かる」など「ささいな口喧嘩」のエスカレートを否定し、ボラティリティが高まった株式市場の沈静化を図る発言にリスク回避の流れも巻き戻し。欧米株の反発基調が強まった欧州・NY時間にかけてNY金は利食い売りにも押される形となって1300ドル割れ。上抜けたばかりの90日移動平均線(1299.4)も下回り、抵抗線にもなりかねない状態にも。ただし、下値も1290ドル半ばまでと限定的にとどまり、短期的には上値目標1310ドル台まで若干の伸びしろも残す状況か。
NYプラチナは+4.2ドル、0.49%の反発。時間外は米中貿易戦争激化懸念一服となった流れで株価の反発基調とともに水準を切り上げる展開に。NY朝には前日高値をわずかに上回る868ドルまで上昇も、抵抗水準となりつつある870ドルも意識されて頭打ち。NY金の失速にも連れるように860ドル割れへと押し戻された状態。850ドルから870ドルまでの保ち合いレンジ半ばに位置し、4月以降の軟調な流れが終息するか、再開するかの攻防状態にも。保ち合い状態を抜け出せば、900ドル方向への反発基調か、820ドル方向へと軟調推移再開にも。
ドル円は40銭ほどのドル高円安へと反発。東京時間朝に日経平均の大幅安スタートに連れて109円10銭台まで下げたのがこの日の安値となり、トランプ米大統領の米中協議楽観視ツイートをきっかけに株高円安基調へと反発。東京午後に109円70銭台まで上昇すると、欧州・NY時間にかけては何度上値をトライしても109円70銭台止まり。トランプ米大統領が6月下旬のG20首脳会議で習近平国家主席と会談する意向を表明し、ムニューシン米財務長官の訪中の可能性も伝えられるなどの好材料にも、ダウが200ドル超反発しても、ドル円の上値は109円70銭台まで。日足レベルでは108円台半ばまでの下値トライの可能性は後退し、109円ちょうどから109円20銭までの水準が比較的強めのサポートを形成し始めた様子も。上値は109円80銭から110円までがこれも強めのレジスタンスとなりつつある状態にも。円高方向のサポートを割れれば108円台前半までが次の目安に、円安方向に抜け出せば110円半ばまでの上昇余地も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/14終値とチャート
15日の国内金価格は-10円、0.2%安となって4日ぶりの反落。短期的な地合い好転に向けた流れは一服、ただし上抜けたばかりの9日移動平均線(4891)は下回らず、当面の上値抵抗水準となりやすい4930円、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(4932)との攻防に向けては浅めの調整。攻防ラインを突破することになれば、5000円の大台回復に向けた流れがスタートする可能性。下方向への巻き戻しで4860円の安値更新となれば4800円の大台割れへと向かう流れとなるリスクも。
プラチナ価格は-2円、0.06%の小幅安となって11日続落。11日続落は2015年11月以来、3年半ぶり。少なくとも過去10年では続落記録最長タイ。直近5日は連日下げ幅を縮小し、今年安値から高値までの半値戻し(3240)をわずかに下回り、下げ止まりの兆しも。過去、90日移動平均線を大きく上回る水準から下落してきた際に90日線を割れるとこれを大きく下回る水準へと下落するパターンを繰り返してきた経緯もあり、
ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(3195)にサポートされるかどうかは中期的にも重要な分岐点に。
※参考:
金プラチナ国内価格5/15とチャート
2019年05月15日(水)時点の相場
国内金:4,895 円 5/15(水)
▼10(
0.20%)
国内プラチナ:3,237 円 5/15(水)
▼2(
0.06%)
NY金:1,296.3 ドル 5/14(火)
▼5.5(
0.42%)
NYプラチナ:859.1 ドル 5/14(火)
▲4.2(
0.49%)
ドル円:109.64 円 5/14(火)
▲0.42(
0.38%)
5/14(火)のその他主要マーケット指標
NY連銀製造業景況指数は底入れの可能性も※インフレ指標を除く 05/16(木)世界のプラチナ需給-2019年第1四半期 05/14(火)国内金価格のセルインメイ 05/13(月)消費者物価は2%回復も衣料や航空運賃など一過性の低迷は継続 05/11(土)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン