シカゴ連銀全米活動指数も予防的利下げを後押し
更新日:2019年07月23日(火)
6月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.02。市場予想の0.08に反して予想外のマイナス圏。これで昨年12月から7カ月連続のマイナス圏。プラス圏なら米国の経済活動が過去平均以上の成長を示し、マイナス圏なら過去平均未満の成長を示すこの指標では、7カ月連続で過去平均を下回る低成長が続いていることになります。
構成4指数は、生産・所得が5月の0.08から0.00へと低下し、雇用・労働時間は-0.08から0.06へと上昇し、5カ月ぶり高水準。個人消費・住宅は3カ月連続-0.05での横ばい推移、売上・受注・在庫は5月の0.02から-0.03へと低下。雇用がやや改善した以外は全般的に低調な状態が続いているようです。
その結果、総合指数を6カ月移動平均で見ると、6月は-0.27。直近5カ月はマイナス圏が続き、7カ月連続の低下となって2016年5月(-0.32)以来、3年1カ月ぶりの低水準となっています。
過去、シカゴ連銀全米活動指数が6カ月移動平均で-0.5を下回った時、その前後で必ずリセッション入りとなってきました。
現状は-0.5まではまだ少し距離を残し、最後のリセッション以降では-0.3ポイント台では底打ちしてきました。今回も同水準まででは底打ちする可能性もありそうですが、今のところはまだ下げ止まってはいません。
そういう意味では、予防的利下げの根拠の一つにもなりそうです。
ブラック・アウト期間に入ってからもFRBへの牽制発言が止まらないトランプ大統領は「二度と失敗するな」と圧力をかけていますが、景気が失速してから大幅利下げを実施するのと比較すれば「今動けばコストは低く、生産的」と、最もな指摘も。
市場の思惑としても0.25%の利下げは完全に織り込む状態となっていますが、このシカゴ連銀全米活動指数もそれを正当化することにもなりそうです。
22日のNY金相場はわずかに+0.2ドル、0.01%の小反発。高値では1430ドルにワンタッチ、安値では1423ドルまで、時間外からNY引け後まで1420ドル台での小幅保ち合いに終始。月末にかけての金融政策会合ウィークを前に材料不足もあって市場全体が様子見ムードに。この日の変動値幅はわずか7.8ドルにとどまり、今年の平均13.6ドルの半分強。月末にかけては1400ドル台から1450ドル台までの広めのレンジが想定変動範囲となり、目先は1410ドルから1430ドル程度までがコアレンジにも。
NYプラチナは+0.6ドル、0.07%の小幅高で9日続伸。9日続伸は昨年1月以来、1年半ぶり。5月14日(859.1)以来、2カ月ぶり高値水準でのジリ高推移が継続。しかし、7月3日に843.6ドルまで上昇した時のRSIが70.5%に対して、10ドルほど水準を切り上げた
現在のRSIは57.9%と逆行状態を示し、直近の
短期上値目標850ドル到達後の息切れを示す状態にも。さらなる上値トライに向けては20日移動平均線(831.8)などを目処に一定の調整も必要か。
ドル円は20銭弱のドル高円安となって続伸。東京時間朝には日経平均の反発局面とともに買われて一時108円を回復。しかし108円台では戻り売り圧力が強く、上値を切り下げる展開に。ただし下値も107円80線前後までにとどまり、保ち合い値幅を縮小。米欧の金融政策の行方を推し量りながら、定まらない方向感を見極めるフェーズにも。目先、107円前半から108円前半まで、1円ほどの値幅を主要レンジに保ち合い状態を維持して月末月初にかけてブレイクの展開にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/22終値とチャート
23日の国内金価格は-4円、0.08%の小幅続落。下値警戒感は漂いながらも、静かな週明けに高値圏での下げ渋り。流れとしては調整局面優勢の状態にも5220円台から5320円台までの広めのレンジ中ほどでの小動き。7月FOMCでの0.25%利下げの見通しが大きく変わらない限りは価格変動も限定的にとどまる可能性もあり、目先しばらくは広めの高値保ち合いレンジを維持するような展開にも。
プラチナ価格は+2円、0.06%の小反発。上値目標3200円近辺を目指す流れは維持しながらも、材料不足もあって動意は低下。流れとしては堅調な状態が続き、きっかけさえあれば一段高の展開も予想されるところだが。
※参考:
金プラチナ国内価格7/23とチャート
2019年07月23日(火)時点の相場
国内金:5,277 円 7/23(火)
▼4(
0.08%)
国内プラチナ:3,150 円 7/23(火)
▲2(
0.06%)
NY金:1,426.9 ドル 7/22(月)
▲0.2(
0.01%)
NYプラチナ:852.7 ドル 7/22(月)
▲0.6(
0.07%)
ドル円:107.89 円 7/22(月)
▲0.18(
0.17%)
7/22(月)のその他主要マーケット指標
急低下のリッチモンド連銀製造業指数とリセッションとの関係 07/24(水)ダイアゴナル・トライアングルが示唆する金価格急騰の終焉 07/22(月)ミシガン大消費者信頼感指数も、予防的利下げ待ち? 07/20(土)フィリー指数急回復もウィリアムズ・ショックでドル安へ 07/19(金)
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