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PCEは9カ月、コアPCEは10カ月連続2%未達の低インフレ期
更新日:2019年08月31日(土)
PCEデフレーターとNY原油 2019年7月米商務省が発表した7月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年同月比+1.4%、食品とエネルギーを除く、コアPCEは前年比+1.6%。いずれも市場予想通りで6月分のPCEが1.4%から1.3%へと下方修正されたこと以外にはネガティブなイメージはなく、しかしポジティブでもない状態も続きます。

小数点2桁で見ると、PCEは昨年11月に前年比+1.91%と2%を割り込んで以降、9カ月連続で2%未達の状態が続き、直近3カ月は1.3%台で低迷中。コアPCEは昨年10月に前年比+1.86%で2%割れ、以降10カ月連続の2%未達。今年3月以降は1.4%台から1.5%台での低迷が続いています。
2015年からPCEインフレはNY原油とともに上昇トレンドが続き、2018年7月にPCEが前年比+2.45%、コアPCEが+2.11%のピークをつけました。PCEとの24カ月相関係数が0.7-0.8台での推移(強めの相関関係)が続くNY原油(月間平均価格)も2018年7月には70.58ドルでピーク水準付近に達し、同年10月の70.76ドルで上昇トレンドが終了。11月には56.69ドルへと急落し、同じタイミングでPCEもコアPCEも2%割れへと急落していきます。

PCEの内訳でも、インフレ上昇の原動力となってきたエネルギー関連商品とサービスの価格が前年比+6-10%の高水準から、2018年12月には前年割れへと急落。直近3カ月もマイナス圏推移となって7月は-2.1%。

7月のNY原油の月間平均は57.55ドルでしたが、8月には54.84ドルへとさらに低下することが確定しています。8月PCEも加速は予想し難く、もはや低インフレは一時的ではなく、低インフレ期を形成しています。この状態はもうしばらくは続きそうで、利下げ可能な状況も続くことになります。

NY金・月足チャート 2017/8 - 2019/830日のNY金相場は-7.5ドル、0.49%安で3日続落。3日続落となるのは4月18日以来、4カ月半ぶり。3連休前で比較的静かな週末となり、1530ドル台前半から1540ドル台前半までの10ドル程度の小幅レンジで保ち合い推移。米7月PCEインフレは予想どおりながらも低インフレが続き、8月のミシガン大消費者信頼感指数の確報値は速報から大幅下方修正されて89.8。2016年10月以来2年10カ月ぶり低水準となってトランプ政権以降で最低。また前月比では-8.6ポイントとなり、2012年12月(-9.8)以来6年8カ月ぶりの急低下。やや危機感を煽るような結果となったものの、1540ドル台までの小幅上昇と反応は限定的に。NY午後にかけてはトランプ大統領をして「ユーロがドルに対して狂ったように下落している」と言わしめたユーロ売りドル高の流れに連れる形で1530ドル割れ。1500ドルから1550ドル台までの広めのレンジ内で調整局面が進行中。目先は20日移動平均線(1520.3)がサポート候補も、前日安値でもある現状水準1529ドル付近を維持できなくなるとダブルトップ完成で1500ドル前後までの下落も見込まれる状況にも。
週間では-8.2ドル、0.53%安となって5週ぶりの反落。月間では+91.6ドル、6.37%高で4カ月続伸。過去3年間では6月(+102.3ドル、7.83%)に次いで2番めの大幅上昇。

NYプラチナ・月足チャート 2017/8 - 2019/8NYプラチナは+11.7ドル、1.27%高となって5日続伸。4日連続1%超の上昇で昨年4月24日(935.0)以来、1年4カ月ぶりの高値水準に。前日NY引け後に920ドルを割れたのがこの日の安値となって堅調な流れが継続、NY朝には一時940ドル台半ばまで上昇。4月高値920.4ドルを大きく上回り、長期的に重要な節目水準を突破。底値模索の時期となった2017年半ば以降の上値抵抗水準となってきた900ドル台前半を上回りつつあり、長期的なレンジが切り替わり始めた可能性。レンジシフトを確実にする為には9月以降、950ドル超へと水準を切り上げることができるかどうかが重要な分岐点にもなり、達成できれば意外と早期に1000ドルの大台回復も見えてくる可能性も。短期調整目安は5月末安値から8月高値までの23.6%戻しでも907.7ドル。
週間では+76.4ドル、8.93%の大幅続伸。少なくとも2012年以降では最大の上げ幅。月間では+52.8ドル、6.01%高で3カ月続伸、半年ぶりの大幅高。

ドル円・日足チャート 2019/7/29 - 8/30ドル円は20銭のドル安円高となって3日ぶりの反落。欧州時間には米10年債利回りの上昇一服から反落の流れに連れて106円50銭台の高値から軟調推移。米7月PCEインフレも伸び悩み、ミシガン大消費者信頼感指数の下振れなども下押し材料となって106円10銭近辺まで下落。しかし、ECBの緩和政策への思惑からのユーロ安ドル高の流れが強まるとドル円も106円40銭台まで反発。ドルインデックスが2年3カ月ぶり高値圏に到達しており、トランプ大統領のドル高批判ツイートなども目先のドル円の重石にもなりそうな状況にも。それでも短期的には円安方向に動き出した状態での小幅調整に留まり、月初の指標動向次第で上値目標107円台前半までの上昇も。ただし20日移動平均線(106.09)を割れると流れも変わり、保ち合い回帰となって振り出しに戻る形にも。
週間では+0.9円、0.85%の反発。月間では-2.42円、2.23%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/30終値とチャート

2019年08月31日(土)時点の相場
国内金:5,570 円 8/30(金) ▼27(0.48%)
国内プラチナ:3,344 円 8/30(金) ▲69(2.11%)
NY金:1,529.4 ドル 8/30(金) ▼7.5(0.49%)
NYプラチナ:931.7 ドル 8/30(金) ▲11.7(1.27%)
ドル円:106.31 円 8/30(金) ▼0.21(0.20%)
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