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明暗分かれたISM景況感指数、製造業下振れを非製造業でカバー
更新日:2019年09月06日(金)
ISM非製造業・製造業景況感指数 2019年8月ISM製造業景況感指数が3年ぶりに節目の50割れとなり、景気縮小を示す状態に落ち込んでいたことから、非製造業も追随する形となって万が一にも50を割れるようなことがあれば景気後退懸念が急速に高まることにもなりそうで、通常よりも警戒感も高まる状態で指標発表を迎えた感も。
1時間45分前に発表されたADP雇用リポートが予想以上に好結果となったことも、さらに予想を難しくした面もありましたが、蓋を開けて見れば市場予想を2.4ポイント程度上回る好結果。通常ならサプライズというほどでもなかったかもしれませんが、事前の緊張感からか、ポジティブ・サプライズとなって株高と金利急騰、円安ドル高で金の急落を誘発する結果となりました。

これまで製造業と非製造業の景況指数は同じ方向感での推移が続き、昨年末をピークに低下基調となっていましたが、8月には逆行する形となりました。全く逆方向となって乖離幅も拡大するのは2015年夏以来のこと。この時は世界同時株安で、製造業に逆行する形で反発した非製造業も徐々に失速する形となっていました。

ISM雇用指数とADP・NFP 2019年8月また、総合指数では逆行したISMのサブ指数で、雇用指数だけは製造業でも非製造業でも、両方とも低調な流れとなっています。
製造業の雇用指数は47.4となり、2016年9月(49.7)以来2年11カ月ぶり低水準で節目の50割れ。非製造業の雇用指数は53.1となり、50超は維持しましたが2017年4月(51.4)以来、2年4カ月ぶり低水準となっています。
また、ADP雇用者数の3カ月平均では8月には+14.8万人と反発しましたが、今年春までの+20万人超からは減少傾向が続き、雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の伸びも同様の推移となっています。

リセッション懸念がいったん後退し、9月FOMCでの0.5%利下げの織り込みが数%から0%となり、0%だった据え置きが4.2%へと上昇した状態が、今晩の雇用統計をきっかけに再び変化する可能性も否定はできません。

NY金・日足チャート 2019/8/1 - 9/55日のNY金相場は-34.9ドル、2.24%の大幅安となって3日ぶりの反落。米大統領選直後にトランプラリーがスタートした時期2016年11月11日(-42.1ドル、3.32%)以来、2年10カ月ぶりの急落となり、8月22日(1508.5)以来2週間ぶりの安値水準に。前日NY午後に1566.2ドルまで上昇した時点で上値目標1570ドル前後にほぼ到達したことにしていったん力尽きた格好。東京時間の10月米中協議再開報道に軟調推移の展開も1550ドル付近では下げ渋る状態でNY市場へ。ADP雇用者数の伸びが予想以上に堅調となって1550ドル割れ、さらにISM非製造業景況指数が上振れると一時1510ドル台半ばまで急落。引けにかけては1520ドル台へと反発も、これまでサポートラインとなってきた20日移動平均線(1528.4)に上値を押さえられる形にも。1520ドル台のサポート水準で下げ止まったようにも見えるものの1520ドル割れも試したことでもう一段の調整進行も予想され、1500ドルの大台ライン付近までが目先の下値目安にも。上方向には1560ドルが当面の抵抗水準。

NYプラチナ・日足チャート 2019/8/1 - 9/5NYプラチナは-20.5ドル、2.08%の大幅安となって8日ぶりの反落。想定どおりの展開となり、前日までの連騰、急騰の勢いのまま時間外に昨年2月27日(1005.0)以来、1年半ぶり高値となる1000ドルの大台にワンタッチ。達成感からの急反落でNY市場午前には米指標好結果を受けて急落の金に追随する形で一時950ドル割れ。この日の変動値幅は上下54.2ドルとなり、2014年12月1日(64.9ドル)以来、4年9カ月ぶりの乱高下。5月末安値789.6ドルからこの日の高値1000.8ドルまでの23.6%戻し(951.0)を既に達成して960ドル台へと反発した状態となり、目先は再度950ドル前後までが下値目安にも。雇用統計後にNY金が一段安の展開となった場合には38.2%戻し(920.1)も視野に。逆の展開で当面の抵抗水準となる980ドル半ばを上抜けると1000ドルの大台再トライへも。

ドル円・日足チャート 2019/8/2 - 9/5ドル円は60銭弱のドル高円安で続伸。東京時間の米中協議再開報道を好感しての堅調推移では106円70銭台まででいったん頭打ちとなり、戻り売り圧力に押される形で欧州時間朝にかけて106円30銭台まで下押し。NY時間にはADP雇用とISM非製造業景況指数の上振れを好感し、米長期金利の急反発と株高の流れとともに一時1カ月ぶり高値水準となる107円20銭台まで上昇。しかし、雇用統計の結果を見極めるまでは安心できないとの思惑もありそうで、戻り売り圧力も強く107円割れ。今朝の東京市場にかけても107円の攻防が続く状態に。短期的な流れとしては上方向に動きやすく、雇用統計がそこそこの結果であれば上値を伸ばす可能性もあり、当面の上値目標は108円台前半まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/5終値とチャート

6日の国内金価格は-73円、1.29%の大幅安で5日ぶりの反落。下げ幅としては今年最大、昨年安値となった8月16日(-124円、2.7%)以来1年ぶりの急落。9月5日の5665円が当面の最高値水準となる可能性を残して急騰局面一服の様相にも。目先は米雇用統計の結果次第でさらに一波乱の可能性も残されるものの、流れとしては調整局面継続がやや優勢な状況にも。5570円が軽めのサポートとなり、割り込めば5500円近辺までが次の下値目安に。予想外の展開で高値再更新の場合には5700円の大台トライへも。
週間ベースでは+22円、0.39%の続伸。

プラチナ価格は-86円、2.4%の大幅安で3日ぶりの反落。2.4%以上の急落は7月8日(-88円、2.83%)以来2カ月ぶりで今年4度目。中長期的には重要な意味を持つ可能性もある3500円ラインをわずかに割り込んだものの、2日前まで今年高値となっていた3498円と並んだ状態でもあり、ここでサポートされる可能性も。調整継続となれば6月につけた今年安値(2970)から今年高値(3584)までの23.6%戻し(3439)近辺が下値目安にも。これを下回るようだと3380円が次のサポート候補。高値再更新の暁には3630円近辺までが次の上値目標にも。
週間ベースでは+154円、4.61%の大幅高で3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格9/6とチャート

2019年09月06日(金)時点の相場
国内金:5,592 円 9/6(金) ▼73(1.29%)
国内プラチナ:3,498 円 9/6(金) ▼86(2.40%)
NY金:1,525.5 ドル 9/5(木) ▼34.9(2.24%)
NYプラチナ:963.7 ドル 9/5(木) ▼20.5(2.08%)
ドル円:106.93 円 9/5(木) ▲0.57(0.54%)
→9/5(木)のその他主要マーケット指標

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→米貿易赤字は縮小傾向、輸出は前年割れペース 09/05(木)
→想定外のISM製造業景況指数下振れ、3年ぶりに拡大基調終了へ 09/04(水)
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