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★金プラチナ短期相場観★

ドル高でも金高、行き過ぎはどっち?
更新日:2019年10月22日(火)
実質実効為替レートとNY金 2019年9月ドルインデックスは9月に2年4カ月ぶり高値水準となった後、現在は3カ月ぶり安値水準へとドル安が進行中。2018年以降、中期的にはドル高の流れが進行中ですが、短期的には調整局面を形成しています。
BIS(国際決済銀行)が公表している世界の主要61カ国を対象に算出する実質実効為替レート(主要貿易相手国との為替レートを貿易額に応じて加重平均、物価調整を含めて指数化)でも、米ドルは9月に月間平均で2年8カ月ぶり高水準となっていました。
その2年8カ月前の水準は2003年後半以降での最高値でもあり、この9月も過去16年間での最高水準付近まで、ドル高が進行していたことになります。

いっぽう、NY金も2018年以降は上昇傾向を強め、この夏の急騰で9月には6年5カ月ぶりの高値をつけ、その後は調整局面入りとなっています。
通常なら逆相関となりやすい米ドルと金価格はともにこの夏に上昇基調を強め、ともに数年ぶりの高値水準に到達したことで一服、という状況でもあります。

ドル高でも金高の流れとなってきたなか、どちらも過熱感が相当程度高まる状態にもなっていました。
10年移動平均との乖離率を見ると、米ドルは8月に+12.5%に達し、2年3カ月ぶりの高水準となっていました。9月には+12.4%とわずかな縮小にとどまっており、さらなる縮小傾向、つまりドル安傾向となりやすい状況、との予想もできそうです。

いっぽう、月間平均価格で見たNY金の10年移動平均乖離率は9月に+13.4%。ちょうど3年ぶりの高水準となっていました。9月には+13.3%とこちらもわずかな縮小にとどまっており、さらなる縮小傾向へ、つまりNY金の調整局面ももう一段進行してもおかしくはなさそうな状況、とも言えそうです。

20年移動平均乖離率で比較すると、米ドルは9月に+8.2%で2年8カ月ぶりの高水準。NY金は8月に+65.4%で2年11カ月ぶり高水準、9月には+64.7%の小幅縮小でこれも縮小余地ありの状況。
ドル安・金安の流れも、もう少し続いてもおかしくはなさそうな状況にあり、単純比較ではドル高よりも金高のほうが、若干行き過ぎていた可能性もありそうです。

なお、日本円の10年移動平均乖離率はこの8-9月には-5%前後となり、2017年末の-15%台からは大幅に縮小し、行き過ぎた円安はかなり解消されてはいますが、若干の円高余地も残されそうな状態です。
20年移動平均乖離率では、9月は-15.1%。過去の-20%超から比較すれば多少は縮小していますが、行き過ぎた円安の解消余地はまだまだ残されます。日米通商交渉などで米国側に不利な状況があった際には、格好の突っ込みどころにされそうな状態が続いています。

NY金・日足チャート 2019/9/17 - 10/2121日のNY金相場は-6ドル、0.4%の続落。週明けの時間外は1490ドル半ばを中心に揉み合い推移の小動き、NY朝にはジョンソン英首相がEU離脱協定案の再採決を目指すも、これが却下されたことで一時1499ドル付近まで買われる場面も。しかし、保ち合い上限となっている1500ドルへの抵抗感が増す状況からも格好の戻り売りポイントにもなった様子で小幅に急反落。米中貿易合意に向けた進展期待などもあり、株高とドル高優勢の流れとなり、米10年債利回りも1カ月ぶりの1.8%台へと上昇したNY午後には一時1480ドル半ばまで下落。1480ドルから1500ドルの保ち合いレンジを維持してブレグジットや米中貿易協議の行方などを警戒しながら月末のFOMC待ちへ。上方向へとブレイクできれば9月末高値圏再トライへ、1530ドル台までが上値目標に。下方ブレイクとなれば下落トレンド継続で1450ドル台が当面の下値目安。

NYプラチナ・日足チャート 2019/9/17 - 10/21NYプラチナは-3.7ドル、0.41%安となって4日ぶりの反落。時間外には890ドル半ばから後半へとジリ高推移となり、NY朝には金の小反発に追随する展開で4日ぶりに900ドル台へと一段高。しかし、その後の急反落にも追随、NY午前のうちに890ドル割れへと10ドル超の下落。880ドル半ばから910ドルまでの保ち合いレンジのなかで、低下基調が続く20日移動平均線(902.3)に上値を押さえられる形にも。これを突破して910ドル超へと反発することができれば9月の高値保ち合い水準、940ドル台までが上値目標。下方ブレイクとなれば下値トライ再開で8月半ばの水準840ドル台までが当面の下値目安に。

ドル円・日足チャート 2019/9/17 - 10/21ドル円は20銭弱のドル高円安となって4日ぶりの反発。週末の英EU離脱案採決先送りから不透明感が増してポンドが乱調、週明け東京朝のドル円もリスク回避の流れで一時108円30銭台まで下落。しかし、その後は株高の流れにも連れて買い戻されて午後には108円半ばを回復し、欧州序盤には108円60銭台まで上昇。しかしブレグジットを巡っての英政局不安もあってNY朝にかけては108円40銭台まで再反落。ただし、下押しも限定的となり、トランプ大統領の米中協議進展を楽観視する発言などから株高・金利上昇とともにドル高円安基調で108円60銭台を回復。ブレグジットなどで予想外の事態が発生しない限り、基本的には月末のFOMCまでは動きにくい状態が継続しそうな状況となり、下値はゆるやかに上昇する20日移動平均線(107.86)付近がサポート候補に。上方向には108円90銭台が強めの抵抗水準、上抜けできれば109円台後半までの一段高も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/21終値とチャート

2019年10月22日(火)時点の相場
国内金:5,659 円 10/21(月) ▼15(0.26%)
国内プラチナ:3,401 円 10/21(月) ▲13(0.38%)
NY金:1,488.1 ドル 10/21(月) ▼6.0(0.40%)
NYプラチナ:892.2 ドル 10/21(月) ▼3.7(0.41%)
ドル円:108.60 円 10/21(月) ▲0.17(0.16%)
→10/21(月)のその他主要マーケット指標

←リッチモンド連銀製造業指数は急反発も、賃金指数は急低下 10/23(水)
→オペレーション・イエローハンマー始動? 10/21(月)
→中国GDPは前年同期比+6%で過去最低、世界経済減速懸念続く 10/19(土)
→3カ月続落で低調となったフィリー指数に逆行する期待指数 10/18(金)

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