リッチモンド連銀製造業指数は急反発も、賃金指数は急低下
更新日:2019年10月23日(水)
10月のリッチモンド連銀製造業指数は市場予想の-7に対して+8と大幅上振れ。半年ぶりの高水準となり、9月の-9.0からは+17ポイントと、2016年3月(+26.0)以来3年7カ月ぶりの急騰。
予想外の好調ぶりを示す結果となりました。
新規受注が7カ月ぶりの高水準となり、受注残も11カ月ぶり高水準でプラス転換、設備稼働率も11カ月ぶり高水準。雇用者数は5カ月ぶり高水準、平均週間労働時間も8カ月ぶり高水準など、雇用も改善傾向に。
また、9月には10年7カ月ぶり低水準となっていた期待指数も15から24へと大幅回復。
強いて言えば夏場以降は乱高下状態となった為、6カ月移動平均では9月の-0.3ポイントから10月も-0.5ポイントと2カ月連続のマイナス圏。2カ月連続マイナスとなるのは約3年ぶり。過去の推移からは6カ月平均でマイナス圏が続くとリセッション入りへの警戒サインにもなってきた経緯もあり、トレンド的には要注意水準を抜け出し切れてはいない状態。
また、10月はNY連銀の4.0、フィラデルフィア連銀の5.6など、いずれもボトムアウトの感はあるものの反発しきれていない状況はリッチモンド連銀も同様。
9月には10年3カ月ぶり低水準となったいたISM製造業景況指数の10月も急反発は予想し難いものの、下げ渋る状態にはなりそうな状況にも。
なお、リッチモンド連銀の賃金指数が9月の24.0から10月は15.0へと急低下、2年4カ月ぶりの低水準となっています。
ダラス連銀の賃金指数が8月の27.3から9月には17.4へと急低下し、1年10カ月ぶり低水準となっていた状態にも追随する形にもなっています。
9月雇用統計で1年2カ月ぶりに前年比+3%割れへと急減速していた賃金上昇率は、10月も急回復は期待し難い状況のようです。
22日のNY金相場は-0.6ドル、0.04%の小幅安で3日続落。15日(1483.5)以来、1週間ぶりの安値水準。時間外からNY市場まで1480ドル半ばから1490ドル台前半までの小幅レンジでの揉み合いに終始。この日の変動値幅は8.1ドルにとどまり、3カ月ぶりの小動きで今年の年間平均16.4ドルの半分以下。英議会では離脱協定案が第2読会で可決されたことで承認に向けて前進、しかし関連法案を月末までに審議する動議が否決されたことで月末の合意離脱はほぼ消滅。合意なき離脱の可能性も大きく後退し、とりあえずはまたも延長へ、という状況で不透明感だけは払拭できず。月末FOMCでの追加利下げの織り込みは依然として90%超を維持しており、株価と金にとっての目先のサポート要因。1480ドルから1500ドルまでのレンジでの保ち合い推移も依然として継続見込み。
NYプラチナは+3.8ドル、0.43%の反発で前日下落分を帳消し。14日(899.4)以来、1週間ぶりの高値水準もこの日の変動値幅は上下わずか8.6ドル。5カ月ぶりで今年6番目の小動きとなり、今年の年間平均17.3ドルの半分以下。ただし、小幅に揉み合いながらも890ドル台前半から後半へとジリジリと水準を切り上げる動きにもなり、日足レベルでは依然として890ドル台での横ばい推移も続くものの、徐々に地合好転の兆しも。目先、低下基調が続く20日移動平均線(899.3)に上値を押さえられないことが910ドルの節目トライに向けての重要な攻防ポイントに。
ドル円は15銭ほどのドル安円高で小反落。変動値幅は2日連続30銭に満たず、今年の年間平均59銭の半分以下の小動き。前日に1.8%台に到達した米10年債利回りが一服感からの反落となった流れにも連れる形で円高優勢の展開、東京朝の108円70銭台から売り買い交錯の上下動でNY時間には108円40銭台へ。今朝の東京市場では株安の流れとともに一時108円20銭台へと売り優勢の展開に。10月初旬からの短期上昇トレンドは中旬に109円手前で頭打ち、調整の動きが続いてトレンド転換もチラつく状況にも。107円90銭台まで上昇してきた20日移動平均線が次のサポート候補となり、この付近までで下げ止まるかどうかがトレンド逆転への攻防ポイントに。上方向には108円60銭台に抵抗感が強まりつつあり、この水準との攻防が上昇トレンド再開へのポイントにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/22終値とチャート
23日の国内金価格は-9円、0.16%の小幅続落で10月16日(5646)以来、1週間ぶりの安値水準。今年ここまでの平均騰落値幅は絶対値23円。年間平均の4割弱の小動きとなって高値保ち合い推移を継続。月末に向けては引き続き下値警戒感を抱えながら5640円から5675円までの小幅保ち合い継続の様相で、FOMCの結果を確認するまでは多少のブレは一時的な行き過ぎとして巻き戻される展開にも。
プラチナ価格は-4円、0.12%の小幅安で4営業日ぶりの反落。今年の平均騰落値幅31円(絶対値)のおよそ8分の1の小動き。直近6日間は平均の半分すらも大きく下回る小動きが続く状態。ただし、プラチナの場合は値幅の格差が激しく、小動きが続く状態は大幅変動待ちの状態でも。目先は中期節目水準3400円を突破し切れずに反落へ、の警戒感も抱えながらも地合好転で3440円の上値目標に向けたトライ継続の可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格10/23とチャート
2019年10月23日(水)時点の相場
国内金:5,650 円 10/23(水)
▼9(
0.16%)
国内プラチナ:3,397 円 10/23(水)
▼4(
0.12%)
NY金:1,487.5 ドル 10/22(火)
▼0.6(
0.04%)
NYプラチナ:896.0 ドル 10/22(火)
▲3.8(
0.43%)
ドル円:108.44 円 10/22(火)
▼0.16(
0.15%)
10/22(火)のその他主要マーケット指標
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