金の1日の変動値幅は3年ぶり高水準、ドル円は7年ぶり小動き
更新日:2019年11月19日(火)
-1日当たりの変動値幅・年間平均と月間平均-
NY金の1日当たりの変動値幅は今年ここまで、年間平均で16.5ドル。2017年(13.1)、2018年(12.9)と近年最小水準までの小動きとなった後、2016年(19.0)以来3年ぶりの水準へと急拡大しています。
プラチナは今年17.5ドル。やはり近年最小レベルとなった2017年(15.7)、2018年(15.6)からは急拡大で2016年(22.3)以来3年ぶりの水準。
ところがドル円の1日当たりの変動値幅は今年の年間平均で58銭。2016年には平均で1日当たり1円21銭の変動値幅となっていましたが、3年連続の急縮小となり、2012年(56銭)以来7年ぶりの小動きとなっています。
2016年はブレグジットと米大統領選の影響により、ボラティリティは拡大していました。また、2013年はアベノミクスの円安、米QE縮小懸念から金の急落などもあり、全てのボラティリティは拡大していました。
なお、年間トータルでの変動値幅、高値と安値との差で見ると、金とプラチナはいずれも今年ここまでで2016年以来3年ぶりの高水準となっていますが、ドル円は今年7円55銭の小動きとなっており、2012年の10円76銭を大きく下回り、過去最小の値動きとなっています。
1日当たりの変動値幅を月間平均の推移で見ると、この2年間で金は急騰した今年8月に25.7ドルまで拡大し、プラチナも追随した9月に26.1ドルまで拡大しました。ドル円は昨年2月には95銭、今年8月にも91銭まで拡大、いずれも円高が進行した月でした。ドル円の11月は現時点で48銭ほどにとどまり、4月の40銭に次ぐ小動き状態となっています。年末に向けてドル円の値動きがさらに縮小するようだと、年間平均でも2012年を下回る可能性も否定できません。
しかし、月間平均の推移では拡大一服となりつつある金も、年間でも月間でも値動き縮小傾向となっているドル円も、来年にはブレグジットが実行され、米大統領選の年でもあり、再びボラティリティ拡大の年となるかもしれません。
18日のNY金相場は+3.4ドル、0.23%の反発。先週末の米中合意に向けた楽観見通しによるリスク選好の流れを週明けも受け継ぐ形となり、欧州時間には1470ドルにワンタッチして戻り売り、一時1450ドル台半ばまで下落。しかしNY朝には正反対の報道で流れは逆転、貿易協議に関して中国当局のムードは悲観的と伝えられたことで売られた分が買い戻されて一時1470ドル台半ばまで上昇。サポート水準として1450ドル台での底堅さを確認も、1480ドル手前では上値の重さも確認するような展開となり、目先の主要レンジの下限と上限をチェック。上方向にはさらに1490ドル台も抵抗水準として控え、ここまでを超えることができれば1520ドル前後までの上値トライへも。
NYプラチナは+0.5ドル、0.06%の小幅高で4営業日続伸。欧州時間には金の軟調局面に追随する形となって890ドル台半ばから880ドル台前半へと下落、NY朝からの反発局面では元の水準を超えて10日ぶりとなる900ドルの大台超え。しかしこれを維持することもできず、上昇軌道を維持する90日移動平均線(897.9)にも上値を押さえられる形にもなって890ドル半ばから後半に落ち着く格好に。10月前半の保ち合い水準に到達しており、比較的落ち着き安い水準で引き続き90日線と900ドルの大台との攻防へ。
ドル円は10銭弱のドル安円高で小反落。週明け東京市場では株高の流れに連れて108円60銭台から80銭台まで堅調に推移も伸び悩み、欧州時間には米10年債利回りの上昇とともに109円台へと上昇。しかし、NY朝には中国サイドの悲観的報道を受けてリスク選好の巻き戻しとなって108円70銭台まで急落。その後もジリ安の展開で108円50銭台まで水準を切り下げると今朝の東京市場でも108円台半ばでも揉み合いスタート。200日移動平均線(108.99)超えと109円台トライに失敗して長めの上ヒゲを残す形となり、一段安への警戒感も。108円台半ばでサポートされないようだと、それなりの下落局面形成へと向かいやすい状況にも、上昇基調の起点となった9月初旬の106円近辺までが下値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/18終値とチャート
19日の国内金価格は+4円、0.07%高で小幅に5日続伸。5日続伸は6月以来、5カ月ぶり。しかし5日合計で26円、0.47%の上昇は値幅でも過去10年間では最小。11月8日(5626)以来、11日ぶりの高値水準となりながらもその水準にはまだ遠く、急降下が続く9日移動平均線(5611)に上値を押さえられた形にも。短期的な流れとしては反発基調もいったん頭打ちとなりやすい状況も、NY金の反発基調がもう一段続くようならサポートされる展開にも。
プラチナ価格は+5円、0.15%の小幅高で4日続伸。11月11日(3408)以来1週間ぶり高値圏、節目の3400円台を維持しての一服状態に。9月初旬と10月上旬の時と同様に3400円前後の水準でいったん上値を押さえられるような動きにも。急降下する9日移動平均線(3401)と入れ替わる形で上抜け、反発基調継続に向けては水平状態の21日移動平均線(3448)超えが次の攻防ポイントにも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/19とチャート
2019年11月19日(火)時点の相場
国内金:5,610 円 11/19(火)
▲4(
0.07%)
国内プラチナ:3,407 円 11/19(火)
▲5(
0.15%)
NY金:1,471.9 ドル 11/18(月)
▲3.4(
0.23%)
NYプラチナ:895.0 ドル 11/18(月)
▲0.5(
0.06%)
ドル円:108.68 円 11/18(月)
▼0.07(
0.06%)
11/18(月)のその他主要マーケット指標
住宅建設許可件数は12年ぶり高水準、利下げで住宅市場は急回復 11/20(水)金価格は5600円、プラチナは3400円が重要な攻防ラインに 11/18(月)米国も10月鉱工業生産は低調、リーマン後最低タイの急低下 11/16(土)米PPIも3年ぶり低水準、インフレは2%から下放れへ 11/15(金)
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