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米PPIも3年ぶり低水準、インフレは2%から下放れへ
更新日:2019年11月15日(金)
生産者物価指数(PPI)2019年10月米労働省が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前年比+1.11%。市場予想の+0.9%は上回りましたが、2カ月連続の急低下で5カ月連続の2%割れ、2016年10月(1.09)以来3年ぶりの低水準。食品とエネルギーを除いたコア指数(コアPPI)は前年比+1.63%。これも市場予想の+1.5%を上回りましたが、2カ月連続の急低下で2017年3月(1.55)以来、2年7カ月ぶりの低い伸びにとどまりました。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+1.46%にとどまり、2カ月連続の低下で4カ月連続の2%割れ、2016年9月(1.27)以来3年1カ月ぶりの低水準となっています。

デフレ状態に陥った中国のPPIにも牽引されるように、米国のPPIもインフレ鈍化傾向が続いています。
米国では消費者物価指数(CPI)も半年間2%割れ水準での低迷が続き、コアCPIこそ3カ月連続2.3%台での推移も2カ月連続の低下で鈍化傾向に。
FRBの指針となる個人消費支出物価指数(PCE)は9月分で前年比+1.33%、2カ月連続の低下で7カ月ぶり低水準、2%割れは11カ月連続。コアPCEも1.67%で8月の1.77%からは鈍化し、2%割れは12カ月連続という状況です。

クラリダFRB副議長はこの日、「インフレは2%に近づいている」と発言しましたが、短期的には2%から下放れへと向かっているのが現状です。

NY金・日足チャート 2019/10/11 - 11/1414日のNY金相場は+10.1ドル、0.69%の続伸。中国の10月小売売上高は前年比7.2%で4月と並び約16年ぶり低水準、鉱工業生産は前年比+4.7%で17年半ぶり低水準となった8月の4.4%に次ぐ低水準。いずれも市場予想を大きく下回る低い伸びとなり、中国経済減速懸念があらためて意識されて時間外からリスク回避優勢ムード。また、ドイツの7-9月期GDPは前期比+0.1%と予想外のリセッション回避、一時的にはユーロ高ドル安に。NY時間には米中通商協議での早期合意の可能性低下などが伝えられて株安と金利低下、ドル安の流れが強まる場面も。NY金は時間外の1460ドル台から1470ドル台半ばまで上昇し、引け後にかけては1470ドル付近へと小反落。7日からの4日続落で39.4ドル下落し、この2日続伸の上げ幅は19.7ドルで半値戻しを達成、反発一服の様子も。目先はこのまま1450ドルのレンジ下限からの反発一服となるか、上限の目安となる20日移動平均線(1487.5)から1490ドル近辺に向けて反発基調継続となるか。今度は米国の小売売上高と鉱工業生産の結果に左右されることにも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/10/11 - 11/14NYプラチナは+8ドル、0.91%の続伸。7日からの4日続落合計で61.8ドル下落し、この2日続伸合計では12.9ドルにとどまり、戻し幅は20%。6日時点でこの半年間での最小レベルとなる560ドル程度まで縮小していた金との価格差は590ドル超へと再拡大。NY市場では870ドル台から880ドル台後半まで急反発も、10月前半の保ち合い下限付近の水準がちょうど上値抵抗水準となってしまったような状態にも。この水準から90日移動平均線(896.5)、900ドルの大台ライン近辺までが目先の抵抗水準となる可能性も。

ドル円・日足チャート 2019/10/11 - 11/14ドル円は40銭ほどのドル安円高となって5日続落。5日続落となるのは5月以来半年ぶり。なお、5日続落での合計下落幅は0.92円、0.84%。5日続落での下落率としては少なくとも2005年以降の15年間では最小。ちなみに最大はやはり2008年、リーマンショック後の10月後半に記録した5日続落で101円台後半から93円割れへと8.8円超、8.71%の暴落。
この日は中国経済指標の低調な結果などもあり、東京時間から株安の流れとともに軟調地合い、それでも前日安値圏108円60銭近辺では下げ渋る状態に。しかし、NY時間には米中合意に向けた協議の遅延報道を受けて108円20銭台まで急落。今朝の東京時間にはクドロー米国家経済会議(NEC)委員長の「中国との協議は合意に近づいている」発言を受けて108円台半ばへと買い戻し、とヘッドライン相場状態。108円の下限から109円半ばの上限までのレンジ内半ば、20日移動平均線(108.74)付近に収束してきた状態に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/14終値とチャート

15日の国内金価格はわずかに+1円、0.02%の小幅高で3日続伸。反発力が弱ければ9日移動平均線(5634)は急降下、強ければ9日移動平均線を下支えするせめぎあいのなかで現状は前者。いったんは下げ止まった形も反発の勢いはなく、このままでは急降下する9日移動平均線によって価格ラインが押し下げられるような展開への警戒感も。今晩の複数の米経済指標の結果次第では比較的大きな動きにも。下方向には5580円台を割れると5530円台辺りまでが下値目安に、上方向には9日移動平均線が抵抗線候補となり、超えると21日移動平均線(5661)近辺が上値目標にも。
週間ベースでは-29円、0.52%の続落。週間で続落となるのは5月第1週以来、半年ぶり。

プラチナ価格は+13円、0.39%の続伸。下げ渋り状態からいったんは下げ止まり、という状態に。反発方向へは10月半ばの保ち合い水準3390円前後が目先の抵抗水準となる可能性も。下方向に3330円台の直近安値を下回るようだと10月初旬の安値圏3290円前後までが下値目安に。
週間ベースでは-119円、3.43%安となって3週続落。5月20日からの週(-125円、3.97%)以来、半年ぶりの大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格11/15とチャート

2019年11月15日(金)時点の相場
国内金:5,597 円 11/15(金) ▲1(0.02%)
国内プラチナ:3,355 円 11/15(金) ▲13(0.39%)
NY金:1,473.4 ドル 11/14(木) ▲10.1(0.69%)
NYプラチナ:882.8 ドル 11/14(木) ▲8.0(0.91%)
ドル円:108.40 円 11/14(木) ▼0.39(0.36%)
→11/14(木)のその他主要マーケット指標

←米国も10月鉱工業生産は低調、リーマン後最低タイの急低下 11/16(土)
→上昇リスクより大きい「低インフレリスク」継続中、CPI伸び悩み 11/14(木)
→ZEW期待指数>現況指数=ドイツ景気底打ちへ 11/13(水)
→中国PPIのデフレが牽引する世界の低インフレ 11/12(火)

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