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PCE、どこを切っても低インフレ。
更新日:2019年12月21日(土)
PCE、トリム平均PCE、PCE中央値 2019年11月FRBの金融政策の指針となる個人消費支出物価指数(PCE)の11月分が商務省から発表され、11月分はPCEインフレが前年比+1.5%、食品とエネルギー関連を除くコアPCEが前年比+1.6%。いずれも先日の12月FOMCで示された年末見通し中央値に一致。2020年末にはPCEもコアPCEも前年比+1.9%へ、2021年末にはいずれも長期平均見通しであり、シンメトリックな目標水準+2.0%に到達予想となっています。

小数点以下2桁で見ると、PCEは+1.47%となって2ヵ月続伸、4月(1.52)以来7カ月ぶりの高水準となっています。
原油価格が月間平均でも11月は4ヵ月ぶり高値へと上昇していることによって押し上げられたようです。セクタ別でもエネルギー関連サービス価格は3ヵ月連続の-4%台から11月は-0.7%へ急上昇、7ヵ月連続の前年割れながらも半年ぶりの高水準となっています。
なお、サービス価格と商品価格で大別すると、サービス価格は前年比+2.2%で前月からは0.1%低下で半年ぶりの低水準、2017年末以降での最低水準となっています。
商品価格は前年比-0.2%で前月の-0.6%からは急上昇、1年ぶりの高水準。ただし前年割れは12ヵ月連続。
PCEの2%未達は作年11月以降、13ヵ月連続となっています。

コアPCEは前年比+1.61%となって10月の+1.66%からは小幅に低下。6月(1.61)以来、5カ月ぶりの低水準。8月の+1.76%が直近のピークとなって伸び悩みの状態が続きます。
コアPCEの2%未達は昨年10月以降、14ヵ月連続。

この日発表された12月の米ミシガン大消費者信頼感指数の確報値では、1年インフレ期待が11月の2.5%から2.3%へ、3年ぶり低水準へと急低下。5年インフレ期待に至っては2.5%から2.2%へ、過去最低へと急低下しています。消費者の肌感覚としても、低インフレが当面続きそうと感じていることが示されました。
パウエルFRB議長が低インフレを警戒し「利上げへのハードルの高さ」などを指摘していたことなども影響した可能性もありそうです。

ダラス連銀が独自に算出、発表しているトリム平均PCEでは、11月は前年比+2.00%。PCEの構成品目・サービス価格の上位と下位20-30%程度を除いて算出するこの指数では、昨年来概ね前年比+2%前後での横ばい推移が続いていますが、小数点以下2桁で見ると4カ月ぶりの低水準となっています。昨年7月の+2.13%がピーク(PCEもコアPCEも同月がピーク)となり、伸び悩み状態が続いています。

また、クリーブランド連銀が独自に算出、発表しているPCE中央値は、価格変動分布の中央、50%台の品目をピックアップしてインフレ率を算出しています。
文字通り中央値で見るPCEインフレ率は、2017年8月の前年比+2.01%で底打ちし、今年8月の+2.77%まで順調に加速基調が続きました。しかし、その後は失速、11月は+2.64%まで低下、半年ぶり低水準となっています。

PCEは、どこを切っても伸び悩み、低インフレの状態となっています。

NY金・日足チャート 2019/11/15 - 12/2020日のNY金相場は-3.5ドル、0.24%の反落。11日に続伸となったのを最後に、ここまでの7営業日は続伸も続落もなく、反落と反発を繰り返す展開。直近5日間は変動値幅1桁台が続く小幅揉み合い状態となり、この日の値幅5.3ドルは今年の平均16.1ドルの3分の1にも満たず、7カ月ぶりで今年3番めの小動き。NY市場では米7-9月期GDP個人消費の確定値が2.9%から3.2%へと上方改定され、PCEインフレも若干上昇、12月ミシガン大消費者信頼感指数も上方改定されるなどまずまずの好結果となったことに加え、トランプ米大統領が「習近平中国国家主席ととても良い話し合いをした」と電話会談したこと、「正式署名の準備が進んでいる」ことなどをアピール。株高とドル高進行に伴う軟調推移も、1480ドル半ばから1480ドル付近へと限定的に。引き続き1460ドルから1480ドル台までの保ち合いレンジ上限付近に位置し、これを突破できれば上値目標は10月上旬高値圏1520ドル台。
週間ベースでは-0.3ドル、0.02%の小反落。週間でも10月末の3週続伸を最後に、続伸も続落もない揉み合い状態が7週継続。週間変動幅は11.5ドルとなり、年間平均34.5ドルの3分の1。2012年以降の8年間で最小値幅。年末年始にかけてボラティリティ拡大警戒フェーズにも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/11/15 - 12/20NYプラチナは-21.7ドル、2.32%の大幅続落。11月22日(-24.9ドル、2.71%)以来1カ月ぶりの急落となり、今年8番目の下げ幅。水準としては12月9日(898.5)以来、2週間ぶりの安値水準に。高値ピークアウト後には戻り売り圧力が強まって急落しやすいプラチナは、7日ぶりに金との方向感一致となった日に急落。NY午前に金の下落に追随すると、930ドルを割れたところで加速、サポート水準にもなっていた920ドル台半ばを下回ると一段安の展開となって910ドル付近まで下落。12月中旬の急騰分を全て吐き出してその前の保ち合い上限に到達、20日移動平均線(914.7)など複数のテクニカルなサポートラインも重なり、比較的落ち着きやすい水準にも。ただし、短期下値目安900ドル付近まで、若干の下げ余地も残す状況。
週間ベースでは-15ドル、1.61%の反落。続伸も続落もない揉み合い状態は金と同様に7週継続。

ドル円・日足チャート 2019/11/18 - 12/20ドル円は10銭弱のドル高円安となって小幅反発。上下動を繰り返す状態は8日連続となり、直近6日間は109円20銭から70銭までの小幅レンジでの揉み合い推移。複数の米経済指標が低調となって水準を切り下げた前日の流れから、この日は逆に比較的良好な指標結果にも支えられての反発基調。前日安値を下回ることなく109円20銭台では底堅さも、109円40銭までの小幅揉み合い状態を経てNY時間にはトランプツイートにもサポートされて109円50銭台まで上昇。年末年始にかけて109円台半ばでの膠着状態から抜け出すことになれば、上方向には110円台前半までが第1段階の目標となり、さらに勢いが増す展開となれば今年高値112円台前半が次の目標水準にも。下方向には108円台後半までが控えめな下値目標となり、108円40銭の節目も割り込むようだと下落トレンドの勢いが増す可能性、8月安値圏105円半ばを目指すような流れにも。
週間ベースでは+11銭、0.1%の小幅続伸。週間変動値幅は50銭となり、10月21日の週(54銭)以来、2カ月ぶりで今年3番目の小動き。年間平均1.27円の4割弱。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/20終値とチャート

2019年12月21日(土)時点の相場
国内金:5,670 円 12/20(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,566 円 12/20(金) ▼7(0.20%)
NY金:1,480.9 ドル 12/20(金) ▼3.5(0.24%)
NYプラチナ:913.8 ドル 12/20(金) ▼21.7(2.32%)
ドル円:109.44 円 12/20(金) ▲0.08(0.07%)
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