12月小売売上高は前年比+5.8%、伸び率は1年4カ月ぶり高水準
更新日:2020年01月17日(金)
米商務省が発表した12月の小売売上高は前月比+0.3%。市場予想どおりながら、11月も+0.3%へと上方修正されたことで3ヵ月連続の+0.3%。自動車を除く小売売上高は前月比+0.7%となり、市場予想の+0.5%を上回って7月(0.9)以来5カ月ぶりの高水準。
ガソリンスタンドの前月比+2.8%、衣料品の+1.6%などが年末の消費を牽引しました。
前年同月比では、12月の小売売上高は+5.82%となって2018年8月(+6.08%)以来、1年4カ月ぶりの高水準。自動車を除く売上高も+6.28%となって2018年8月(+6.69%)以来1年4カ月ぶり高水準。
1993年以降の長期平均、4.35%も超えて来ました。(※自動車を除く売上高の長期平均は4.37%)
昨年末が低調となったことによる反動、という面もあるものの3ヵ月平均でも+4.10%となり、2018年11月(+4.26%)以来1年1ヵ月ぶり高水準。
2019年の1-3月には3ヵ月平均で2.7%台から2.0%台まで低下し、リセッション入り警戒水準ともされた3%を割リ込みましたが、その後は回復傾向となって9ヵ月連続の3%超、年末にかけては一段と加速した形となっています。
同時間に発表された1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は17.0と予想を大きく上回って8カ月ぶりの高水準、今後の見通しを示す期待指数は4ヵ月連続上昇し、1年8ヵ月ぶり高水準。
さらに、下げ渋っていた週間新規失業保険申請件数の4週移動平均も10週ぶりの低水準へと、再び低下の兆しも見られます。
消費も予想以上に強く、製造業景況感もそれほど弱くない可能性も示し、労働市場もさらに一段と引き締まって行く可能性も示され、年初時点で米国経済は今年も好調持続の可能性を示しているようです。
16日のNY金相場は-3.5ドル、0.23%の反落。米株主要3指数はまたも揃って過去最高値を更新、グーグルの親会社アルファベットはアップル、マイクロソフトに続いての時価総額1兆ドル超え。この日発表された米経済指標では12月小売売上高と1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、失業保険申請件数も予想よりも強い結果となり、リスクオンの流れと米10年債利回りの1.8%台回復、ドル高の流れをサポート。時間外では1550ドル半ばで揉み合い推移となっていた金はNY午前に一時1550ドル割れ、引けにかけてはなんとか1550ドルに戻した状態。8日の急騰後は小幅に上下動を繰り返す形で上値を切り下げる展開となり、ゆっくりと調整局面が進行中。目先、下方向への節目1540ドルを割れると1520ドル近辺までが下値目安に、上方向への節目1560ドルを超えることができれば調整を終えて上値トライ再開へ、1590ドル近辺が上値目標に。
NYプラチナは3日ぶりの反落で-24.4ドル、2.38%の大幅安。7日に2000ドルを超えたパラジウムはこの日2200ドル超え、欧州時間での急騰にプラチナも追随、前日高値1030ドルを超えると一段高の展開となってNY朝につけた高値は1046.7ドル。2018年最高値を突き抜けて2017年最高値、2月27日の1047.8ドル以来、2年11ヵ月ぶりの高値水準に。しかし、プラチナの急騰後の急反落は不可避、NY市場でつけた安値は998.4ドル。4時間程度で48.3ドルの急落となったものの、1000ドルの大台割れは短時間にとどめて下げ渋り、NY引け後には1010ドルを回復。11月安値からこの日の高値までの23.6%戻し(1004.5)付近でいったん落ち着いた状態となり、1000ドルの大台ラインが新たな下値サポートとなる可能性を残して高値保ち合い形成にも。1030ドルが当面の上値抵抗となり、突破できればこの日の高値近辺までが上値目標。下方向には38.2%戻し(978.4)辺りまでが次のサポート候補。
ドル円は30銭のドル高円安で反発。110円台へと水準を切り上げて昨年5月22日(110.32)以来、8カ月ぶりの高値水準。欧州時間から110円台を試す動きにはなっていたものの、水準を上げ切れず、110円をはさんでの揉み合い推移。NY時間には米指標の好結果がトリガとなって110円超え、株高と長期金利上昇にも連れる形で110円10銭台へと上昇。しかし、先週末高値110円20銭が抵抗水準にもなっていったん頭打ち。今朝の東京時間にはこれを突破して一時110円30銭付近まで上昇する場面もあり、緩やかながらもドル高円安方向への流れが進行し始めた様子も。昨年高値から安値までの61.8%戻し(109.53)を超えてからの上値トライの流れが再開、短期的な上値目標は76.4%戻し(110.63)近辺まで。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/16終値とチャート
17日の国内金価格は-8円、0.13%安で3日ぶりの反落。それでも今年3番目の高値。NY金は調整局面入りの兆しも下げ渋り、弱めながら円安基調にもサポートされて歴史的高値圏での保ち合い状態が継続。5940円台から6060円台までの広めのレンジから、6000円ラインを上限に下半分へと下方縮小する可能性も。5969円まで上昇してきた9日移動平均線が目先のサポート候補にも。
週間ベースでは+32円、0.54%高で7週続伸。7週続伸は昨年5月末から7月にかけての8週続伸以来、半年ぶり。
プラチナ価格は-62円、1.58%の大幅安となって5日ぶりの反落。予想通りの急反落も比較的控えめに。昨年高値圏となった3600円ラインを年越しと共に上抜けて、過去の推移から次の主要レンジ候補となる3600円から3800円のレンジ上限も突き抜けた状態を維持。NYプラチナの1000ドル維持の可否が今後の国内プラチナ価格の行方を大きく左右することにはなるものの、目先3800円程度までの調整は十分想定され、昨年安値から今年高値までの23.6%戻し(3697)近辺、3700円辺りまでが次のサポート候補にも。
週間ベースでは+176円、4.78%の大幅高で3週続伸。上昇率では12月9日からの週(+175円、5.13%)以来1カ月ぶり、上昇幅としては昨年8月26日からの週(+190円、6.02%)以来5ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ国内価格1/17とチャート
2020年01月17日(金)時点の相場
国内金:5,987 円 1/17(金)
▼8(
0.13%)
国内プラチナ:3,859 円 1/17(金)
▼62(
1.58%)
NY金:1,550.5 ドル 1/16(木)
▼3.5(
0.23%)
NYプラチナ:1,001.2 ドル 1/16(木)
▼24.4(
2.38%)
ドル円:110.18 円 1/16(木)
▲0.30(
0.27%)
1/16(木)のその他主要マーケット指標
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