求人件数は6ヵ月連続前年割れでほぼ10年ぶりの急減
更新日:2020年01月18日(土)
米労働省が発表した11月の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は680.0万件。市場予想の725万件を大幅に下回り、10月の736.1万件(726.7万件から上方修正)からも急減、2018年2月(653.0)以来、1年9カ月ぶりの低水準へと落ち込みました。
求人件数は2018年に史上初めて700万件を突破して急増、過去最大を何度も更新して2018年11月の762.6万件が最後の過去最大更新。
これがピークとなって以降、減少傾向が続きます。それでもなんとか700万件以上をキープし続けましたが、ちょうど1年経過して力尽きたかのように700万件割れ。
前月比では-7.62%となり、2015年8月(-10.25%)以来、4年3カ月ぶりの大幅減となっています。
さらに前年比では-10.83%となり、2009年12月(-18.7%)以来、9年11ヵ月ぶりの低水準、ほぼ10年ぶりの急減となっています。
また、前年割れ6ヵ月連続はリーマンショック後では最長。
雇用統計では、12月の雇用者数は前月比+14.5万人となり、3ヵ月平均では+18.4万人と高水準を維持していますが、年間平均では+17.6万人となって2011年(17.3)以来、8年ぶり低水準。伸び悩みの兆しにもなっています。
求人件数がピークアウトしている現状、今後の雇用者数の伸びにも影響が出始める可能性も高まります。
また、月間の失業者数は2018年に求人件数を下回り、求人件数が失業者数を上回る状態が2年近く続き、その差100万件以上の状態は8ヵ月続いて10月には150.4万件。過去3番目の高水準まで拡大していましたが、11月には98.9万件となって9カ月ぶりの100万件割れ。
失業者数自体が現状、過去最低レベルでの推移となっている為、縮小スピードはなかなか加速はしていませんが、失業者数が底打ちすると、その差は急縮小へと向かうことになります。
今年、求人件数のピークアウト動向とともに雇用者数の伸びの鈍化動向、失業者数の底打ちの有無には要警戒です。
17日のNY金相場は+9.8ドル、0.63%の反発。一時的に1550ドルを割れた時間外からゆるやかに反発優勢の展開に。NY朝には1560ドルを回復、米12月住宅着工件数が13年ぶり高水準へと大幅に上振れ、株高と長期金利上昇、ドル高の流れが強まったことで売られた場面でも1550ドル半ばで切り返し、引けにかけては再度1560ドル台へと反発。住宅指標では着工件数の先行指標となる許可件数が低調となり、12月鉱工業生産や1月のミシガン大消費者信頼感指数なども予想を少し下回る結果となったことなども影響した様子。それでも米株主要3指数は揃って小幅に上昇、連日の過去最高値更新。米中第1段階合意署名後も安心感と次の展開への先行き不透明感とが交錯する状況を象徴するように、金も下げ渋り。しかし、1540ドルから1560ドルまでの小幅保ち合いレンジ上限ではしっかり上値を押さえられた状態。昨年9月高値から今年1月高値でピーク水準を切り上げたのに対し、一部オシレータ系指標はピーク水準を切り下げる逆行状態となっていたことが現状の調整局面につながっている様子も。目先、1560ドルを上抜けると1590ドル近辺までが上値目標にも、1540ドルのサポート割れなら1520ドル台までが下値目安に。
週間ベースではわずかに+0.2ドル、0.01%の小幅高となって4週続伸。4週続伸は昨年8月以来、5ヵ月ぶり。
NYプラチナは+23.6ドル、2.36%の大幅反発。前日の大幅下落分を取り戻し、高値保ち合いを形成。前日NY市場でつけた安値998.4ドルが直近の底値となって週末にかけて反発基調が継続。パラジウムが2200ドルを超えてさらに2200ドル台後半へと一段高となった強気基調に追随するように、NY朝までに1030ドルを回復。しかし15日の高値圏では上値も重く、1020ドル台後半を中心に売り買い交錯状態に。1000ドルの大台ラインが目先のサポートラインとなり、上方向には1025ドルから1030ドルまでがやや重めの抵抗水準に。上抜けできれば今年最高値1046.7ドル再トライが目標に。昨年9月高値から現状の高値圏へと価格水準の大幅上昇に対して複数のオシレータ系指標はピーク水準が低下するダイバージェンスを示し、反落警戒感も強まる状態。1000ドルの大台割れなら970ドル台までが短期下値目安に。
週間ベースでは+38.8ドル、3.94%の反発。
ドル円は110円10銭台を維持も、わずか数銭のドル安円高となって反落。東京朝の時間帯に110円30銭手前まで上昇したのがこの日の高値となり、NY時間につけた安値110円00銭台まで、25銭程度の小幅保ち合いに終始。住宅着工件数など強弱の米指標結果に対する反応も限定的に。3日連続30銭に満たない小動きとなり、年初に比較的動いた変動値幅の今年の平均も昨年の55銭を下回る53銭まで縮小。この日は対ユーロやポンドなどの売りに牽引されてドル全面高となったものの、それをわずかに上回る円高によって相殺、ドルと円の売り買いが同じ方向となりやすい最近の傾向から、再びボラティリティ低下状態に。
日米10年債利回りが保ち合い傾向にあること、金利差とドル円の相関性も失われた状態となっていることも影響。それでもドル円単体での流れは上方向優勢、昨年高安の76.4%戻しとなる110円60銭台辺りの上値目標も継続。
週間ベースでは+67銭、0.61%高となって2週続伸。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/17終値とチャート
2020年01月18日(土)時点の相場
国内金:5,987 円 1/17(金)
▼8(
0.13%)
国内プラチナ:3,859 円 1/17(金)
▼62(
1.58%)
NY金:1,560.3 ドル 1/17(金)
▲9.8(
0.63%)
NYプラチナ:1,024.8 ドル 1/17(金)
▲23.6(
2.36%)
ドル円:110.14 円 1/17(金)
▼0.04(
0.04%)
1/17(金)のその他主要マーケット指標
金価格6000円台、プラチナ3900円台でのダイバージェンス 01/20(月)12月小売売上高は前年比+5.8%、伸び率は1年4カ月ぶり高水準 01/17(金)1年以内の失業を意識する人の割合は15%、15ヵ月ぶり高水準 01/16(木)原油高で12月CPIは14ヵ月ぶり高水準、コアCPIは伸び悩み 01/15(水)
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