KOMTRAX月次データ・前年比3ヵ月平均が示す景気減速警戒感
更新日:2020年01月23日(木)
コマツ社が公表している建設機械稼働管理システム「KOMTRAX」の地域別建設機械稼働時間データは、2019年に世界経済が減速傾向にあることを示しています。
KOMTRAX月次データの前年同月比を3カ月平均で見ると、北米を除く世界の主要3地域、日欧中いずれも2019年は年間を通じて前年割れ。
欧州と中国は2018年11月から2019年12月まで、14ヵ月連続の前年割れ。
日本は2018年5月以降、20ヵ月連続の前年割れ。
北米も2018年9月以降の16ヵ月のうち、前年比プラスとなったのは4ヵ月のみ、2019年後半は+0.3%となった9月を除いて前年割れ。
製造業に限れば、世界の主要4地域ではいずれも2017年以降ゆるやかな減速傾向にあり、2019年末まで続いていることが示されています。
このなかでは米国の減速傾向が比較的ゆるやかであることも確認でき、しかしISM製造業景況指数が12月まで5ヵ月連続で節目50割れと減速傾向が続く状況と一致しています。
トランプ米大統領は環境問題を主要テーマとした今年のダボス会議で、米国景気の好調ぶりとそれを達成した自信の政策を自画自賛しました。
実際に消費は好調で労働市場も完全雇用が続き、住宅市場は再びバブルへ向かおうかという勢いも。
ただし、賃金とインフレの上昇圧力は弱いままという謎とともに、製造業の景気減速傾向は続きます。
2020年にKOMTRAXの稼働時間が底打ちするのかどうか、注目されます。
22日のNY金相場は-1.2ドル、0.08%の小幅続落。前日NY引け後に1560ドル寸前まで上昇したのがこの日の高値となり、軟調推移となった時間外に1550ドルまで売られたのが安値。上下10ドル弱の小動きとなり、NY市場にかけては反発の動きとなって保ち合い上限1560ドルを何度も試すも、わずかに手前で上値を押さえられ続ける展開に。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念も続く一方で、発生地・武漢市と外部の交通制限など感染拡大抑止策の徹底ぶりへの安心感も交錯。また、明日から始まる中国の春節休暇で本来なら高まる金需要へのマイナス影響を警戒する向きもあり、要は様子見状態。1600ドル台の高値をつけた後の調整局面は続いており、しかし一方的に調整幅を拡大する流れでもなく、足下では1540ドルから1560ドルまでを主要レンジとする保ち合い状態が継続。今朝の時間外では散々上値を押さえられ続けた1560ドル超えを試す動きも見られ、このまま1560ドル超を維持し続けるようなら調整局面を終えて上値再トライへと向かう可能性も。その場合の上値目標は6日につけた今年2番めの高値1590ドル近辺まで。
NYプラチナは+13.8ドル、1.37%の大幅反発となって今年高値圏での鯨幕相場が継続。パラジウムが2300ドル台へ、プラチナの過去最高値も上抜けてと一段高となったことにも感化された格好でNY朝から水準を切り上げる展開で1020ドルまで急騰。方向感なく日々上下動を繰り返す展開となっていることで過熱感はなく、このまま保ち合い上限1030ドルを超えて一段高へと向かう展開も想定可能は可能、この場合には上値目標1050ドル台へ。ただし、RSIなど複数のオシレータ系指標のピーク水準は9月高値を下回る逆行状態にあり、急反落警戒感も続く状態。保ち合い下限となる1000ドルの大台を割り込めば11月安値からの上げ幅の38.2%戻し(978.4)付近、970ドル台が下値目安。
ドル円は前日からほぼ変わらず109円80銭台での横ばい推移。前日の下げからの反動高となった東京時間午前に110円10銭近辺まで上昇したのが高値となり、その後はゆるやかな軟調推移で元の水準へと回帰。米12月中古住宅販売件数は市場予想を上回る554万件で1年10ヵ月ぶりの高水準となったことは好感され、一時的には反発も限定的。今朝の東京時間には株式市場のオープン前から円高急進。109円80銭台から一時60銭付近まで急落、日経平均の大幅安スタート後には一服状態に。短期的な流れは保ち合いから売り優勢方向へ傾斜しつつある様子も、目先109円台半ばは過去の推移から比較的強めのサポートとなる可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/22終値とチャート
23日の国内金価格は+14円、0.23%の反発で6000円の大台再浮上、4度めの6000円台で今年4番めの高値。8日の6061円から14日の5946円まで急反落後は上値を切り下げ、下値も切り上げて保ち合いレンジを急縮小、三角保ち合いを形成して再び大変動への準備動作の様相にも。短期的な流れとサイクル的にはあっぷあっぷ状態にあり、急反落もやむなしの様相にも。ただし、これまでも同じような状況から急騰を繰り返してきた経緯も。上方向への節目6020円超へと抜け出すようなら6100円の大台トライへ、5980円台に切り上げた下値サポートを割れた場合には5900円の大台割れを試しに行くような展開にも。
プラチナ価格は+60円、1.57%の大幅反発。NYプラチナの鯨幕にサポートされてもう一段の下げ余地もあった状態から切り返し、スタートした調整局面も巻き戻し、高値保ち合い延長戦へ。RSIのダイバージェンスが反落を示唆する状態ながら、プラチナの場合は特に逆行状態が示唆する方向に対してしばしば逆行する傾向もあり、広めの高値保ち合いレンジを抜け出した方向へトレンド形成へ。今年高値更新なら4000円の大台トライへ、3820円台のサポートを下回るようだと3800円も大きく割れて3700円台前半へと水準を切り下げるような展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格1/23とチャート
2020年01月23日(木)時点の相場
国内金:6,001 円 1/23(木)
▲14(
0.23%)
国内プラチナ:3,887 円 1/23(木)
▲60(
1.57%)
NY金:1,556.7 ドル 1/22(水)
▼1.2(
0.08%)
NYプラチナ:1,021.3 ドル 1/22(水)
▲13.8(
1.37%)
ドル円:109.85 円 1/22(水)
▼0.01(
0.01%)
1/22(水)のその他主要マーケット指標
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