新規失業保険申請件数は第1波収束へ、継続受給は第1波拡大途上
更新日:2020年05月08日(金)
5月2日までの週の米・新規失業保険申請件数は316.9万件となり、3月14日までの週(28.2万件)以来、7週ぶりの低水準となりました。米国内各地で制限措置が発動して以降、新規失業保険申請件数が急増した3月21日までの週以降の7週間では最低水準まで減少してきました。
依然として、それ以前の10倍以上の水準にはなっていますが、ピークとなった3月28日までの週の686.7万件の半分となり、5週連続の減少。
新規失業保険申請件数急増の第1波は、収束方向へと向い始めてはいるようです。
これに対して失業保険継続受給者数は、4月25日までの週で2264.7万件。制限措置発動後の3月21日までの週以降、6週連続で急増中。制限措置前の12.7倍まで増加してきました。
4月雇用統計の調査対象週となる4月18日までの週の、新規失業保険申請件数と継続受給者数の合計は2245.3万人。ほぼ、今回の非農業部門雇用者数の事前予想、前月比-2200万人程度とほぼ一致しています。また、分母を1億6千万とした場合の失業率は14.03%となり、今回の事前予想16%を少し下回るも、かなり近い水準となっています。
発表済のデータでは、4月25日までの新規と継続の合計が2649.3万人。前週比では+404万人。つまり、5月の雇用統計対象となる失業者数として、前月比-404万人が既に加算されていることになります。この時点での失業率は16.56%。
5月雇用統計の調査対象週までは、継続需給があと3週分、新規申請件数はあと2週分の結果を待つ必要はありますが、合計数は確実に増えていくことになります。
新規失業保険申請件数の第1波はピークアウトして減少傾向とはなっていますが、そのペースはやや鈍化傾向にもなっています。
そして、失業保険継続受給者数はまだ第1波の拡大途上にあります。
継続受給者数の第1波がピークアウトした後でも、感染者数の第2波以降が警戒されるのと同様に、失業者数の第2波以降も警戒されます。
7日のNY金相場は3日ぶりの反発で+37.3ドル、2.21%の大幅高。4月24日(1735.6)以来、2週間ぶりの高値水準。4月21日に20ドル超の戻り売りとなった翌22日に50ドル超の急反発、を再現する格好で前日の22ドル安からの急反発。どちらも直近安値をわずかに下回って一段安も警戒された状況から、1680ドル台でサポートされての切り返し。節目の1690ドルを割り込んでの時間外スタート後、早々に1690ドル台回復も上値も重く、欧州時間にかけては1690ドルをはさんでの揉み合い推移、NY朝までのドル高の流れが長期金利低下とともに巻き戻されたことでNY午前に急騰。1700ドルの大台を回復するとNY午後には1720ドル台、一時1730ドル台前半まで上値を伸ばし、抵抗線に切り替わりつつあった20日移動平均線(1723.2)も上抜け。NY引け後にはこの重要ラインとの攻防状態も1720ドル台は維持しての推移。FRB関係者は否定するものの、来年のマイナス金利導入観測台頭が押し上げ要因にも。下値トライへの流れは巻き戻され、今度は上値トライへの可能性へと形成逆転、終値ベースでの今年高値1768.9ドルが上値目標に。ただし、その4月14日の高値、今年最高値1788.8ドルと4月23日高値1764.2ドルなどを結ぶ形でこの日の高値1733.2ドルまで上値を切り下げる形で抵抗線が形成される状態に。
NYプラチナは+16.6ドル、2.17%の大幅反発。時間外では節目の770ドル割れも760ドル台半ばで下げ渋る状態が続き、NY午前の金の急騰に追随。780ドル台へと水準を切り上げて前日の下げをほぼ取り戻す形も、前日高値785ドル付近では伸び悩み、20日移動平均線(782.6)にも上値を押さえられた格好に。下値トライへの流れはあっさりと巻き戻され、760ドル台から780ドル台までの20ドルのレンジでの保ち合いに逆戻り。780ドル後半以上へと抜け出すことになれば、上値目標は4月末高値830ドル近辺へ。760ドル割れへと下値トライ再開となれば4月初旬の安値圏710ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は20銭余りのドル高円安となって5日ぶりの反発。前日NY時間とこの日の東京時間朝にわずかに106円を割れたところが安値となり、105円台後半を目安とした下値トライへの流れは少し消化不良で巻き戻された格好にも。欧州時間にかけては米10年債利回りの上昇とドル高の流れが続き、106円60銭台まで上昇。しかし、NY時間には流れが逆転。米2年債利回りが過去最低を記録し、来年のマイナス金利観測が意識されたことでドル安が急進、ドル円も106円20銭近辺まで40銭超の急落。今朝の東京市場では株高の流れとともに106円30銭台から40銭台付近で推移。あらためて106円から107円までを主要レンジとした小幅保ち合いの展開へ。目先、106円割れなら下値目安は105円近辺まで、107円台へと水準を切り上げることができれば上値目標は108円台トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/7終値とチャート
8日の国内金価格は+101円、1.6%の大幅高で6営業日ぶりの反発。NY金の下値トライへの兆しがマイナス金利観測などで巻き戻され、円高優勢状態のドル円も下げ渋ったことにもサポートされ、6300円の大台ラインを維持して切り返し。4月30日(6401)以来、1週間ぶりの高値水準に。6300円から過去最高値6516円まで、200円超の広めの、歴史的高値圏での保ち合いレンジ中程に位置し、荒い値動きも警戒されるものの、今回の米雇用統計での最悪の結果は織り込み済でもあり、目先はレンジ内推移維持が有力か。ただし、6300円割れの際には下げ幅拡大で下値目安は6150円程度まで、高値更新時にはさらに大幅高で6600円台後半も意識されるような展開にも。
週間ベースでは+65円、1.03%の反発。
プラチナ価格は+48円、1.7%の大幅反発。小幅保ち合い下方ブレイク後の下値トライの流れは2800円前後の下値目安に対して2831円まで、少し届かずに切り返し。NY金の大幅反発に連れ高となったNYプラチナの下げ渋りにサポートされての反発も前日の下げ幅の半分強にとどまり、直近の保ち合い水準(2890-2920)回復には至らず。下向きの9日移動平均線(2890)と上向きの21日移動平均線(2883)との揉み合い状態にもなって上値を押さえられた格好にも。これを突破して2920円超へと抜け出すことができれば3000円の大台回復へ、3020円辺りまでが上値目標にも。あらためて下値再トライの場合には2800円を割れて2780円程度までが下値目安に。
週間ベースでは-38円、1.3%の反落。
※参考:
金プラチナ国内価格5/8とチャート
2020年05月08日(金)時点の相場
国内金:6,401 円 5/8(金)
▲101(
1.60%)
国内プラチナ:2,879 円 5/8(金)
▲48(
1.70%)
NY金:1,725.8 ドル 5/7(木)
▲37.3(
2.21%)
NYプラチナ:782.1 ドル 5/7(木)
▲16.6(
2.17%)
ドル円:106.30 円 5/7(木)
▲0.22(
0.21%)
5/7(木)のその他主要マーケット指標
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