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★金プラチナ短期相場観★

CPIに続いてPPIも急落、前年割れでデフレ懸念も
更新日:2020年05月14日(木)
生産者物価指数(PPI)2020年4月米労働省が発表した4月の生産者物価指数(PPI)は前年比-1.18%。市場予想の-0.4%を大きく下回り、3月の+0.68%からも急低下、2015年11月(-1.26%)以来、4年5ヵ月ぶりの低水準。前年割れは4年1ヵ月ぶり。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+0.59%。これも市場予想の+0.8%を下回り、3月の+1.37%からも急低下。2015年12月(+0.18%)以来、4年4ヵ月ぶりの低水準。
また、食品とエネルギーと貿易サービスも除いたコア指数(コアPPI2)では、前年比-0.27%。やはり3月の+1.00%からは急低下、確認可能な2014年8月以降、5年8ヵ月間のデータでは過去最低、初の前年割れ。

前日の消費者物価指数(CPI)に続いての急落となりました。4月のCPIは前年比+0.33%となって2015年10月(+0.17%)以来4年半ぶりの低水準。前年割れはなんとか回避した状態。コアCPIでは前年比+1.43%となって2011年4月(+1.33%)以来、9年ぶりの低水準。

なお、CPIの詳細項目別では、ガソリン前年比-32%、航空運賃-34.3%などが牽引し、衣料(-7.7%)や自動車保険(-6.2%)なども前年割れとなってインフレ急低下要因となっています。

コロナ対応での経済活動停止に伴う航空各社の運行停止、これに伴う燃料消費急減や行動規制などに伴うガソリン需要の減少、これらが原油価格の暴落を誘発し、様々な物価下落につながっている状態です。

インフレよりも制御が困難としてFRBも警戒するデフレ状態が今後、PPIからCPIへと伝播し、続いていくようであれば、値下がり期待に伴う物資調達を控える動きが経済活動停滞に繋がり、「失われた10年」のような事態につながることも警戒されます。

NY金・日足チャート 2020/4/8 - 5/1313日のNY金相場は+9.6ドル、0.56%の続伸。時間外は1700ドルの大台を維持して1710ドルまでの小幅レンジで揉み合い推移、NY朝のパウエルFRB議長講演を受けて一時1720ドル台半ばまで急上昇。新型コロナウイルス感染拡大により、米経済は前例のない下振れリスクに直面しており、長期にわたる成長低迷と所得停滞も懸念され、景気回復に向けては時間がかかる可能性を指摘。パウエル議長の最大級の危機意識に対して安全資産としての金買いが進行し、さらにマイナス金利への期待感も高まった可能性もあり、「現時点でマイナス金利は検討の対象ではない」との否定発言を受けて1710ドル割れへと急反落。じかし、米株の一段安の流れを受けて買い戻し、NY終値では長期76.4%戻し(1716.4)を回復し、引け後には1720ドル台へと堅調推移。三角保ち合いは続くものの流れは中立から上方向へとわずかに変化の兆しも。1730ドルの節目を突破できれば上値再トライの流れへ、当面の上値目標は今年最高値更新、1790ドル台へ。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/8 - 5/13NYプラチナは-7.6ドル、0.98%安で3日続落、5月6日(765.5)以来、1週間ぶりの安値水準に。770ドル台を中心に保ち合い推移の展開となり、NY朝には金の急騰局面に連れて一時的に780ドル台へと上昇したのがこの日の高値。20日移動平均線(782.4)を超えられずに小幅急反落も、下値は768ドル近辺で何度も下値を支えられる底堅さも。NY引け後には770ドル台を回復し、760ドル台から790ドルまでの保ち合い長期化のなかでレンジ半ばを維持する中立状態継続。20日線が目先の抵抗線となり、上抜けできれば790ドルの節目トライへも。

ドル円・日足チャート 2020/4/9 - 5/13ドル円は15銭のドル安円高で0.14%の続落。前日から続く戻り売りの流れで東京朝の107円20銭台がこの日の高値、円高の流れで欧州時間に107円割れ、ドル安も加わったNY朝にはパウエルFRB議長のリスク警戒講演を受けて一時106円70銭台まで下落。しかし、マイナス金利への否定的発言を受けてドルの買い戻しが強まると107円10銭台へと40銭ほどの急反発。その後は株安・円高の流れで上値も重く、107円付近での攻防状態へ、今朝の東京市場では再度107円割れ。106円から107円70銭台までのレンジ半ばに位置し、ゆるやかに低下する20日移動平均線(107.14)がサポートにはなり切れず、しかし106円台後半では底堅さも。レンジ上限を突破できれば108円半ばまでが短期上値目安に、下限割れの場合には104円台半ばが意識される展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/13終値とチャート

14日の国内金価格は+37円、0.58%高となって5日続伸。5日続伸以上は2月(8日続伸)以来3ヵ月ぶりで今年2度め。4月27日(6504)以来、半月ぶりの高値水準となり、過去最高値から5月安値6300円までの半値戻し(6408)近辺での小康状態からようやく解き放たれ、61.8%戻し(6433)を突き抜けて76.4%戻し(6465)も目前に。これも上抜けできれば再び最高値更新トライをうかがう展開にも。NY金が節目を突破して高値更新トライへと向かうようなら、国内金価格は先行して高値更新も。NY金が高値更新となれば国内価格は6600円を大きく超えて6600円台後半も。

プラチナ価格は+36円、1.26%高で3日ぶりの反発。9-21日移動平均をまとめて下抜け、上抜けへと抜きつ抜かれつの揉み合い状態となって方向感のなさを示す状態に。2920円台の保ち合い上限を上抜けることができれば上値トライ再開へと向かう可能性、当面の上値目標は3050円程度まで。急反落となって2860円台の節目を割れた場合の下値目安は2800円割れ。
※参考:金プラチナ国内価格5/14とチャート

2020年05月14日(木)時点の相場
国内金:6,455 円 5/14(木) ▲37(0.58%)
国内プラチナ:2,902 円 5/14(木) ▲36(1.26%)
NY金:1,716.4 ドル 5/13(水) ▲9.6(0.56%)
NYプラチナ:769.8 ドル 5/13(水) ▼7.6(0.98%)
ドル円:107.04 円 5/13(水) ▼0.15(0.14%)
→5/13(水)のその他主要マーケット指標

←失業者数は5月第1週で頭打ち?でも金は三角保ち合い上放れ 05/15(金)
→1年以内に失業の可能性を意識する人、4月に20%超 05/13(水)
→NY金は長期76.4%戻しの攻防へ 05/12(火)
→国内金価格、90日移動平均で史上初の6100円超え 05/11(月)

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