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★金プラチナ短期相場観★

実質金利は過去最低、金価格は2000ドル新時代
更新日:2020年08月05日(水)
実質金利とNY金 2020年8月4日週末の雇用統計が芳しくない結果となった場合、これがトリガとなって金買いの流れが強まって2000ドル超えも。つい最近まではそんな予想もできましたが、見事に裏切られて予想外の早期到達。先週末から2日続けて高値では2000ドルを超えたものの、NY終値ではこれを維持できず、大台ラインがいったん抵抗線にも?との警戒感も一掃。4日には完全に水準を切り上げようかという勢いで2000ドル台に。

2週間前、NY金価格は1840ドル台。米10年債利回りは0.6%、期待インフレ率は1.48%でこれを差し引いた実質金利は-0.88%でした。
NY金は今や2000ドルを超え、時間外取引では一時2040ドル超え、わずか2週間で200ドルの上昇となっています。
米10年債利回りの低下傾向も続いて0.50%台。コロナショックの時に瞬間的につけた0.3%台以来5ヵ月ぶり、ほぼ過去最低水準まで低下してきました。期待インフレ率は過去最低となった3月の0.5%からの回復傾向は続いて1.57%。これを差し引いて算出する実質金利は-1.06%。7月末に過去最低となる-0.9%台、31日には-1%超え、8月に入ってさらに過去最低を更新する状態となっています。

NY金と実質金利との90日相関係数は2週間前と変わらず-0.93台で強めの逆相関。
金価格は2000ドル台の新時代を迎えようかという状況にもなってきましたが、実質金利の推移との比較だけを見る限りは、足下の急騰はややスピード違反のようにも見えます。

NY金・日足チャート 2020/6/30 - 8/44日のNY金相場は+34.7ドル、1.75%の大幅高で3日続伸。3日連続で過去最高値を更新し、終値ベースでも史上初の2000ドル超え。時間外は1990ドル付近での小幅揉み合い推移で膠着状態。このまま週末までは静かな状態か、もしくは若干の調整も?とはならず、一時的なドル高に1980ドル前半までの押し目を形成したのがトリガとなったかのようにNY市場では急騰。米10年債利回りが5ヵ月ぶり低水準へと急低下、ドル安の流れにも連れて2000ドル超へと急騰すると、そのまま勢いにまかせて水準を切り上げる展開となり、NY午後には2020ドル、引け後には2030ドル、さらに2040ドルを試す展開に。過熱感はほぼMAX状態でも金買いの勢いはとまらない状況ながら、ひとたび調整に入れば短時間での2000ドル割れなど、荒い展開にも要警戒。

NYプラチナ・日足チャート 2020/6/30 - 8/4NYプラチナは+24.1ドル、2.59%の大幅高で3日続伸。930ドル後半から940ドル台へと小幅に水準を切り上げた時間外から、NY朝には一時930ドル割れへと下押し後、遅れて金に追随する形で反発。NY午後までに950ドル台へと上昇、引け後には950ドル台後半から960ドルを試す状態に。7月末の急落前の保ち合い下限、940ドル付近ではいったん上値を押さえられながらも金の急騰に牽引されてこれを突破したような格好にも。保ち合い半ば、960ドル付近に到達したことで、目先は上値トライのチャンスをうかがう展開にも。990ドルの節目を突破することになれば、1000ドルの大台と今年高値圏再トライへ、1020ドル付近までが上値目標にも。

ドル円・日足チャート 2020/7/1 - 8/4ドル円は25銭のドル安円高、0.24%安で3日ぶりの反落。東京・欧州時間には106円をはさんでの保ち合い推移となり、NY時間には米10年債利回り低下とドル安の流れが強まり軟調推移の展開に。この日に限れば東京時間と欧州時間に106円10銭台の高値を2度つけ、その間の安値105円80銭台をNY朝に下方ブレイク、小さなダブルトップを完成し、今朝の東京時間には一時105円50銭台まで下落。日足レベルでは20日移動平均線(106.46)に上値を押さえられた状態で上ヒゲを残しての反落も、下値は前日安値105円50銭台までで下げ渋る状態にも。週末にかけて雇用統計悪化なら104円台後半までは下げやすく、予想外の好結果なら20日線突破から107円台トライの展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/4終値とチャート

5日の国内金価格は+152円、2.06%の大幅反発。2%超の急騰は今年10回め、8月は3日(+176円、2.45%)に続いて2度め。週末までは比較的静かな展開にも、との予想は全くハズレ、上値トライ前倒しで超長期上値目標7477円もあっさりと上抜け。2010年から純金積立をしていた場合の含み益は年利換算で遂に55%超え。ドル安、低金利、景気先行き不安などによる投資資金の流入もとまらない状態となり、一時的なリスク回避に伴う急騰局面ではないとは言え、価格水準が高騰すれば否が応でもボラティリティも急騰。今後NY金が2100ドル超えなら国内金価格は7600円台後半にも、2000ドル割れへと急落なら7400円割れへと急落も。

プラチナ価格は+26円、0.76%高で3日続伸。7月末の3日続落での下げ幅(174)の76.4%戻し(3460)を達成し、全値戻しまでもう少し。昨年後半には抵抗水準、過去にも抵抗水準やサポート水準となってきた3500円ラインは長期的にも重要な節目水準。短期的にはこれをしっかり上抜けると3550円近辺を目標に一段高の展開にも。しかし、急騰後の一服感も見られる金に追随する形での失速も。
※参考:金プラチナ国内価格8/5とチャート

2020年08月05日(水)時点の相場
国内金:7,516 円 8/5(水) ▲152(2.06%)
国内プラチナ:3,464 円 8/5(水) ▲26(0.76%)
NY金:2,021.0 ドル 8/4(火) ▲34.7(1.75%)
NYプラチナ:955.2 ドル 8/4(火) ▲24.1(2.59%)
ドル円:105.74 円 8/4(火) ▼0.25(0.24%)
→8/4(火)のその他主要マーケット指標

←トランプ期待の金曜の雇用指標は下振れ懸念、金の高値2070ドル 08/06(木)
→ISM製造業景況指数は混乱期を経て7月に回復基調へ 08/04(火)
→大幅貯金でスタート、金の季節8月に超長期上値目標7477円も? 08/03(月)
→世界の金需要-2020年第2四半期 08/02(日)

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