ドイツZEW景況感、期待は大幅続落、現況も半年ぶりに悪化
更新日:2020年11月11日(水)
ドイツのZEW景況感指数では、期待指数が3月の-49.5から9月の77.4まで急上昇。20年ぶりの高水準となった9月がピークとなり、10月の56.1に続いて11月は39.0へと大幅続落。市場予想も下回って4月以来7ヵ月ぶりの低水準に。
現況指数は4月に-91.5へと急落し、5月の-93.5が大底となり、10月の-59.5まで5ヵ月連続上昇で3月(-43.1)以来7ヵ月ぶり高水準となっていましたが、11月には-64.3へと反落。半年ぶりに悪化しています。
期待指数が先行して回復し、現況指数も遅れて追随、期待指数がピークアウトしても現況指数の回復基調はしばらく継続、というのがこれまでのパターンとなっていました。
リーマンショック後の推移と今回の推移を比較すると、水準はともかく期待指数は今回、比較的短期間で急上昇し、早くも急低下局面入り?という状態にもなってきました。さらに現況指数は低水準で早くも上昇一服となり、回復基調の腰折れが警戒される状況にもなってきたようです。
今週発表された9月の貿易統計では、季節調整済の数値で輸出は5月以降、5ヵ月連続で前月比プラスの拡大基調が続くものの、6月の+15.2%から9月には+2.3%と勢いは減速。貿易収支も5-7月の黒字幅急拡大から8月は前月比-10.9%と縮小、9月は+15.4%と失速気味に。
季節調整前の数値で前年比では、輸出も輸入も貿易収支も、全て(輸入は1月以降)3月以降は7ヵ月連続前年割れの状態が続いています。
新型コロナ感染第2波と行動規制の対応はドイツでも11月一杯予定されていることから、12月上旬に発表される次回のZEWの結果もあまり期待はできそうにありません。一部で懸念される、再びリセッション入りへの警戒感も高まりそうです。
10日のNY金相場は+22ドル、1.19%の反発。ワクチン相場での急落からの自律反発は時間外での1890ドル手前まで。米ドルの調整一服と10年債利回りが0.96%台へと一段高となった流れも重石となり、NY市場にかけては1870ドル台を中心に揉み合い推移。前日安値を下回らず、3月安値から8月最高値までの38.2%戻し(1845.4)割れも回避したことで1850ドルが当面のサポート。9月安値(1851.0)と合わせてダブルボトム形成への可能性も残し、強めのサポートとなる可能性も。前日高値から安値までの38.2%戻し(1893.1)に少し届かず、23.6%戻し(1875.9)付近で落ち着いた状態となり、目先は38.2%ラインの早期上抜けが課題。抵抗線候補としては1900ドルの大台ラインから50%戻し(1907.1)、短期的な地合い回復に向けての分岐点にも。
NYプラチナは+25.3ドル、2.92%高で3日ぶりの反発。自律反発の流れは時間外に870ドル台で一服となった後、NY市場では880ドル台へと水準を切り上げ、NY午後には一時890ドル台まで上昇。6日高値(917.0)から9日安値(849.2)までの61.8%戻し(891.1)を達成し、50%戻し(883.1)超を維持し、短期トレンド上向きも維持。ただし、9月安値からの反発後は概ね850ドルから900ドルまでのレンジでの上下動の展開が続く保ち合い状態。目先、900ドル超へと抜け出すことができれば9月半ばの戻り形成水準940ドル近辺までが上値目標。下方向には860ドル台を割れると9月安値圏820ドル台までが下値目安に。
ドル円はわずかに4銭ほどのドル安円高、0.04%の小幅反落。ワクチン相場で前日NY市場でつけた高値105円60銭台からの調整局面はこの日の東京市場午前の時間帯まで続いて104円80銭台まで下落。下げ止まりつつある20日移動平均線(104.76)にもサポートされて反発すると欧州時間にかけては105円台を回復すると一時105円50銭手前まで上昇。前日高値を超えられず、しかし105円台を維持しての推移となって短期的な流れは上方向へ。105円半ばから右肩下がりの90日移動平均線(105.70)まではやや抵抗感が強い状態ながら、これを超えることができれば106円近辺までは上値を伸ばす可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/10終値とチャート
11日の国内金価格は+8円、0.12%の小反発。NY金の下げ渋りと円安急進後の反動安も限定的となって下支えされた格好ながら、反発は限定的となり、いったん下げ止まっただけ。上から90日移動平均線(7089)、21日移動平均線(7001)、9日移動平均線(6954)と降順に並んだ一番下の9日線にも届かず、弱気地合いを象徴。90日線が右肩上がりを維持することだけがせめてもの救い。目先はやや軟調気味の推移も予想され、10月安値圏6860円近辺までの短期下値目安が意識される状況。
プラチナ価格は+26円、0.81%の反発。10月半ばの保ち合い水準到達に伴う一服をはさみ、これをわずかに上抜け。夏場以降上値を切り下げてきた下落トレンド脱却をかけて上値トライへと向かう可能性。直近高値(3284)、90日移動平均線(3314)、10月高値(3322)など複数の抵抗水準候補を突破できれば9月上旬の安値保ち合い水準3380円台辺りまでが上値目標に。下方向には3220円がサポート、これを下抜けると流れは逆転、6月後半の安値保ち合い水準3050円台までが下値目安に。
金との逆行状態で価格差は3685円となり、7月22日(3599)以来4ヵ月ぶりの水準へと縮小。
※参考:
金プラチナ国内価格11/11とチャート
2020年11月11日(水)時点の相場
国内金:6,933 円 11/11(水)
▲8(
0.12%)
国内プラチナ:3,248 円 11/11(水)
▲26(
0.81%)
NY金:1,876.4 ドル 11/10(火)
▲22.0(
1.19%)
NYプラチナ:892.7 ドル 11/10(火)
▲25.3(
2.92%)
ドル円:105.29 円 11/10(火)
▼0.04(
0.04%)
11/10(火)のその他主要マーケット指標
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