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米11月インフレ指標、CPIは伸び悩み、PPIは上昇基調継続
更新日:2020年12月12日(土)
米輸入物価指数×CPI×PPI 2020年11月米労働省が発表した11月の生産者物価指数(PPI)は前年比+0.76%。市場予想の0.7%を小幅に上回り、大底となった4月の-1.52%以降で7ヵ月続伸。2月(+1.11)以来9ヵ月ぶりの高水準となり、急回復基調は続きます。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+1.44%。市場予想の+1.5%を若干下回るも、3ヵ月続伸となって1月(+1.63)以来、10ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーと貿易サービスを除くコア指数では前年比+0.90%。これも3ヵ月続伸で3月(+1.00)以来、8ヵ月ぶりの高水準。

前日発表された11月の消費者物価指数(CPI)では、前年比+1.17%。市場予想の+1.1%を小幅に上回るも、9月の+1.37%、10月の+1.18%を下回って続落。7月(+0.99)以来4ヵ月ぶりの低水準となり、伸び悩み状態が続きます。
食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比+1.65%。市場予想の+1.5%を上回り、10月の+1.61%からも小幅に上昇。ただし8月の+1.74%、9月の+1.71%を下回る水準にとどまり、これも伸び悩みの状態。
原油価格が年初の50ドル台から急落し、回復局面では40ドル付近までにとどまっていることが大きく影響し、セクター別でもエネルギー価格の低迷とサービス価格の伸び悩みがCPIの伸びを抑制しています。

また、10月分まで発表されている輸入物価指数は前年比-1.04%。4月に-6%台まで急落後は6ヵ月続伸となって回復基調が続きますが、2月以降9ヵ月連続の前年割れ、デフレ状態も続きます。
輸入物価指数とPPI、輸入物価指数とCPIとの相関性はいずれも強く、24ヵ月の相関係数ではほぼ0.8台から0.9台に収まる強めの連動性を示し、輸入物価指数はPPIとCPIの先行指標となっています。
足下では、輸入物価の回復基調が鈍化しており、これがCPIの伸び悩み状態にも影響している可能性もありそうで、PPIのさらなる回復基調継続、もう一段の上昇への不透明感にもつながりそうです。

さしあたり、次週発表される11月の輸入物価指数が前年比でプラス圏を回復できるか、要チェックです。

NY金・日足チャート 2020/11/6 - 12/1111日のNY金相場は+6.2ドル、0.34%の反発。ジョンソン英首相が「合意なしの可能性が非常に高い」とする英EU通商交渉の行き詰まりを受けてポンド安・ユーロ安・ドル高の流れが急速に進行したロンドン市場では1840ドル付近から1830ドル割れへと小幅に急落。しかし11月末安値(1776.2)から12月8日高値(1879.8)までの半値戻し(1828.0)付近では底堅く、9日安値(1828.2)をわずかに下回るも1826.8ドルで折り返し、NY市場にかけてはドル高の失速と米10年債利回りが0.9%割れへと低下した流れにも連れて1840ドル台を回復。高値では一時1850ドル台前半まで上昇も前日高値を超えられず、ゆるやかな低下基調が続く20日移動平均線(1843.7)にも上値を押さえられた格好にも。3日連続で下値を支えられた1830ドル前後が目先の下値サポートとなり、これを割り込むようだと1800ドルの大台ライン付近までが下値目安に。上方向には20日線を超えると1870ドル台が当面の抵抗水準、超えると10月高値圏トライへ、1930ドル台辺りまでが上値目標に。
週間ベースでは+3.6ドル、0.2%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2020/11/6 - 12/11NYプラチナは-5.9ドル、0.57%の反落。前日NY朝の1050ドル付近が戻り高値となり、この日のNY朝の1010ドル割れまで戻り売りの展開。その後は1030ドル台へと反発後に1020ドル割れ。上下動を繰り返しながら概ね1010ドル台から1030ドルまでの小幅保ち合いレンジに収束してきた状態に。上方向に1030ドル超へと抜け出すと1060ドル前後までが短期的な上値目安に、下方向に1010ドル台を維持できなくなれば990ドル付近までが短期下値目安。
週間ベースでは-51.0ドル、4.75%の大幅安となって4週ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2020/11/9 - 12/11ドル円は20銭程のドル安円高、0.2%安で4日ぶりの反落。日経平均の軟調推移にも連れた東京午前の急落局面では104円20銭台から104円割れも103円90銭台では下げ渋り、欧州・NY序盤にかけては揉み合いながらも104円10銭台へと値を戻す展開。NY市場ではユーロドルの下げ渋りとともにドル高も失速、米10年債利回り低下などにも連れて戻り売り。再度下値を試す展開も103円80銭のサポートライン付近では底堅く、ミシガン大消費者信頼感指数の12月速報値が76の市場予想に対して81.4と大幅に上回る好結果となったことも好感されて104円台を回復。引き続き103円80銭台が堅めの下値サポートとなり、104円台半ばまでのレンジで保ち合い継続か。下限割れなら102円台半ば、上限超えなら105円台後半までが短期的な変動目安に。
週間ベースでは-14銭、0.13%の小幅安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/11終値とチャート

2020年12月12日(土)時点の相場
国内金:6,723 円 12/11(金) ▼8(0.12%)
国内プラチナ:3,725 円 12/11(金) ▲84(2.31%)
NY金:1,843.6 ドル 12/11(金) ▲6.2(0.34%)
NYプラチナ:1,021.8 ドル 12/11(金) ▼5.9(0.57%)
ドル円:104.04 円 12/11(金) ▼0.21(0.20%)
→12/11(金)のその他主要マーケット指標

←ワクチン進展と英EU協議継続で株高に連れてプラチナも反発か 12/14(月)
→アルゼンチン通貨安阻止に向けた奇策?マラドーナ紙幣導入 12/11(金)
→米10月求人件数は2ヵ月連続増加も12ヵ月連続前年割れ 12/10(木)
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