英ワクチン接種開始、ドイツZEW期待指数も急騰
更新日:2020年12月09日(水)
中国・武漢市で新型コロナウイルス(COVID-19)感染が初めて確認されたとされる2019年12月8日。それから1年後、早くもワクチンの一般接種が英国でスタート。
英国政府は今月2日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチン緊急使用を承認し、予定通り8日から接種が始まりました。
米国では同じワクチンを10日に使用許可が降りれば11日にも接種開始の可能性、と報じられていました。また、先週(12月第1週)時点で米モデルナも米国での緊急使用許可申請を終え、早ければ21日から米国内での接種開始見通しとの報道もありました。
なお、ロシアの首都モスクワでは5日、新型コロナウイルスの自国産ワクチン「スプートニクV」の大規模接種が先行して始まっていました。ただし、これは最終段階の治験が終わっていない、異例の先行接種でプーチン大統領も接種しないとか。
まだ接種したくはない、と考える人も相当数存在するなかでも、ともかく一般向けの接種がスタートし、来年に向けては各国で承認されて広まって行くことにはなりそうです。
ファイザーとの共同開発企業ビオンテックのお膝元ドイツでも、年内の承認と接種開始を目指すとも伝えられていました。
そのドイツのZEW景況感指数も、12月はワクチン期待から期待指数が急反発しています。
11月には39.0となって4月以来7ヵ月ぶり低水準へと落ち込んでいた期待指数は12月には55.0。前月比+16.0は5月(+22.8)以来7ヵ月ぶりの急騰。
ただし、現況指数は-66.5。大底となった5月の-93.5から10月の-59.5まで5ヵ月続伸後は続落となり、4ヵ月ぶりの低水準。
ドイツでもワクチンの承認が近い、との思惑から12月に期待感は急上昇しましたが、現況は低水準での失速となり、まだまだ回復途上。期待先行の状態です。
8日のNY金相場は前日比+8.9ドル、0.48%の続伸。11月17日(1885.1)以来、3週間ぶりの高値。時間外は1860ドル台から前日高値をわずかに上回る1870ドル台半ばまで上昇して失速。ロンドン市場ではドル高ユーロ安となった場面にも連れて1860ドル台半ばまで下押し、NY朝には米10年債利回りが続落へと低下したこともあり、1870ドル台へと再反発。ただし高値では1880ドルにわずかに届かず。ワクチン相場で株高の流れが続くなかでの高止まりとはなったものの、節目の1870ドル台でしっかり上値を押さえられた格好にもなり、この水準を突破できなければいったん調整の動きにも。下方向には下げ止まった20日移動平均線(1848.3)がサポート候補となり、節目の1870ドル台上抜けに成功した場合にはもう一段の上昇局面形成へ。低下基調の90日移動平均線(1916.2)上抜けと1920ドル台トライが上値目標に。
NYプラチナは-12.4ドル、1.18%の続落。時間外での1020ドル台半ばまでが安値、NY朝に一時1040ドル台半ばまで上昇したのが高値となり、ほぼ1030ドル台を中心とした小幅揉み合いに終始。雇用統計直後の高値1093.1ドルから前日安値1014.1ドルまで急落後には半値戻しとなる1056ドルまで反発して失速、そしてこの日は下半分の半値戻しとなる1030ドル台に収束した状態。落ち着きやすいところに落ち着いた状態にもなり、急騰一服後の調整継続か、調整一服後の上値トライ再開か。下方向には前日安値1010ドル台がサポート候補、上方向には
長期トレンド転換点とも言える1070ドル台の節目が重要な攻防ライン。
ドル円は11銭のドル高円安、0.11%の小反発。東京朝と欧州朝に103円90銭台の安値を二度つけて前日安値を下回らず、NY市場での高値は104円20銭近辺までにとどまり、これも前日高値を超えられず。今朝の東京市場でも日経平均の大幅反発スタートに影響されることもなく104円10銭台での小康状態。単独での方向感は形成され難い状態が続き、目先はECB理事会でのユーロ高牽制などでユーロ安ドル高が進行するようならドル高優勢の展開にも。104円半ばを上抜けると105円台後半までが上値目標に、逆に103円80銭を割れると102円台半ばまでが下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/8終値とチャート
9日の国内金価格は+20円、0.29%高で7日続伸。7日続伸以上は7月以来5ヵ月ぶりで今年4回め。水準としては11月18日(6890)以来、3週間ぶりの高値。7日続伸でもRSIは45.6と50%に届かず、11月高値(7062)から11月安値(6512)までの半値戻し(6787)は超えたものの、61.8%戻し(6852)には届かず。61.8%戻しを達成できれば76.4%戻し(6932)が次の上値目標、ここまで来ればようやく節目の6940円台との攻防へ。
プラチナ価格は+5円、0.14%の小反発。急騰後の一服状態となり、11月安値(3096)から12月高値(3794)までの23.6%戻し(3629)まで距離を残し、調整としてはまだ浅め。NY金がいったん上値を押さえられる可能性とNYプラチナの小康状態からは上値トライ再開に向けては少し時間が必要そうな状況にも。
※参考:
金プラチナ国内価格12/9とチャート
2020年12月09日(水)時点の相場
国内金:6,829 円 12/9(水)
▲20(
0.29%)
国内プラチナ:3,706 円 12/9(水)
▲5(
0.14%)
NY金:1,874.9 ドル 12/8(火)
▲8.9(
0.48%)
NYプラチナ:1,037.0 ドル 12/8(火)
▼12.4(
1.18%)
ドル円:104.17 円 12/8(火)
▲0.11(
0.11%)
12/8(火)のその他主要マーケット指標
米10月求人件数は2ヵ月連続増加も12ヵ月連続前年割れ 12/10(木)2年5ヵ月ぶり人民元高ドル安で中国の輸出は2年9ヵ月ぶり急増 12/08(火)プラチナの長期トレンド転換点 12/07(月)雇用統計NFPは急減速、雇用回復100%まではあと2年? 12/05(土)
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