ADP雇用3月は半年ぶり高水準、回復ペースは急加速の兆し
更新日:2021年04月01日(木)
コロナ後の雇用回復ペースが急加速の兆しとなってきました。
ADPの全米雇用リポートでは、3月の雇用者数が前月比+51.7万人となり、2月の+17.6万人からは急増。昨年7月以降では最大となった9月(+82.1)以来、半年ぶりの高水準。
3ヵ月移動平均では+29.6万人となり、11月(+51.5)以来4ヵ月ぶりの高水準となっています。
50%前後での停滞状態が続いていたADPの回復率は3月に54.0%へと上昇。
ワクチン接種の加速、追加刺激策効果などもあり、サービス業での雇用回復が急速に進み始めているようです。
週末の雇用統計でも前月比60万人超の雇用増が見込まれ、そうなれば2月時点で57.6%に達していたNFPの回復率は60%を超える可能性もありそうです。
ADPの雇用回復ペースが今後、月間30万人ペースで続いた場合、100%回復までにはあと30ヵ月(2年半)必要となります。その時期は2023年9月。
月間50万人ペースなら18ヵ月(1年半)。この場合、2022年9月にも100%回復する可能性もありそうです。
今後の雇用回復ペースの加速度合いによって、100%回復時期は大きく変わってくることになり、金融政策正常化に向けた協議開始時期も流動的、意外と早まる可能性も否定はできません。
31日のNY金相場は+29.6ドル、1.76%の大幅高となって3日ぶりの反発。上昇幅では今年3番め、上昇率では今年2番めの急騰で前日下落分は全戻し。時間外には前日安値をわずかに下回る1677.3ドルまで下げたところで下げ渋り、短期下値目安で今年安値1673.3ドル近辺に最接近。短期的には達成感もあり、ロンドン時間からは米長期金利低下とドル高の巻き戻しにも連れて反発へ、NY朝には自律反発の勢いを強めて1700ドルの大台を回復すると午後には一時1710ドル台半ばまで上昇。その後は長期金利の反発とドルの反発にも押されて1710ドル割れへと失速。今年安値更新リスクはいったん緩和されたものの、ADP雇用の結果からも雇用者数の伸びがかなり好調となる可能性もあり、週明けにかけての波乱の展開へも要警戒。1680ドルが目先のサポートとなり、これを割り込むとあらためて今年安値更新トライとなって1670ドル前後が下値目安に。反発基調継続で1730ドル台の節目を上抜けるようならダブルボトムからの反発局面形成へ、2月初旬安値圏1790ドル近辺が上値目標に。
月間では-13.2ドル0.76%安となって3ヵ月続落。
NYプラチナは+30.9ドル、2.66%の大幅反発。上げ幅としては今年6番め、上昇率では7番めの急騰で3月19日(1200.1)以来の高値水準に。時間外スタート直後につけた1159.1ドルが安値となって前日安値を下回らず、1150ドルの節目の少し手前でしっかりサポートされた形となり、金に先行する格好で反発基調スタート。NY朝までに1180ドル台を回復すると1200ドル手前まで上昇し、午後にかけては1190ドル台での揉み合い推移、引けにかけては1190ドル割れへとやや失速。それでも20日移動平均線(1182.4)を超えて1180ドル台の節目を上抜けたことでもう一段の上値トライへの可能性も、3月高値圏1220ドル近辺が短期上値目標。ただし、タイミング的には腰折れの可能性も否定できず、1160ドルの下値サポートを割れるようなことがあれば下値トライ再開へ、3月安値圏1110ドル台も視野に。
月間では+6.2ドル、0.52%の続伸。3月としては5年連続の下落をギリギリで回避。
ドル円は36銭のドル高円安、0.33%高となって6日続伸。6日続伸以上は2月初旬以来、2ヵ月ぶりで今年2度め。昨年3月25日(111.15)以来1年ぶり高値水準での一段高となって短期上値目標110円到達後も上げ止まらず。東京午前の時間帯は米10年債利回り上昇にも連れて堅調推移、110円60銭台へと30銭程の急騰となり、昼前にはさらに110円80銭台へと一段高、正午頃には一時111円手前まで上昇する場面も。110円80銭台での小康状態を経て東京市場終了とともに米長期金利低下にも連れて110円台半ばへと軟調推移。欧州時間からNY時間にかけては110円60銭台から80銭台を主要レンジに保ち合い推移。雇用統計が好結果となれば111円トライへ、昨年3月高値111円70銭台が意識される展開にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/31終値とチャート
1日の国内金価格は+105円、1.61%の大幅高で3日ぶりの反発。今年の平均騰落値幅46円(絶対値)の倍以上、今年最大の上昇。保ち合い下放れに伴う下値目安6480円近辺に対しては前日の6517円まで、少し届かずに巻き戻し。3月の短期上昇トレンドは月末の急落で崩れたものの、昨年8月来の中期下落トレンド脱出をかけた攻防には再トライの様相にも。6640円台の節目を上抜けることができれば2月半ば高値6750円近辺が上値目標となり、脱・中期下落トレンドの流れ加速へ。雇用統計後の週明け波乱への警戒感もあり、6510円台の節目を割れると3月初旬の安値保ち合い水準6440円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は+109円、2.44%の大幅高で3日ぶりの反発。今年の平均騰落値幅69円の1.5倍以上、今年6番めの急騰で切り返し。4520円台の節目上抜けに伴う短期上値目安4570円程度にも早速到達。中期上昇トレンド5ヵ月超をかけた攻防も継続へ。短期的には一服感もあるものの、週明けにかけてボラティリティ拡大への警戒感も。直近安値4470円割れの場合には3月後半安値圏4410円前後までが下値目安。
※参考:
金プラチナ国内価格4/1とチャート
2021年04月01日(木)時点の相場
国内金:6,622 円 4/1(木)
▲105(
1.61%)
国内プラチナ:4,579 円 4/1(木)
▲109(
2.44%)
NY金:1,715.6 ドル 3/31(水)
▲29.6(
1.76%)
NYプラチナ:1,191.5 ドル 3/31(水)
▲30.9(
2.66%)
ドル円:110.74 円 3/31(水)
▲0.36(
0.33%)
3/31(水)のその他主要マーケット指標
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