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米3月CPI一時的な上振れに長期金利急低下、ドル急落で反応
更新日:2021年04月14日(水)
米・消費者物価指数(CPI) 2021年3月米労働省が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前月比では+0.6%となって2012年以来の大幅な伸び。前年比では+2.62%。市場予想の+2.5%を上回り、2月の+1.68%からも急騰、2018年8月(+2.70%)以来、2年7ヵ月ぶりの高水準。セクター別ではエネルギー価格が前年比+13.2%と急騰し、項目別でもガソリン価格が+22.5%と異次元の急騰となったことがCPI総合指数を押し上げました。

その他の項目では、航空運賃が前年比-15.1%となって1年ぶり高水準へと回復。自動車保険が-2.5%となって7ヵ月ぶり高水準。前年割れが続きながらも回復途上。
その一方で賃貸住宅は前年比+1.8%、5ヵ月連続の低下で近年最低水準の伸びに。医療サービスも+2.7%となってほぼ2年ぶりの低水準。健康保険も-1.0%となって2年7ヵ月ぶりの前年割れ、近年最低水準に。

この結果、食品とエネルギー関連を除いたコアCPIは前年比+1.65%。市場予想の1.5%を上回り、4ヵ月ぶり高水準とはなったものの、依然として2%にも大きく届かない水準での推移。
総合指数が急騰したことで一瞬ドル買いの流れが強まる場面もありましたが、一時的なインフレ上昇を強調していたFRBの事前アナウンス効果もあり、米長期金利急低下とともにドル安の流れが強まる展開となりました。

なお、NY原油価格は月間平均で今年3月は62.36ドル。昨年は2月の50ドル台から3月は30.45ドルへと急低下していました。前年比で見れば2月の+16.9%から3月は+104.8%の急騰となっていました。そして、昨年4月はNY原油価格が空前絶後のマイナス40ドルを記録した月、月間平均でも16.70ドル。3月からさらに一段安となって大底をつけた月。
次月、4月のCPIも異常な数字が飛び出すかもしれません。

NY金・日足チャート 2021/3/9 - 4/1313日のNY金相場は+14.9ドル、0.86%高となって3日ぶりの反発。続落後に20日移動平均線(1731.4)に支えられた状態から、ロンドン時間にかけてはドル高ユーロ安の流れに連れて一段安、20日線を割れて1730ドル割れでの推移、4月5日以来の安値となる1723ドルまで下落する場面も。下げ渋って迎えたNY朝の米3月CPIは予想以上の伸びを示したものの、米長期金利は急低下、一瞬のドル高反応後にドル安へと反転・加速する展開にもサポートされたNY金は1750ドル手前まで、20ドル程の急騰。米疾病対策センター(CDC)が米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチン使用を血栓問題から一時的に見送るよう勧告したこともネガティブ材料となってこの流れを後押しした様子も。結果的に20日線にサポートされ、前日ローソク足の実体部をカバーする抱き線を形成して今後の反発基調への可能性も示唆。主要レンジを上半分に切り上げて1760ドルと1730ドルが上下の節目、上抜けならダブルボトムからの上値トライ再開ともなって上値目標1780ドル近辺、さらに勢いづけば1800ドルの大台再トライへの可能性も。下限割れなら1700ドル近辺までが短期下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/3/9 - 4/13NYプラチナは-17.7ドル、1.51%安で3日続落。3日合計で78.3ドル、6.3%の大幅下落となって3月25日(1154.2)以来、3週間ぶりの安値。1170ドル近辺での小康状態となって下げ渋る展開から、NY朝の米CPI発表後には米株の反応に追随する形となって小幅急騰後に反落、1186ドルの高値をつけて1150ドル台へと30ドル程の急落。NY引け後には節目の1160ドル台へと戻してはいるものの、これを維持できなければ一段安へ。NY終値ベースでは節目を割れて3月安値1110ドルを起点にゆるやかに下値を切り上げるサポートラインも割り込んだ状態となり、下値目安1110ドル台も意識され、二番底トライへと向かう可能性も。

ドル円・日足チャート 2021/3/10 - 4/13ドル円は31銭のドル安円高、0.28%の続落で3月24日(108.74)以来、3週間ぶりのドル安円高水準に。東京時間には前日高値109円70銭台まで上昇して失速、欧州時間にかけては109円20銭近辺まで下げて揉み合い、NY朝のCPI発表後には109円60銭付近まで急騰で反応後に109円10銭台へと急反落。J&Jワクチン問題などもリスク材料となって円高圧力にもなり、NYh終盤にかけては109円割れを試す場面も。下方向への節目109円20銭を完全に割り込み、今朝の東京市場では109円も割り込んで下値トライへの流れが進行し始めた様子も。短期下値目安は108円近辺まで。109円70銭が当面の抵抗水準となり、突破できれば111円再トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/13終値とチャート

14日の国内金価格は+17円、0.26%高で3日ぶりの反発。21日移動平均線(6644)も下抜けて6620円程度までの下値余地も想定された状態から切り返すも、90日移動平均線(6690)下抜け翌日の上抜け再トライには失敗。「90日移動平均線=今年の抵抗線」状態から脱出できない状態が続くようだと堅調方向優勢の短期トレンドも逆転へ。90日線を上抜けると直近高値との攻防へ、6720円超へと抜け出すことができれば今年高値から3月安値の61.8%戻し(6786)、6790円近辺が上値目標に。6640円割れへと抜け出すようなら短期トレンド逆転へ、6600円近辺までが下値目安に。

プラチナ価格は-51円、1.14%安となって5日続落。5日続落は今年初、昨年11月2日以来5ヵ月ぶり。水準としては3月26日(4407)以来、3週間ぶりの安値。前回の5日続落最終日となった11月2日を起点とする上昇トレンドのサポートラインを割り込んでの一段安。5日続落でスタートしたトレンドを5日続落で締めくくり。3月安値(4207)から4月高値(4734)までの半値戻し(4471)にほぼ到達しても下げ止まるのに都合が悪かった理由はこれ?水準的には3月後半保ち合い水準に位置し、物理的には下げ止まりやすい水準にも。NYプラチナが一段安なら、61.8%戻し(4408)から76.4%戻し(4331)などがさらなる下値警戒水準。
※参考:金プラチナ国内価格4/14とチャート

2021年04月14日(水)時点の相場
国内金:6,666 円 4/14(水) ▲17(0.26%)
国内プラチナ:4,428 円 4/14(水) ▼51(1.14%)
NY金:1,747.6 ドル 4/13(火) ▲14.9(0.86%)
NYプラチナ:1,157.1 ドル 4/13(火) ▼17.7(1.51%)
ドル円:109.07 円 4/13(火) ▼0.31(0.28%)
→4/13(火)のその他主要マーケット指標

←輸入物価指数も3月は急騰、4月はPPI、CPIをさらに押し上げへ 04/15(木)
→ドル高の巻き戻し、ユーロも金も23.6%戻しで一服 04/13(火)
→国内金は三役好転へ、プラチナは三役好転崩れの攻防 04/12(月)
→生産者物価、コアPPIは過去最高、一時的インフレ加速へ 04/10(土)

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